3月11日に起きた東北地方太平洋沖地震が、900マイル(=1450キロメートル)も離れたアラスカのアリューシャン列島で音波となって観測されていた。
太平洋海洋環境研究所アメリカ海洋大気圏局が、アメリカ海軍が設置したSOSUS(Sound Surveillance System)と呼ばれる音響監視システムを用いて、海中で地震の音を拾っていたことが明らかになった。
SOSUSは海底火山活動や深海生態系の調査に用いられているシステム。以前はアメリカが他国潜水艦の動向を探知するための機密装置であったが、近年では学術的研究に用いられている。その水中聴音器が、海中を伝わって届いた地震の音を観測したのだ。
何も知らずに聞けばただゴーッという音が続くだけなのだが、あの恐ろしい地震の振動だと思って聞くと、背筋が寒くなるのを禁じえない。遠くアラスカまで届いた音波――この音の間に日本に走った激震、そして津波が引き起こした大惨事がどれほどのものであったか、改めて思い知らされる。
なお動画中の観測音は16倍速である。
参照元:You tubeNOAAPMEL