飛行機に乗る前、選ばれし者だけが受けるという「セキュリティのための特別検査」。その機の乗客からランダムに選んだ数人を、徹底的にチェックするというものだ。
では一体、どのような検査が行なわれるのだろうか? 先日お伝えした記事のとおり、本紙記者が運良く選ばれたようなので、話を聞いてみたぞ!
――ご当選おめでとうございます。
「荷物も預け終えてチェックイン手続きが終わろうとしたとき、ちょっと怖い感じの係員がやってきて、カウンターから離れた場所まで連れていかれました。そこで、『あなたはランダムに選ばれました。特別のセキュリティチェックのご協力をお願いします』との説明を受けました」
――そこで何を聞かれました?
「預け荷物は、あなたのモノですね? 誰か別のひとのモノではありませんね? 誰かに頼まれたわけではありませんね? 危険なモノは入っていませんね? ここまで何で来ましたか? アメリカでの宿は決まってますか? 帰国日はいつですか?……などのことを聞かれました」
――つまり、爆弾とか麻薬とかのことをチェックしているわけですね。
「そうみたいです。そして、登場前にもう一回チェックがあると言われました。名前を呼ぶので、指定の時間に必ずゲートまで来てくれと」
――名前呼ばれるって、なんか恥ずかしいですね。
「実際、その時間になったら、空港中で聞こえる館内放送で名前を呼ばれました。私の他には4人いました。で、実際にゲートに行ってみると、ランダムで選ばれているというか……揃いも揃って怪しい人ばかりでした」
――どんな?
「見るからに怪しいスキンヘッドのおじさん。タイに愛人いそうな中年の日本人。常にうつむいているゲーマー風の色白青年。やたら軽装なサンダル西洋人。そして私です」
――あなた(記者)の外見は、そこまで怪しくないですよね?
「ぜんぜん! 強いて言うなら、インドで買った安物のバッグを持っていたくらいです。過去に何度も東南アジアを行ったり来たりしてましたが、そこまで怪しくはないと思っています。だからランダムなのかな、やっぱ」
――いや、もしかすると「インド=麻薬」という線で怪しまれたのかもしれませんよ?
「ん~、どうでしょう。それはさておき、ゲートの中の検査もけっこうキツいものがありました。目隠しはいちおうあるものの、みんな見てるなかでチェックされるわけです」
――すべて説明してください。
「まず、ポッケの中、ベルト、靴を身から外します。頭の先からつま先まで、背中から股間の裏まで、サワサワばふばふと入念なボディチェックを受けます。手荷物の中身も、財布の中身も、すべて見られました。で、紙でサイフの中やカバンの内部をフキフキしてるわけです。ボディチェックした手袋も、紙でフキフキ」
――なぜフキフキ?
「フキフキ後の紙は、硝煙反応を調べる機械にその場で通すんですね。要は爆発物チェック、テロリスト確認というわけです。もちろん私は反応ナシですよ。当たり前じゃないですか」
後にネットで調べたところによると、「過去の犯罪歴や渡航場所などは関係なく、ランダムで行われてるようだ」とのこと。飛行機を安全に飛ばすため、このようなセキュリティチェックは重要である。もし運悪くランダムで選ばれたとしても、快く応じるようにしよう。
写真:ロケットニュース24