世界の貧困地域や後進国にパソコンを普及させるために、イギリスの財団が超小型パソコンを開発した。USBフラッシュメモリサイズと小さいながらも、OSを動かすのに十分な性能を備えている。これをわずか25ドル(約2000円)で販売しようというのだ。このパソコンが量産されるようになれば、世界中のパソコン環境がより充実したものになるだろう。

超小型のパソコンを開発したのは、イギリスの「ラズベリー・パイ」だ。同財団はOSを起動させるのに必要最小限の機能を詰め込んだ、片手に収まるパソコンを作りあげたのだ。

大きさはとても小さくUSBメモリと同サイズでありながら、700MHzのARM11プロセッサと、RAM128MBを搭載している。そのほかにUSBポートがあり、他の必要機器は外付け可能な状態になっているのだ。I/Oスロットも用意されているので、別途でカメラを取り付けることもできる。

同財団のホームページでは、キーボード・マウス・モニターを繋いで、OS「Ubuntu」を起動している様子が掲載されているのだが、パソコン環境としては、問題のないレベルを実現している。むしろ2000円ならば優秀なくらいではないだろうか。

今後、量産に向けてさらにコストを圧縮する必要がある。25ドルで収めるには、まだまだ高いハードルが待ち構えているようだ。しかしながら、貧困地域の支援になるだけでなく、パソコン機器のコストダウンに一役買いそうだ。近い将来、USBメモリ感覚でパソコンをポケットに入れて持ち歩く日が来るかも知れない。スマートフォンとは一味違った新たな楽しみが生まれそうだ。

参照元:Raspberry Pi Foundation(英文)