【本人降臨】独創的アーティスト「平沢進」は何を考えながら作品を創っているのか?(その2)
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質問8:ご自身の作品=お好みのサウンドですか? それとも、ご自身を最も表現できるスタイルなのでしょうか?

A:難問です。好むと好まざるとにかかわらず作品のもつ表情(サウンド)には意図があり、好みか好みでないかの評価をしたことがありません。ご質問にある「それとも」以降の意味に即した回答が見当たりません。

質問9:平沢さんのご兄弟は、お兄さんはイラスト、進さんは音楽と、お二人ともに、「既存のものには欲しい(好む)形のものがない。よって、自ら創り出している」。というような、いわばエンターテイメントを自給自足している、という印象を受けます。当たっていますか?

A:難問です。自給自足という表現は自らが消費するというニュアンスを含んでいますが、私や兄が自分の作品にそのように接触しているのかどうか。少なくとも私は違います。また、同時に兄の代弁も兼ねますが「無いから作る」という動機も持ったことはありません。既存のものと違うのは結果論です。

質問10:平沢さんの発想の原点はどこですか?

A:難問です。発想は仕事の様々な段階と領域に生じるもので、それぞれ原点は異なります。また原点が存在しないものもあります。一言で包括するのは不可能です。

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質問11:平沢さんは以前Twitterで、「この子は音楽使いになるえー! 平沢家に音楽使いの子が生まれたえー!!」といったツイートをなさっていましたが、“音楽使い” はまさに平沢さんにぴったりな表現だと思います。ご自身ではどう思われますか?

A:それは私自身が付けた呼称で「ミュージシャン」と区別するには重宝する言葉です。

質問12:平沢さんの曲は難易度激高だと思うのですが、上手に歌うコツを教えてください。

A:多くの産業音楽は「歌いやすさ」をもって消費者に寄り添っている様を偽装していると同時に、そのような形態が売り上げに通じるという信仰の元に作られています。私にはリスナーに寄り添う姿勢が欠如しているために、歌の難易度が高いまま放置されていることについては弁解の余地がありません。なにとぞ「練習、練習、また練習」を心がけていただければと思います。

質問13:「ハッ」とか「フッ」などの和田アキ子的掛け声、あるいは「ハイホー」「ワッセーラ」的な、北島三郎風の掛け声は、お好きなのですか? お好きだとお見受けしました。

A:和田アキ子様、北島三郎様を存じ上げない不勉強をお詫びいたします。お二方に共通する掛け声を使用すると「好き」だと推測されることがあるということを只今勉強させていただきました。ありがとうございます。

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質問14:「これをすればファンが喜ぶ」といった武器はお幾つくらいお持ちですか?

A:喜ばせる武器……。ぜひともアメリカに輸出したいものです。

質問15:リスナーたちは、Twitter、ライブにおいて平沢さんが狙った通りのリアクションをしていますか?

A:先のご質問にもお答えした通り、リスナーの反応は結果論です。

質問16:今回のライブでは2日目に大きなヒントをいただきました。しかし3日目、バッドエンドに向かう私たち観客に対し、どうお思いだったのでしょうか?

A:それがインタラクティブ・ライブです。

質問17:また、ご自身としても、リスナーがどういう進路を選択するかに関し、期待や不安はありますか?

A:先のご質問にもお答えした通り、リスナーの反応は結果論です。

平沢さんならではの回答の連続。そしてその一言一句を丁寧に選ばれているのが印象的だ。さらなるインタビューは次ページ(その3)へ!

Report:DEBUNEKO
Photo:RocketNews24.