ソニーのプレーステーションネットワークに攻撃を仕掛けたと見られるハッカー集団「ラルズセック(LulzSec)」が新たな犯行声明を出した。先日、同じ容疑でスペインのハッカー「アノニマス」のメンバーが逮捕されたのだが、事件との関与が確認されず、即日釈放された。それをよそに、ラルズセックが新たなハッカー攻撃について言及したのだ。
彼らが標的としたは、CIA(米中央情報局)だ。この攻撃により、約2時間もの間、CIAのサイトはアクセスできない状況が続き(現在は復旧済み)、世界中に衝撃を与えている。
6月のはじめにFBI(米連邦捜査局)により、メンバーの1人が逮捕されたと報じられた。ところが、ラルズセックはその事実を否定。その数日後にスペインでアノニマスのメンバーが逮捕、同日釈放。さらに数日後に、アノニマスのメンバー31人がトルコで拘束されている。
アノニマスが国際的なハッカー集団であり、政府関係サイトに攻撃を仕掛けていたのは間違いないのだが、プレーステーションネットワークへの攻撃に関与していた事実は、今のところ確認されていない。
そんななか、ラルズセックは公然とCIAへの攻撃の事実を、Twitterで発表したのだ。しかも、彼らが声明を出した後の2時間、実際にCIAのサイトにアクセスできないという事態が発生した。FBIをはじめとする各国警察を、まるで小ばかにしているようだ。
彼らはさらに、米国上院議員のサイト、ニュースネットワーク「Fox.com」への攻撃を予告し、人気オーディション番組「X-Facter」のデータベースにアクセス、情報の一部をリークしている。
あらゆるサイトが攻撃を受け、好き放題やられているのである。しかしながら、彼らは銀行の口座番号を流出させたり、また特定のユーザーアカウントを詮索する訳でもない。彼らによれば、いかにインターネットセキュリティが脆弱かを、指し示すために犯行を繰り返しているというのだ。
ちなみにこの件について、ウィキリークスのTwitter公式アカウントが他のニュースサイトを引用して紹介している。それをラルズセックがリツートし「我々がやった」と返事をしている。ウィキリークスとラルズセックがTwitter上で対話しているのはユニークだ。
今後も彼らの攻撃は続くものと見られる。各国情報機関は、いち早く対策を講じてもらいたいものだ。
参照元:Twitter LulzSec