韓国にたびたび観光に出かける男性、木下さん(仮名)の韓国旅日記。今回は、ウルルンド(鬱陵島)の街並みについて寄稿頂きました。以下は木下さんによるレポートです。
どうも、木下です。これまで記事で、ウルルンドでの滞在についてお伝えしてきました。
この島はとても小さく、人口はわずか1万人。漁業と産業が盛んであるとはいっても、都市部のような発展が望める場所ではありません。観光資源が豊富ではありますが、元の街が小さいため、大勢の観光客を引き受けられるだけの許容量がないのです。
ホテルらしいホテルはなく、ほとんどが民宿。私(木下)が滞在した先は、宿泊施設というには頼りないものでした。部屋がある客はまだいい方で、廊下や台所にまで布団を敷いて寝る人もいました。
おそらく今頃(1月)は、寒波に見舞われているはず。貧弱な建造物ばかりの街を、冬が襲っているに違いありません。私は秋口に訪ねたのですが、島にはどこか暗さが満ち満ちているように感じました。それは寒流に面した島に漂う独特の空気で、人々は明るくても、街の暗さは拭い去れない類のものです。
たとえ夏場でも、空のどこかに沈むような暗さが張り付いているのではないか、そんなことさえ想像させます。どこか寂しさの漂うノスタルジックなウルルンドの街並み。発展しようのない街のもの悲しさを感じると共に、どこかで惹かれるような気持ちになる自分がいます。
文、写真:木下さん