群馬県邑楽郡(おうらぐん)の大泉町は日本屈指の「ブラジリアンタウン」として知られている。同様に神奈川・鶴見区も「沖縄南米タウン」と呼ばれており、沖縄・ブラジルそれぞれの料理の専門店が存在する。

同じく埼玉県八潮市は「ヤシオスタン」と呼ばれ、パキスタンの人々が多く暮らしており、近隣の千葉県野田市にはパキスタン料理の専門店も点在している。

そのうちのひとつ「ネオパキスタン」を訪ねてみた。ここはランチバイキングを実施しており、料理食べ放題にソフトドリンク飲み放題がついて税込990円という破格のサービスを提供している。

・野田市のパキスタン料理

この界隈にパキスタン料理店が多いのには理由がある。1990年代後半から日本の中古車を海外で販売するパキスタン事業者が増え、現在も中古車輸出業者が数多く存在しているそうだ。

それらの人々が現地の味を求めて、自然発生的に本格的なハラル対応レストランが増えていったのだとか。今回取り上げるネオパキスタンは比較的新しいお店で、2024年にオープンしている。

元は何のお店だったかわからないけど、店舗は驚くほどデカい。


お目当てはこちら。ランチバイキング食べ放題990円である。今日日(きょうび)、1000円台の食べ放題でも驚くほどだが、ここは1000円で釣りが来てしまう。税込なのも有難い。


入店すると、店内は広々としていて、まだ新しさを感じられるほど清潔だ。


メニューを見ると、今日の食べ放題の内容が記されている。


ミックスダールカレーマトンコフタカレーと並んで書かれているのは……チャーハン!

「Fried Rice」だからチャーハンとの記載は間違っていないとは思うのだが、パキスタン料理のお店で見るとは思わない料理名。はたして本当にチャーハンなのか?


ちなみにレギュラーメニューにはピザもある。おそらくナン生地を丸く成形して、ピザ仕立てにしたものではないだろうか。


17時以降はサイドメニューでケバブも頼めるようだ。


注文したのはもちろんランチバイキングだ。さっそく料理の調達に行こう。カウンターには3台のウォーマーが置かれており、それぞれに本日の料理が入っている。

1番手前にあるバスマティライスのものが、おそらくチャーハンということになるだろう。私(佐藤)の知るチャーハンではないな。炒めているようには見えないけど、これはこれで美味しそうだ。


その隣のウォーマーにダールカレーがあり、もう1つ向こうのにはサラダとデザート、それからヨーグルトソースが入っていた。メニューにあったデザートはカスタードゼリーだったはずだけど、この真ん中のはどう見てもカスタードに見えないが……。


カウンターの並びにはタンドール(窯)があり、ここでロティもしくはナンを焼いてくれる。そう、焼きたてを提供してくれるのである。しかも食べ放題! 焼きたて食べ放題はうれしいね。私は初回、ロティをお願いした。


注文するとその場で生地を伸ばして……


窯の壁にペタン! と貼り付ける。


数分おいた後に、長い棒で生地を壁から引きはがして……


見事に焼き上がりました。お店の人は少し強面だけど、とても優しかったです、はい。


・デザートはナニ?

そんなわけでランチ開始! 焼きたてロティの香ばしいこと。アツいうちに頂いちゃおう。


まずは気になるチャーハンからいこうか。


細長いバスマティライスはところどころ白いのが混ざっている。やはり炒めてはいないと思われる。だが、ほのかにスパイスの香りをまとっており、このままでも十分に美味しい。カレーとの相性が良いことは、カレーと食べ合わせなくてもわかる。


そしてロティ。何の気なしに持ち上げてみたけど、かなりアツい! 生地はカリカリのサクサクで、軽やかな食感が魅力。アツいうちにたっぷりのバターなんかかけても美味しそうだな。


ロティを引きちぎって、マトンコフタカレーをすくって食べる。「コフタ」とは団子を意味している。羊の挽肉を使っているのに臭みは全然ない。濃厚ながら後味に重さはなく、意外にも軽やかな口当たりだ。


次いで、ダールカレー。ひよこ豆のホクホクとした食感が印象的で、マトンカレーとは真逆の植物性の旨味が活きている。こちらも味のインパクトは強いのに、くどさはなくて、野菜由来の優しい甘さがある。


先ほどのチャーハンにヨーグルトソースをかけてみる。これはおそらく「ライタ」と呼ばれる、ビリヤニに添えられる口休めではないだろうか。ライタと比べるとシャバシャバとしており、やはりソースと呼んだ方がふさわしいかもしれない。

清涼感があり、口中をリフレッシュしてくれて、さらなる食欲を呼び覚ましてくれる。



アッと言う間に1回戦を食べ終えて、おかわりにナンを焼いてもらった。1枚のサイズがデカい! 先のロティとは違って、こちらはもっちりとした食べ応えが持ち味だ。


ナンもまたカレーとの相性はバッチリ。しかしながら、私はロティの方が好み。あのサクサクとした歯ざわりは、1枚食べるとクセになっちゃうね。


それで最後にデザートなんだけど、どう見てもカスタードゼリーではない。食べてもやっぱりカスタード感はない。帰り際にお店の人に尋ねると「カスタードゼリーではないですね」と、メニューが違ったことを教えてくれた。けど、これの正体を聞くのを忘れてしまった。


帰宅後に調べたら、これは「ハルワ」と呼ばれるデザートと判明。ハルワとは、「スージ」と呼ばれる小麦の粗挽き粉をギー(澄ましバター)で炒めて、シロップや牛乳、カルダモンなどと一緒に煮詰めたものであることがわかった。ほんのりと甘く、ホロホロとした感触の不思議な食べ物だった。

そんなわけで、野田市にはパキスタン料理のお店が点在している。ランチタイムにここへ来れば1000円以下でお腹いっぱい本場の味を楽しめるのでおすすめだ。


・今回訪問した店舗の情報

店名 ネオパキスタン
住所 千葉県野田市中里568
時間 11:00~0:00、金・土11:00~2:00

参考リンク:ネオパキスタン
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24