旅先で切符の半券や配布されているパンフレットや地図を記念品として持ち帰る人も多いのではないだろうか。中国人観光客がとんでもないものを持って帰ってしまったと話題になっている。
それは、飛行機につんである「救命胴衣」。緊急時の大切な備品をなぜ!? その理由は、なんと「海水浴に使おうと思った」というのである。
・台湾観光の中国人が飛行機から救命胴衣を持ち帰り
事件が起こったのは2013年11月20日のことだ。台湾に観光に来ていた2名の中国人客が、台南から金門島行きの飛行機に乗ろうとしていた。荷物のX線検査の際、2人のスーツケースの中に輸送禁止品が入っているのがわかったという。
空港職員に対し、2人は「禁止品なんて入っていない! 中身はお土産だ」と話していたが、開けてビックリ!! なんと中から “ユニー航空” と書かれた救命胴衣が出てきたのである。
・海水浴で使うつもりだった
ユニー航空(立栄航空)は、台湾に実在する航空会社である。実は2人は11月15日に金門島から台北に来た際にユニー航空を利用。客室乗務員が救命胴衣の説明をしている際に、「これは海水浴に使える」と、ササっと座席下から取り出し、持ち込んでいたリュックサックに詰め込んでいたのである。
・空港職員が指摘 → 「返せばいいんでしょ!」
救命胴衣を無断で持ち出したことを指摘されると、2人は、「そんな騒がなくなっていいだろ!? 大した話じゃないじゃないか! お土産にしようと思っただけ、持ち帰り不可なら返せばいいんでしょ!」と、言ったそうだ。
・窃盗罪で略式判決請求
だが、盗んだものを返せば済むという話ではない。これは立派な窃盗罪だ。それを告げられると、2人は口をあんぐり、無言になってしまったという。最初は強気にも見える発言を繰り返していたが、ここにきて事の重大さに初めて気づいたよう。結局、2人は窃盗罪で略式判決請求をされることとなった。
・中国旅行局「救命胴衣を持ち帰ってはいけません」
このように中国旅行客による機内備品の持ち出しやマナーの問題は度々指摘されており、2013年には中国国家旅行局が旅行中のマナーに関する64ページにもわたるガイドブック『文明旅游出行指南』を発表している。
ガイドブックには「そこらじゅうで痰をはかない」、「行列に割り込まない」、「ホテルの備品を破壊しない」などと共に、「飛行機の救命胴衣を持ち帰ってはいけません。あなたが持っていくということは、緊急時に、その座席の人の救命胴衣がないということです」と、丁寧に説明されている。ガイドブックの発表自体は大きな話題となったが、事件当時、“マナー” はまだ浸透しきっていなかったのかもしれない。