ある朝の出来事だ。私は会社に行こうと、東京都内の某所を歩いていた。会社のある界隈は、表通りから少し入った飲み屋街の一角にある。日中はどちらかと言えば、人通りが少ない。週末の夜になるとにぎわいを見せるような場所である。

いつも通りiPodで音楽を聞きながら、朝食用のパンと缶コーヒーの入ったコンビニ袋をぶら下げて歩いていると、通りの向こう側に警察官が二人歩いている姿が見えた。

・いきなり職務質問

普段見かけないので珍しいなと思って、会社の間近まで来たときに、向こうからその警察官がこちらに歩いてきた。そして「ちょっといいですか? 職務質問です」といきなり声をかけられたのである。「は?」、私は耳を疑った。何かしたとでも言うのか?

・職務質問の理由

「なぜ?」と職務質問をする理由について尋ねると、メガネをかけた警官はこう言った。

「今、私たちの姿を見て、目をそらしましたよね?」

何を言ってるんだコイツは? たしかに「警官がいるな」と思ったところで自分の足元のゴミを見たが、目をそらした訳ではない。だが彼らには「あいつ目をそらしたぞ」と映ったらしいのだ。

たったそれだけを理由に身分証の提示を求められた。納得がいかず、どうして私に職務質問するのかと尋ねると、

メガネ警官「悪いことをする人がいるので」

と、まるで不審者扱いである。言いたいことはわかるが、足元のゴミを見ただけで怪しいと見るのはいかがなものか。しかも夜間ならまだしも、朝である。そもそも質問に対する回答になっていない。「お前は最初から雰囲気が怪しい」と言っているようなものである。

争うつもりはなかったので、仕方なく免許証を提示した。わざわざ無線で照会までされる始末であった。

・軽く会釈くらいした方が良いかも

皆さんに伝えたいのは、何も自分に非がなくても、下を向いただけで職務質問される場合があることと、警官を見かけたら軽く会釈くらいした方が良いかもしれないということ。目をそらすと怪しがられるから要注意だ。

参考記事: 弁護士ドットコム / 警察官の「職務質問」は拒否できる?