ザリガニに金払うのなんてもったいない。その辺の池行ったら取れるがな。私(中澤)が子供の頃、平成初期の大阪の田舎において、ザリガニはそういう雑な存在だった。仮に食べようとなんてしたらオカンもオトンもおばあちゃんも家族総出でブチギレたに違いない。

ただ、中国においては高級食材で、なんなら北京にはザリガニ料理屋がめっちゃあった。これも文化である。そんなわけで郷に入らば郷に従え。建ち並ぶザリガニ料理屋の中で一番高いザリガニを食べてみた。

・人気店

ザリガニ料理屋が建ち並んでいたのは、北京の簋街(グイジエ)エリア。夜に通りかかったら、赤提灯と若者の人だかりでお祭りみたいな雰囲気になっていた。夜空を埋めるような赤提灯が綺麗である。

そんな中で入店待ちの人が溢れていたのが『胡大飯館(フーダーファングァン)』という店。ザリガニ料理屋はいっぱいあったんだけど、ひと際店の前が賑わっていて人気が垣間見える。

むしろ、人が並びすぎていて入れなさそうだったので、我々はその並びのザリガニ料理店『簋街龙虾庄(グイジエロンシアジュアン)』という店に入った。

・1万800円のザリガニ料理

メニューによると、ザリガニは最も安いもので1匹8元(2026年7月現在約192円)。日本で言うと、グルメ回転寿司のボイル海老くらいの価格である。そこから10元(240円)、15元(360円)、20元(480円)とランクが上がり、最高値のもので30元(720円)。1匹720円は確かに高級食材オーラがある。

せっかく北京のザリガニ店にいるんだし、ここは一番上だろ。最小ロットが15匹からなので価格は450元になった。日本円で言うと約1万800円。その辺の店の刀削麺が18元(約450円)で売ってたことを考えるとガチで高級料理と言える。

・石神井公園のザリガニとどう違う?

ちなみに私は、以前茹でザリガニを食べたことがあるけど、そんなに美味しくはなかった記憶がある。味が薄い海老みたいな。と言っても、食べたのは先輩記者のP.K.サンジュンが石神井公園で釣って来た野生のザリガニだから最安中の最安クラスと言えるだろう。

本場の高級ザリガニってどう違うんだろうか? まず見た目で言うと、とにかく大きい。ハサミが「ズバーン!」と存在感があるところが、石神井公園のザリガニの見た目とは全然違って強そうだ。皮を剥いてみたところ……

ほお。身の詰まり方が全然違う。そもそも大きい上で身も詰まってるからブリンブリンだ。石神井公園のザリガニはカスカスだったからな。すでに、食用の感じがする。石神井公園の時みたいな「え? これ食べんの?」感は全くない。

・味はもっと違う

食べてみると、プリッとした食感にきめ細かさを感じる。海老っぽいトロけるような身の味も濃厚で、その張りのある食感と甘みの強さは、伊勢海老みたいだと思った。普通にめっちゃウマイ。

ハサミにも食べられるくらい身が詰まっているところもザリガニとは思えない。食べた実感は蟹と海老のあいのこ。もちろん泥臭さは一切なく、当たり前だが石神井公園の野生のザリガニとは完全に別物だった。その違いには感動すら覚えた。

お金を払う価値を感じた高級ザリガニ。一方で、最初にこれに出会っていたら、ザリガニの日本でのイメージも相まって、ここまで楽しめなかっただろう。一応食べたというだけで味も覚えてないみたいな解像度の低い体験になったかもしれない。モノの価値が分かるかって下を知ってるかも大きいように思ったのだった。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

▼夜ひと際お祭り感のあった簋街(グイジエ)エリア

▼提灯が綺麗だ

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