2月25日のフジテレビの朝の情報番組で、ニュージーランド地震の被害者奥田建人さんに対して、レポーターが電話インタビューの際に投げかけた言葉が物議をかもした。このことは記憶に新しいのだが、この出来事に端を発し、3月1日にTwitterで大ゲンカが発生した。

激しい言い争いをしたのは、情報サイト「非モテタイムズ」の編集長のメガネ王氏と、神戸在住のライター兼主婦フランチェス子氏だ。2人の争いは3月1日20時に始まり、4日まで続いている。現在はどうやら落ち着いた状態なのだが、騒ぎは2人の間だけでは済まなくなった。

というのも、ここにUstream配信で有名なそらの氏が登場。事態を把握しようとしたのか、メガネ王に電話インタビューし、その様子を生配信したのである。2人のケンカもさることながら、一方の意見だけを聞き取ったことが波紋を呼び、結果的に、彼女が運営に携わっている配信サイト「ケツダンポトフ」は、番組のプログラムをすべて返上する事態にまで、発展しているのである。

この問題はやや複雑なので、時系列を追ってお伝えしよう。

まず最初に、フランチェス子氏がニューズウィーク日本版の記事、「奥田君インタビューはそんなにひどくない」という記事について、次のように発言している。

・3月1日19時29分 フランチェス子氏の発言
人権意識が著しく低い国では人権侵害的な行為や質問こそプロ意識のあらわれとみなされるわけですねわかります。

・同20時01分 フランチェス子氏の発言
取材対象に敬意を払えない人間はプロじゃない。

この言葉に、メガネ王氏が次のように反応。

・同20時04分 メガネ王氏の発言
カッコ付けてますねw。例えば性犯罪者に取材する場合はどうですか? 取材だって色いろあるぜ。

ここから2人の激論が始まる。メガネ王氏は取材や報道のあり方について持論を展開。フランチェス子氏は過剰な取材が行われているのではないか、という報道の現状を指摘している。しかし平行線のままで、理解し合う方へと発展しない。そればかりか、メガネ王氏はさらに攻勢を強め、「うんこ」、「バカ」などの言葉を使い、挑発的に姿勢を見せているのだ。さすがにフランチェス子氏も穏やかではいられなかったようで、彼が編集長を務める非モテタイムズに話を広げ、次のように発言する。

・同21時06分 フランチェス子氏の発言
べつにふつうのこと言ってるのに「カッコ付けてるw」とかいきなり嘲笑まじりで絡んできて、まるでスキャンダルこそ報道みたいな、偏った言動をくり返したあげく、ウンコだのバカだのアマチュアだのいう言葉を投げつけて恥じない人がやってる個人ブログ、それが非モテタイムズでしょ。

これにメガネ王氏は、

・同21時10分 メガネ王氏の発言
偉そうなこと言ってたから、絡んでみたら、単なる主婦と知って、がっくり。でも主婦の意見を聞けて面白かった。

と反論。絡んでいった事実を認めているのだ。そしてメガネ王氏は、「主婦兼ライターさんは、その目線で語る自由がある。尊厳を傷つけてしまっただろう。かわいそうなことをした」、「僕が最初挑発して絡んだんです。彼女は何も悪くないよ」と、やや態度を軟化。

しかし、フランチェス子氏は気が収まらず、「(非モテタイムズは)なんかネットの反応とかいって2chのスレでのやりとりとか載せてんですよ。これが取材とかもう爆笑ですよ」、「非モテタイムズのミソジニー(女性や女らしさに対する蔑視や偏見)すごいな」と、非モテタイムズを非難し始める始末。さらに、

・3月2日14時17分 フランチェス子氏の発言
「取材対象には敬意を払うべき」と発言しただけのわたしをいきなり嘲笑し、挑発し、侮蔑し、セクハラしまくりのツイートが「とくに間違ったこと言ってない」のか。そらすげえや。

