すべての男を熱くする魔法のキーワード、何を隠そう、それは「三国志」──。

私もまた、少年時代は関羽や趙雲に憧れ、時には「劉禅」という渾名をつけられ落ち込んだりもした三国志ファンのはしくれ。中国製品を一切買わず、中国人をゴキブリの如く嫌い、中共政府が早くぶっ潰れればいいと日々願う熱烈な反中活動家も、ラーメンと三国志だけは大好物だ。

日本人がこれだけ三国志を愛しているのだがら、世界のみんなも絶対好きなはず。ところが……アフリカやインドやロシアで三国志が大流行した……みたいな話は残念ながら一度も聞いたことがない。

三国志ブームって、中国、日本、台湾、韓国あたりだけの限定的なものなのかな──と勝手に思っていた矢先、プノンペン市内の大型書店で驚くべきものを目撃した!

な、なんと、棚一列をほとんど潰す勢いで、三国志フェアが開かれているではないか! それも、小説から謎本からマンガまで! 残念ながら、マンガは横山光輝ではなく夕刊紙4コマタッチの残念な代物だったが……。

ついこの間まで三国志の三の字も見かけなかったのに、唐突なこの盛り上がりよう。これには何か裏がある──と調べるうち、マンガの出版元が韓国系であることが判明。

続いて、町のあちこちにある韓国系ネットゲーム屋にて布教されていたのは、冒頭の画像でごらん頂いたオンラインゲーム、クメール語に完全ローカライズされた『サムコック(三国?)』──勿論、こちらも韓国のゲームである。

こんな地の果てでも、怪しげなメディアミックスでブーム作りに余念のない韓国。日本のゲームメーカーも、もっと貪欲になるべきでは?
(取材・文=クーロン黒沢

▼見たことない系の三国志マンガ、夕刊紙の4コマ漫画テイスト

▼あふれんばかりの三国志本・その1

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