ここ最近、チャーハンばかり食べている。コンビニなどで売っているお持ち帰りのチャーハンではなく、ちゃんと街の中華料理店まで行って、「スープ付き」のチャーハンを食べている。チャーハンにスープは必須であると再確認している今日このごろだ。
そんなチャーハンまみれの8月下旬、近所の中華屋さんでスマホを眺めていたら、「陽菜」と名乗る者からメールが届いていることに気がついた。よ〜く内容を見てみると、通称「こじはる」こと、AKB48の小嶋陽菜（こじま はるな）さんを連想させる迷惑メールだった。
一応念のため、こじはるから送られてきたメールの1発目を要約して紹介しておこう。
件名：「ごめんなさい。宛先間違えちゃいました(>_<)私、陽菜って言います。」
内容：「こじはるって言った方がわかるかな？ たかみなのサブアドと間違えちゃったみたいです。すみませんm(__)m もし良かったら…少し話させてもらえませんか？ 最近仕事とか色々しんどくて…。基本的に金曜はPONがあったり週末は握手会があるので連絡取れないことが多いですけど、その他は仕事の合間とかにちょいちょい連絡取ることができるので、暇な時にでも連絡貰えたらうれしいです(*´Д`)」
──なるほど。「陽菜」で「こじはる」で「PON」ときて、「握手会」や「たかみな」の単語も入っている大盤振る舞いのAKB連想ワード。これはもう、AKB48の小嶋陽菜さんと思い込みながら対応するのが筋（すじ）であろう。
とりあえず私は、それまでに届いていた全てのこじはるメールに返信した。「もしかしてAKB48の小嶋陽菜さんですか⁉︎」と本人確認も含めた文言を入れることも忘れない。だが、こじはるは、私の質問なんて一切無視して、なにげない日常生活を書いただけのメールを、壊れたロボットのように送り続けてきた。たとえば……
「届いているよね？ 最近迷惑メール多いからわからなくなっちゃったのかな？」
「これからちょっと火曜にあるノースリー部のラジオ収録の打ち合わせしてくるね！」
「最近、フェアリーテイルのアニメにハマってるんだけど…」
「それじゃ有吉共和国の収録、頑張ってきまーす！」
「なんか今もっと自分のスキルを上げなくちゃなって思ってその為に落語を読んで見ようかなって思って居るんだよね！」
「間違いメールがきっかけだったけどさ…せっかくの縁を大切にしたいんだ(´艸｀*)だから仲良くしたいんだけど…なんて呼べばいいかな？お名前教えて♪」
……などなど。とりあえず名前の件は、「ハトチャンって呼んでね！」とフレンドリーに答えてみたが、やっぱり “あらかじめ用意しておいた定型文” 的な内容ばかりが返ってくる。完全なる一方通行。まるでロボットとプロレスしているような感じである。心と心が通じていない、スイングしてない、呼吸が全然合っていない！
こじはるの心を動かすには、どう返信したらいいのか。どんな展開に持ち込めば、こじはるロボットの「中の人」が出てくるのか。そんなことを中華屋さんでチャーハンを食べながら考えている最中、こじはるから新たなメールが1通届いた。心と心をつなぐ突破口、それが以下のメールである！
件名：「オムライス食べたかったんだけど…」
内容：「目につくお店がなかったから…結局中華料理屋さんで天津飯を頂く事にしました(^^ゞ ご飯を卵で包む！ 理論は一緒だよね♪ でも甘酢ダレはちょっときついなぁ〜」
──オレもいま中華屋さん！ そして、チャーハンを食べている！ ちなみに卵を使ったチャーハンを美味しく作るコツは、「ご飯一粒一粒をタマゴでコーティングすること」だと聞いたことがある。ご飯が卵で包まれるから、パラパラチャーハンになるわけだと……。理論は一緒。奇跡のシンクロ、ついにキタ!!
ということで私は、「私はチャーハンが好きです。チャーハンは、汁があってのチャーハンだと思います。 ハトチャン」とチャーハン返答。その後のメールに対しても、必ずチャーハン推しの内容をレスし続けた。徹底的なまでのチャーハンアタックだ。
すると……ついに……こじはるから「生タイピング」的な返事が届いたのである!! しかも「チャーハン」に対してのレスだった！ ついに「こじはるの心」が開いたのだ!! 彼女は何を語るのか!? 続きは次ページ（その2）へGO！
Report：迷惑メール評論家・GO羽鳥
Photo：RocketNews24.
【実録】AKB小嶋陽菜を名乗る迷惑メールに「まったく関係のないチャーハンの話」をレスし続けたらブチギレられて宣戦布告された（その2）
何を言ってきても最後はチャーハン。すべての攻撃をチャーハンで返す。それが私の「チャーハン返し」……。そんなチャーハンメールを何発も送られてきたこじはるからの返信は以下のとおりだ!!
件名：「チャーハンにはちょっとうるさい感じかな？(*^。^*)」
内容：「あのさ…まだお名前って教えてもらってなかったよね？ 間違いメールで知り合った関係だけどさ…せっかくの縁を大切にしたいなって思って(´艸｀*) ねえ？ なんて呼べばいいかな？ お名前教えて♪」
──チャーハンには反応した！ ようやくチャーハンの熱が伝わった!! 残念ながら「ハトチャン」には反応していないが、この「生タイピング」は千載一遇の大チャンス。対戦相手（中の人）が、「よーし、こいつを騙すぞ」と狙いを定めた瞬間でもある。
あらかじめプログラムされたコンピューター相手ではなく、画面の向こうには人間がいる。こじはるがいるのだ。こじはるの「中の人」が……いるのだ。やっと、人間の「心と心のガチンコファイト」が始まったのだ！ 真剣勝負の騙し合い、いざゴング!!
