今年もっとも話題になったことのひとつに、佐村河内守氏のゴーストライター問題がある。佐村河内氏は18年間にわたって、新垣隆氏に楽曲の制作を依頼して、世間を偽り続けていた。2014年3月の謝罪会見の様子を鮮明に記憶している人も多いのではないだろうか。
その佐村河内氏が11月に放送人権委員会に、バラエティ番組に対する申立書を提出していたことが明らかになった。その番組とはフジテレビの「IPPPONグランプリ」である。これを受けて同委員会は審理入りすることを決定し、委員会でその旨を発表したのである。
・5月24日の放送
IPPONグランプリは、いわゆる大喜利バラエティ番組である。お題について出演者がユニークな回答をし、その評価を競うというもの。佐村河内氏が申し立てを行っているのは、5月24日の放送内容についてである。放送倫理・番組向上機構のホームページによると、佐村河内氏はこの日の放送内容が彼を揶揄するものであったとして、次のように訴えている。
・佐村河内氏の申し立て
「申立人(佐村河内氏)を『お笑いのネタ』として、一般視聴者を巻き込んで笑い物にするもので、申立人の名誉感情を侵害する侮辱に当たることが明らか」「本件番組が申立人の心情はもちろんのこと、同じく聴覚その他の障害を背負って生活している多くの人々の心情をも踏みにじることになるのであり、非常に悪質である」(放送倫理・番組向上機構ホームページより引用)
・フジは真っ向から対立
これに対してフジテレビ側は、表現として許容されるべきとしたうえで、真っ向から対立する姿勢を示している。委員会は審理要件を満たしているとして、次の委員会から実質審理入りするとのこと。ネットユーザーは次のように反応している。
・ネットの声
「ネタの元凶を作ったのはアンタ自身やで」
「自分が傷つくことには敏感なんだよね」
「めんどくせえw」
「全てはお前が悪い」
「ネタにされたとか言うのは被害妄想じゃない?」
「おいおい、マジっすかw」
「自業自得とは思うけど」
「なんだかねぇ」
「必死だなぁ」
佐村河内氏の訴えに対して、ネットユーザーの反応はかなり冷ややかだ。はたして佐村河内氏の主張はどう判断されるのだろうか? 今後の動向が気になるところである。
参照元:放送倫理・番組向上委員会
執筆:佐藤英典