人口密度世界一。特にダッカは見渡すかぎり、人(男)、人(男)、人(男)……まさしく男だらけの男子校状態。しかし皆一様にさわやかで、瞳は希望に燃えている。そんなバングラデシュは、男同士にしか分からない、男の友情の国でもある。
以前、「発展途上国に持っていくカメラは一眼レフに限る」という記事をお伝えし、バングラデシュのようすをご紹介した。一眼レフだと「いい顔」の「いい写真」が撮れるといった内容だったが、そもそもバングラデシュに住む彼らのサービス精神が異常なまでにスバラシイからであり、彼らが勝手にベストショット状態を作り出してくれるのである。
例えばダッカの街を歩く。勇気を出して小道に入る。観光客なんて絶対に来なかったであろう、超ドローカルな住宅街だ。彼らは珍しそうにこちらを凝視しながらも、「ハロー、ボンドゥ!(よう、友よ!)」と挨拶をしてくる。こちらが振り向き、「ハロー、ボンドゥ(おう、友よ!)」と挨拶返しをしようとしたら、もうビシリとポーズをとっている……なんてことも決して珍しくはない。
広い道路に出て、なにげなく風景写真を撮影する。リキシャやバスを撮っていたはずなのに、画像データを確認すると、バスの中やバスの上、リキシャのお客が手をふっている姿が写っている。市場に入れば、手に持っていたバナナや野菜でおどけたポーズをとってくれる。この「カメラが回ったら何かしなきゃ!」的なサービス精神、もはや芸人の域だ。
インド北部の有名な観光コースなど、観光客がひっきりなしに集まる場所は、その場所の人々も様々な外国人と出会い、いろいろな経験をし、やがて「すれていく」と言われている。ここバングラデシュに住む人々は、世界でもまれに見る「すれてない人々」であろう。
もしもバングラデシュが旅行のしやすい国になり、観光客がひっきりなしに来るようになっても、どうかこのまま純粋で、希望に燃えた瞳をもった、世界一の笑顔をふりまける人々でいてほしい。それがバングラデシュ一番の魅力であり、バングラデシュが誇る世界遺産なのである。
Report:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.