入ったことはないけど印象に残る店ってあると思う。例えば、その一帯を通ったら必ず看板が目に入るとか。入店するほどじゃないけど通る度に「そう言えば」と思い出す。結果、自分の中で名所みたいになることがあるけど……

新宿駅西側のヨドバシから甲州街道の間に広がる飲食街にある『老辺餃子舘(ろうべんぎょうざかん)』は私(中澤)にとってそういう店だった。駅側から横断歩道を渡る度「なんかガチ中華あるなあ」と思う程度だったんだけど……実はこの店、世界最古の餃子チェーンらしいのだ。

・中国版ギネスの「世界で一番歴史の長い餃子店」

ビルの入口の看板では「創業40周年」という文字が目につくこの店。新宿にオープンしたのは1986年なんだけど、コーポレートサイトを見ると、中国の本店から料理人を日本へ招聘したことが書かれている。

で、この中国の本店というのが、清の時代1829年に辺福さんによって創業された店なのだとか。『老辺餃子舘』について書かれたAll Aboutの記事によると、「2000年には中国版ギネス(本物のギネスブックとは関係がありません)、上海大世界ギネスによって世界で一番歴史の長い餃子店に認定されました」とのこと。

・ホンマか?

少なくとも中国版ギネスが認定するところによると、創業約200年であり、現存する中では世界最古の餃子チェーンと言えるわけだ。そんなに歴史あるものが、あの飲み屋が詰め込まれたように軒を連ねる小田急前の飲食街にあったなんて……! いや、これ本当にその『老辺餃子舘』なのだろうか? そこで入店してみたところ……

店内に辺福さんからの系図が掲げられていた。メニューにも「中国で200年の歴史ある『老辺餃子舘』の門外不出の餃子を日本で唯一食べられる店舗」との記載を発見。ガチや。

そうと分かれば餃子を食べたい。1000円前後のランチセットがあるけど、餃子メインのセットがなかったので、単品注文することにした。


そんなわけで、「焼き餃子8個(税込1298円)」と店名を冠する「老辺特製炒飯(税込1089円)」を注文してみた。



・焼き餃子

焼き餃子は羽根つきなんだけど、こんなに派手な羽根がついてる焼き餃子初めてかもしれない。食べてみると、羽根のサクサクにモチッとした皮、そしてあふれ出す肉汁と、全てがコントラストを描くように鮮烈だ。絵で例えると、線も色もくっきりと綺麗な分かりやすさがあるタイプ。


歴史あるもののイメージから素朴な味を思い描いていたけど、かなり派手な味と言えるだろう。現代的なタイプの餃子だ。

・老辺特製炒飯

また、老辺特製炒飯は、卵の豊潤さと風味が前面に出てる味。素材の味が凄いするんだけど薄味じゃなくてしっかりした味付になっている。素材を生かす下味のつけ方が技ありだ。当たり前にパラパラだしな。


やはり、餃子だけでは200年も続かんよなあ。餃子以外にも技があるところに歴史を感じる。



・名物は蒸し餃子

と、納得しかけたんだけど、メニューによると「日本で餃子と言えば焼き餃子ですが 中国では家庭でもよく作り主食となるのが水餃子 そして外食で食べるのは見た目も綺麗な蒸し餃子になります」と書かれていた。焼き餃子だけ食べて満足してる場合じゃなかった。

そんなわけで改めてメニューを見てみると、確かに蒸し餃子は見た目的にも味的にも種類が多い。よく見たらランチのプラスαメニューにもある。完全に名物はこっちだった。そんなわけで、「鶏の冠型餃子 椎茸入り2個(税込360円)」を単品注文して食べてみたところ……


さらに凄い肉汁! ひと口噛んだ瞬間「ブシュゥ!」と吹き出すだくだくさは焼き餃子以上だった。


これまで蒸し餃子に腕の差を感じたことがあまりなかったんだけど、ここのものは確かに違うように思う。そして、その味の違いに説得力も感じたのであった。これが200年の歴史。

通りがかりではそんな歴史があることは分からない『老辺餃子舘 新宿本店』。いつもの街に埋もれたトリビアを発見したような気分になった。私のように自分の中だけの名所と化していた方は入店してみたら味はもちろん、目からウロコの楽しさも味わえるかもしれない。

・今回紹介した店舗の情報

店名 老辺餃子舘 新宿本店
住所 東京都新宿区西新宿1-18-1 小川ビル3F
営業時間 月~金11:30~15:00、17:00~23:00 / 土11:30~23:00 / 日・祝11:30~22:00
定休日 無休

参考リンク:老辺餃子舘All About
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

▼ランチセットに税込250円で蒸し餃子2個がつけられる

▼焼き餃子も老辺特製炒飯もウマイ