1997年、香港は99年ぶりにイギリスから中国に返還された。この99年間、2つの地は全く異なる歴史を歩み、現在でも香港は中華人民共和国の一部ではあるが特別行政がしかれ、大陸と香港の行き来には通行証が必要だ。地元住民の往来は多いとは言え、税関もあり、まるで外国に行くようである。

ある一人の女の子が自転車を押して香港から大陸側の広東省深セン市に入ろうとした。これ自体は日常の光景だ。だが税関職員が違和感を感じ、ボディチェックをしたところ……服の下にiPhone25台を体にぐるぐる巻きに貼り付けていたのである。量の多さ、そしてあまりに稚拙な密輸方法に注目が集まっている。

密輸がバレたのは深セン市の高校に通う3年生の女子生徒である。税関職員によると、彼女は制服を着ていたのですぐに高校生だとわかったそうだ。「女子高生と言えば普通はもっとキャピキャピ騒がしいものですが、彼女は頭を下げ妙に静かでした。違和感を感じボディチェックをしたのです」とのことだ。そして検査の結果、なんと彼女は服の下から21台、両足に2台ずつ4台、計25台のiPhone4が発見された。

聞けば、彼女は道端で知らない男に1台につき10元(約130円)という手間賃で密輸を依頼されたとのこと。しかも初犯ではないらしい。税関に止められても慌てた様子はなかったという。iPhoneを粘着テープで体に巻きつけて上着を着て密輸という極めて大胆とも稚拙とも言える隠し方からも、彼女は事を重くは受け止めていなかったようだ。

ネットユーザーは

「アホだな」
「1台運んで10元とは割に合わない」
「この隠し方はないだろ」
「可哀想だけど悪いことしたんだから仕方ない」
「iPhoneはこうやって中国に入ってくるのか」
「大陸と香港の価格の差を何とかしてくれ」

などとコメント。

ネットユーザーの指摘どおり、香港からの密輸が後を絶たない原因のひとつが価格差だ。香港の方が中国より安く手に入るのである。iPhone4の場合8Gモデルで約6000円差、4Sだと16Gモデルで約1万2000円もの差がある。関税を納めるとその価格差は縮まるのだが、密輸すれば運び屋に多少の金を払っても十分儲けが出るのだ。

女子生徒は事の重大さに気づいた後、泣きながら「もうしません。親や先生には言わないで」と懇願したというが……。現地ではこのような市民を使った密輸事件も少なくないそうだ。非正規ルートで販売されているものはやはり何かしらの不正が絡んでいるということだろう。

参照元: Youku ifaxing6

▼胴体に21台

▼足に4台の計25台を密輸しようとした