夏の盛り、連日うだるような暑さに疲れきっている人も多いかもしれませんね。お盆休みで休養するはずが、かえって疲れをためるようなことになっていませんか? そんなときには、気持ちだけでも涼やかにすごしたいものです。モロッコ北部、北太平洋に面した街メディナには、暑さを癒すのに最適な景色が用意されています。とはいっても、気温は40度を超えているんですけどね。静寂と清涼が響き渡るような、素敵な街並みなのです。

この街はその昔、レコンキスタ(キリスト教国のイベリア半島再征服活動)によりスペインを追われた他教徒が移り住んだそうです。その際にユダヤ教徒が、シンボルカラーの青と白で街並みをつくったのだとか。

その当時の景観が今も残っているのです。メディナの街はとても小さく、2時間もあればすべてを見て周ることが可能でしょう。しかし、どういう訳かふと足を止めてそこにたたずんでしまうのです。気がつけば1時間、ボーっとしていたということもあるかもしれません。

青い街並みが涼感を与えているのか、それとも静寂を感じさせているのか。その理由はわかりませんが、階段に腰掛けて黙って空を見ているのがふさわしいうように感じます。

もしもこの地を訪れてみたいという方は、朝と夕方を楽しんでください。清々しい風の吹く朝は、「今日は何かとても素晴らしいことが起きるのでは?」と感じさせてくれます。そして夕刻には、実りある一日に感謝したい気持ちでいっぱいになります。なお、街の人を撮影するときには必ず一言かけてください。特にイスラムの女性は撮影を嫌がるので十分にご注意を。

取材、写真:Photographer Koach
執筆:フードクイーン・佐藤