地上デジタル放送をはじめ、デジタルカメラ、デジタルムービーなど、最近は映像のハイビジョン化が進んでいる。ハイビジョン映像は高画質だが、ファイルサイズが大きいため、大容量メディアが待ち望まれていた。そうしたニーズに応えるべく、シャープは新製品を投入する。

シャープは、ブルーレイディスク(BD)の新規格『BDXL』に対応したディスクドライブを搭載し、世界で初めて3層式/4層式BDの録画・再生を実現したBDレコーダー AQUOSブルーレイ『BD-HDW700』『BD-HDW70』と、3層式BDメディア(1回録画用)『VR-100BR1』を、7月30日より発売すると発表した。価格は、オープンプライス。

『BDXL』は、従来BDでは2層(50GB)までだったデータ記録層を3層/4層構造へ多層化し、BD1枚あたりの記録容量を拡張(3層式:100GB、4層式:128GB)する規格だ。

この『BDXL』規格に対応した録画・再生用ディスクドライブを、シャープとパイオニアの光ディスク事業に関する合弁会社パイオニアデジタルデザインアンドマニュファクチャリング(PDDM)が、世界で初めて開発した。これは、両社が長年培ってきた光ピックアップ技術やディスクドライブ技術をはじめとした、光ディスク技術の融合と進化により実現したものだ。

また、3層式BDメディア(1回録画用)『VR-100BR1』は、BDの記録容量を拡張する新規格『BDXL』に対応しており、従来の2層式BD(50GB)と比べて2倍の記録容量(100GB)を実現した。地上デジタル放送を約12時間、BSデジタル放送を約8.6時間録画することができる。長時間のハイビジョン番組や連続ドラマを、高画質のまま1枚のディスクにまとめて録画・保存するなど、BDの使用用途が広がるわけだ。

同社は、今後もPDDMの光ディスク関連の要素技術を最大限に活用し、『BDXL』対応のBDレコーダーとBDメディア製品を通じて、『高画質』『長時間』の映像録画を実現する“超大容量ストレージ時代”の幕開けをリードしていくとしている。

ブルーレイレコーダーの普及が遅れた要因のひとつとして、BDメディアが発売当初、高価であった点があげられる。普及のカギは、どれだけ安価にBDXLメディアを供給できるかに掛かっていると言って良いだろう。

Photo by Rocket News24 Staff / 本誌記者撮影