nabetei1

2013年末、牛丼チェーン大手吉野家は「牛すき鍋膳」の提供を開始した。これがヒットして発売開始から約2カ月で700万食も売り上げているという。これを後追いする形で、すき家は2月14日から「あつあつ鍋メニュー」の販売を開始したのである。

同社は「実は『すき家』の名前は『すき焼き』が由来なんです」と、鍋メニューの元祖はすき家であることをホームページ上でアピール。にわかに牛丼チェーン鍋戦争勃発の兆しが見える。はたしてすき家の巻き返しなるのか!? 早速鍋メニューを食べてみた。

・3種の鍋メニューを投入

先行する吉野家は、「牛すき鍋膳」と「牛チゲ鍋膳」(ともに並盛580円)の2つのメニューで鍋戦争に乗り出した。一方のすき家は、「牛すき鍋定食」(並盛580円)、「とろ~りチーズカレー鍋定食」、「野菜たっぷり牛ちり鍋定食」(ともに並盛650円)で、3種のメニューで対抗している。元々メニューの品数が多いすき家、そのなかでもチーズカレー鍋は同社らしい商品といえるだろう。

・牛すき鍋定食

実際に食べてみると、そのすき家らしさをさらに感じることができる。まず、牛すき鍋定食は「『すき家』の名前は『すき焼き』が由来」というだけあって、申し分のない味である。ここ数日、厳しい寒さが続いているのだが、グツグツと煮立っている鍋を見ているだけで、心も身体もあたたまる。甘目の割下でしっかりと味の浸みた牛肉を、卵にくぐらせると、まろやかな味わい。おいしくご飯を食べることができる。汁をたっぷりご飯にかけて、つゆだくにしても良いだろう。

・とろ~りチーズカレー鍋定食

3つのメニューのうちもっともすき家らしいと感じるメニュー、それがこのチーズカレー鍋定食だ。ただのカレー汁のように見えるのだが、肉と野菜の旨みをしっかりと携えている。ここに別添えの地チーズを加えると、さらにコクが加わり、味の奥行が広がる。鍋の上でとろ~りと溶けたチーズが食欲をそそるのだが、他のメニューと比べると旨みという点で少々劣る。牛すき鍋定食(580円)より70円高くて旨みが劣るのであれば、牛すきに行ってしまうのではないだろうか。

・野菜たっぷり牛ちり鍋定食

3つのメニューで、もっとも存在感の薄い牛ちり鍋定食。だが意外にも、この商品が寒い日にもっともおいしいと感じる一品ではないかと感じた。というのも、おろしポン酢で頂くのが、ポン酢にゆずが入っており、温かい肉をポン酢に放り込むとほのかにゆずの香気を楽しむことができる。鍋のなかでクタクタに茹で上がった野菜は、柔らかな甘さがあり、肉の旨さを引き立てているようである。

・鍋戦争はどうなる?

実は牛丼チェーンの松屋も鍋メニューを提供する予定のようだ。すでに一部の店舗で、試験提供を行っているという。間もなく大手3社の鍋メニューがすべて出そろうことになる。はたしてこの、牛丼チェーンによる鍋戦争はどのような結末を迎えるのか? 先行する吉野家の逃げ切りか、それとも後を追う2社が追い上げをはたすのか。今後が気になるところである。

Report: 佐藤英典
Photo: Rocketnews24

▼2月14日から販売開始となったすき家の「牛すき鍋定食」
nabetei1
nabetei2
nabetei3
▼「とろ~りチーズカレー鍋定食」
nabetei4
nabetei5
▼別添えのチーズをかけて頂く
nabetei6
nabetei7
▼「野菜たっぷり牛ちり鍋定食」
nabetei8
nabetei9