ちょっと妙な質問なのだが、皆さんは最初に信号機を見たときのことを覚えているだろうか? おそらくほとんどの人が、覚えていないはずである。なぜなら、珍しいものではなく、生活の一部。景色に過ぎないからである。
・海士町には信号が一箇所にしかない
実は、その信号機が一箇所しかない町がある。島根県隠岐郡海士町には、信号機が設置された交差点はたったの一箇所だけ! そもそも一箇所だけあって意味があるのか? それにも増して興味深いのは、この町のある町民は、どこにでもありそうな他の設備を必要としているのである。その設備とは?
・安全のためだけではなく
私(佐藤)の旧知の友人、中村徹也さんはこの町で旅館を営んでいる。生まれも育ちも海士町の生粋の島っ子だ。この町に信号機があるのは、交通安全のためであると同時に、もうひとつ大きな理由がある。
・教育のため
それは島の子どもたちの教育のためだ。信号機を知らなければ、交通安全の役割をはたさない。初めて見ても戸惑わないように、一箇所だけ設置しているのである。しかし中村さんはもうひとつ設置して欲しい設備があると明かしている。
・海士町に欲しい、もうひとつのもの
「海士には信号がひとつ。子供達の訓練のためにもと置いたらしい。そゆいみではどっかにエスカレーター置いてください せえーの せえーので大変や」(中村徹也さん Facebookより引用)
・タイミングがわからない
おわかり頂けるだろうか。エスカレーターが日常にないと、初めてエスカレーターに遭遇する子どもは、乗るタイミングがわからないのである。この投稿内容からわかるように、海士町にはエスカレーターを必要とするような施設がないのだ。
彼が切望する気持ちはわかるのだが、訓練用のエスカレーター設置は難しいだろうなあ……。
参照元:Facebook
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
▼隠岐郡海士町唯一、信号機のある交差点