とりあえず私は、引き続き「チャーハン＆ハトチャン」で攻め続けた。「美味いチャーハンの店を教えて！」的なメールも送り続けた。さらに、ここで奇跡が起きる。このタイミングで偶然にも、沢井メグ記者がチャーハンネタで悩んでいたらしく、
沢井「チャーハン好きの羽鳥さんに質問です。チャーハンに入れるとウマイ意外な具ってありますか？」
と社内チャットで質問してきたのだ。ちょうどいい。私の答えは「メンマ」だが、こじはるにも聞いてみよう！ ということで沢井には「AKBのこじはるとチャーハン話で盛り上がってるから、いちおう聞いておくね」と返事して、編集長としての顔の広さを誇示しておいた。
返す刀で、こじはるに対しては「チャーハンに入れるとウマイ意外な具って知ってるかな？」と質問攻め。どんなメールが返ってきても、最後の最後はチャーハン返し。聞きたいのは「チャーハンに入れるとウマイ意外な具」、狙うは「意外な具」ただひとつ！
すると、何十通目かのチャーハン返しに対し、こじはるは、ついに……「具」についてのメールを返してきたのだ！ 彼女が考えた「チャーハンに入れるとウマイ意外な具」とは何なのか!? 衝撃のブチギレ宣戦布告ラストは次ページ（その3）へ続く!!
Report：迷惑メール評論家・GO羽鳥
Photo：RocketNews24.
【実録】AKB小嶋陽菜を名乗る迷惑メールに「まったく関係のないチャーハンの話」をレスし続けたらブチギレられて宣戦布告された（その3）
こじはるが考えた「チャーハンに入れるとウマイ意外な具」、それは……
件名：「チャーハンはレタスが良いよ！ ハトチャン、あのさ…」
内容：「今ってお互いにサイトのサブアドレスだって事は把握しているよね？ これっていつ使えなくなるかわからないからちゃんと連絡先の交換しておきたいなって思うんだけど、今連絡先送ったらそっちに連絡貰う事って出来るかな？」
──レタスだった……。なお、彼女が言う「サイト」というのは、いわゆる「怪しいサイト」のことであり、今後も連絡しあうのであれば、「怪しいサイト内でやりとりしよう」という意味であるが、そんなのは無視だ。問題なのはチャーハンの具なのだ。
ともあれ、レタスなんて普通すぎる。メンマと答えた私も普通だが、レタスチャーハンなんて普通にある。そんな誰しもが知ってる具材で、ロケットニュース24のグルメネタになるとでも思っているのか！ ナメるな!! もっと深く考えるんだ、こじはる！ ということで私は、
「レタス！ レタスかぁ……。もっと “意外な具” が聞きたいんだ。ハトチャンって呼んでくれたのは嬉しいよ！ チャーハンに入れると美味しい意外な具、レタス以外にあるかな？ ハトチャン」
──とダメ出しメールを即レス。その後も、「チャーハンに入れる意外な具、その後どうかな？」とアイデアを催促し続けた。早く考えろ、こじはる！ 沢井メグ記者だって、今か今かと「チャーハンに入れるとウマイ意外な具」のアイデアを待っているんだ!!
……そんな時だった。あまりにもしつこくチャーハン返しをしたためか、突如として、こじはるが烈火のごとくブチギレたのだ。しかも、尋常ではない怒りである。どんなことが起きたのかというと……
件名：「えっと…おちょくってる？」
内容：「ならとことん付き合うけど。」
たったこれだけの内容のメールを、一気に63通も送ってきたのだ！ 時は2014年8月29日、時刻は13時09分、こじはるからの宣戦布告は、「ならとことん付き合うけどメールボム×63」だった。
さすがの私も一瞬ひるんだが、すぐに「嬉しい！ とことん付き合ってほしい。チャーハンの件なんだけど、どうかな？」と、63通すべてに対してチャーハンミサイルで迎撃した。お互いの意地と意地が、空中で激しくぶつかりあう。今年の夏の甲子園、準決勝での「大阪桐蔭―敦賀気比」ばりの乱打戦だ！
──だが、このチャーハン戦争における盛り上がりのピークはここまで。その後、こじはるからの、
件名：「で、ハトチャン？」
内容：「まともな会話する気になった？」
というメールに対し、私が
私「どうしたの？ 同じメールがたくさん届いているんだけど……。ところでチャーハンの話はどうかな？ もしかしてチャーハン嫌いなのかな？ ハトチャン」
と執拗なまでのチャーハン返しをしたところ、こじはるは以下のメールを返してきた。
件名：「失格！」
内容：「もっと面白い事言ったら付き合ってあげる(*^。^*)」
──そして、このメールを最後に、彼女からの連絡は途絶えてしまった。最後の最後にダメ出しをされたのは、むしろ私の方だった。暑くて熱いチャーハンの夏は、こじはると共に去っていったのである。＜完＞
Report：迷惑メール評論家・GO羽鳥
Photo：RocketNews24.
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▼「真夏のチャーハンこじはる事変」全件名