・同14時56分 メガネ王氏の発言
わざわざ敵にまわすつもりない。またそこまで影響力もないない。でも女だからってゆるく意見するつもりもないない。

お互い譲らないまま、開始からすでに19時間経過。報道や取材に関する考えを、激しくぶつけ合い、話の矛先は男女論にまで飛び火して、いよいよ収まりがつかない方向へと進んでいく。

それぞれの意見に賛同、または批判する人もあるなか、ここで新たな火種が投じられることとなるのだ。通称「ダダ漏れ女子」として知られ、Ustreamで生配信をしているそらの氏が現れた。

彼女は株式会社ソラノートが運営する自身の生中継サイト「ケツダンポトフ」で、メガネ王氏に電話連絡を取り、彼の言い分を中継したのである。もちろんこれに、フランチェス子氏が黙っているはずがない。

・3月2日15時48分 フランチェス子氏の発言
ツイートもちゃんと読まずに一方だけ呼んで更なる侮辱を放送するってすごいな。

・同15時55分 フランチェス子氏の発言
わたしもそれにびっくりです。この女性が平然とめがね王の言い分だけを放送しているのは一体どういうつもりなんでしょうか。

さらに、フランチェス子氏は「こんな放送をしてるのが女性ということに心底うんざり」と落胆。片側の言い分だけを拾い上げているだけに、そらの氏の行動はあまり良いものではないと言えるだろう。フランチェスコ氏の落胆も頷けるものがある。ところが、そらの氏は意外な提案をするのだ。

・同16時06分 そらの氏の発言
今日はメガネ王さんだけの意見を取り上げてしまいましたが、もしご都合よろしければ明日の番組でスカイプでも電話でもかまわないので、お話しいただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。

一旦状況を整理しよう。当初、フランチェスコ氏が発言したことに対して、メガネ王氏が絡み、2人の間で激しい議論がなされていた。意図的に絡んだことについてはメガネ王氏も認めている事実だ。議論を知ったそらの氏が、メガネ王氏にインタビューを行ったことで、この事態を拡散する結果となったのだ。

このことについては、ネットユーザーから問題視する意見が相次ぎ、彼女はTwitterでこう発言している。

・同23時41分 そらの氏の発言
問題で様々な意見いただいてますが、「相手を選んで仕事したほうがいい」との意見は賛同しかねます。わたしが提供できるのは場です。その場はオープンです。

・同23時43分 そらの氏の発言
オープンな場で全部透明に公開されてます。当事者を判断するのは見てる人です。「相手を選べ」発言は「場を閉じろ」ってことに聞こえるので賛同しません。

このことについて、フランチェスコ氏は以下のように発言している。

・3月4日0時34分 フランチェスコ氏の発言
オープンかオープンでないか、主観か客観か、なんてことより、めがね王のわたしへの再三の侮辱発言をそのまま放送し、放送をみながらチャットしている人たちのわたしへの嘲笑や侮辱をそのままそらのさんが読み上げ、わたしの人権を侵害したことが問題なの。

ここから、フランチェスコ氏とそらの氏の間で、マスメディアの定義や放送倫理にまで話が発展し、生配信で視聴者から嘲笑を受けたフランチェスコ氏は、人権侵害ではないかとヒートアップ。これに対してそらの氏は、人権侵害を持ち出すのであれば、それはUstreamの配信に限った話ではなく、Twitterのまとめサイト「Togetter」や相手の発言を引用するリツートまで人権侵害になる、と言い返しているのである。

ここでようやくそらの氏は、事の発端であるメガネ王氏の発言を読み直し、事態を把握。

・同3時07分 そらの氏の発言
配信時の言葉だけが酷いとの印象じゃなくて、このやりとりはメガネ王さんがよくないと今は感じてます。

そして、

・同3時54分 そらの氏の発言
メディアとして目指すものが間違っていたと痛感し、ケツダンポトフやそらのを継続の有無をもって謝罪に代えさせていただきます。明日全ての形で謝罪するように上司と話します。

として、現在同サイトは「本日の番組は社内調整のため中止とさせて頂きます。申し訳御座いません」と掲載し、すべてのプログラムを返上している状態である。現在は落ち着きをみせているのだが、この問題は当面続きそうな勢いである。

参照元:Togetter