公開2日で160万回再生と、驚くべきスピードで広がり、世界を感動に包んでいる動画がある。動画「Google Search: Reunion」で描かれているのは、元々同じ国に住んでいたのに国が分かれ、離れ離れになってなってしまった少年の物語だ。
国は対立し、戦争をし、かつてはいつも一緒だったのにお互い「外国人」だ。60年以上が経ち、2人の友情はもう戻らない過去の思い出話となった……かに思われたが、あることきっかけに物語は動いていく。
このショートストーリーの舞台は、「インド」と「パキスタン」だ。両国は、1947年、イギリス領インド帝国から分離・独立をしてできた国である。だが、国境付近のカシミール地方がどちらに帰属するかを巡って両国は対立。この対立は戦争を引き起こし、両者の緊張関係は現在も続いている。
動画に映し出されているのは、インドに住む一人の老人だ。彼は、孫娘にまだインドとパキスタンがひとつであった頃の思い出話を聞かせている。話に出てくるのは親友のユーセフ。だが、両国が独立した際に、ユーセフとは離れ離れになってしまった。
老人は見ていて胸が痛くなるほどユーセフを懐かしんでいる。そこで孫が、行動を起こした! 祖父から聞かされた思い出話からヒントを得てGoogle検索でユーセフを探そうというのだ。ストーリーがどう展開していくのかは、ぜひ動画で確認してほしいが、最後まで見れば、きっと目頭が熱くなることだろう。
Googleの広告動画として公開されたものだ。この物語はフィクションかもしれない。しかし、両国の分離により引き裂かれ、国同士が対立してもお互いを思いあっていた人々は、少なからずいたはずである。
すでに両国は分離して66年。当時を生きた人は、もう会いたい人に会う手立てを持っていないかもしれない。でもそれを現代のテクノロジー再びつないでくれたら……こんなに素晴らしいことはないのではないだろうか。