アジアの裏路地にひろがる深淵を検証すべく、世界を旅して15年。
先週もお伝えした、カンボジアのプノンペンでこっそり催された謎のプロレス大会。井上京子選手をはじめ、4人の日本人レスラーが参加。カンボジア全土に生中継されたのは記憶に新しい。
だがその栄光の陰に、先週ぜーんぜん触れなかった、カンボジア土着のローカル・前座レスラーたちがいることも、忘れてはならないのだ……。
試合前、金色に輝くカンボジアン・チャンピオンベルトを高々と掲げ、さっそうと登場したレフリー。このベルトを賭けて闘う……のかと思ったら、20秒くらいでさっさと片付けてしまい、結局これが最初で最後のお披露目。さすがカンボジア、ホントに大丈夫なのか!?
■第一試合、髪の毛フサフサな江頭2:50風の男。通称「江頭」がふてぶてしく登場。ベビーフェイスの色男に瞬殺されてしまった。えっ! もう終わっちゃたの?
■第二試合、頭の中央部を赤く染めた「トサカ野郎」と、そのへんのチンピラ兄ちゃんの地味なファイト。結局、地味なラリアットでトサカ野郎が試合をキメた。
■第三試合、カンボジアなのに「CANADA」とプリントされたボディスーツのハゲ親父、バーサス! 人呼んで馬面男の死闘。密かに「孫社長」と名付けたハゲが試合の主導権を握り、ノーフィアーならぬノーヘアーなバックドロップで馬面を撃沈。
■第四試合、身長約160センチ強の3人と、身長2メートルのテコンドー野郎ひとりの変則タッグマッチ。体格差を利用したテコンドーが大暴れしたのはいいとして、中盤、いきなり孫社長が乱入。マイクアピールをカマすというハプニングがあった。
■おまけ。3対3の6人タッグにおかしな男が……。彼こそ今大会で最も存在感のあったレスラー「コロボックル氏」だ。
メキシカンさながらのヒゲを蓄え、グリーンの全身タイツに身を包み、眼光は良く切れる刃物のように鋭い。でも身長は1メートル。どんなファイトを見せてくれるか期待した私だが、20分を超える泥沼の死闘中ついに一度もリングをまたがず、リングサイドでしかめっ面をしてただけだった!
(取材・文・写真=クーロン黒沢)
▼歯を食いしばると江頭そっくりだった
▼赤トサカ男のラリアットが決まった!
▼孫社長登場!
▼ピンチの孫社長が必殺技を繰り出す
▼幻のチャンピオンベルト登場!
▼カンボジアの馬場さん大暴れ
▼存在感抜群のコロボックル氏
▼鋭い目で睨むコロボックル氏
▼出番を待つコロボックル氏
▼だが出番はなかった……