
「かにかま」といえば、カニ肉を模した魚介の練り物であり、サラダの彩りやお弁当の隙間埋めくらいの認識しか持っていなかった。美味いとは思うが、あくまで主役を張れない脇役。厳しくいえば所詮「カニの代用品」に過ぎない。
だが先日、都内で展開するスーパーチェーン「三徳」をフラリと訪れたときのこと、私(佐藤)のそんな偏見を打ち砕く、とんでもないポテンシャルを秘めた商品に出会ってしまったのだ。
まさか自分がいい歳をして、かにかまの美味さにここまで興奮させられる日が来るとは。その商品「ガブリッチ 魅惑のかにかま」にスッカリ魅了されてしまった。バターで炒めると美味いんだ、コレが。
・スーパーで見つけた「魅惑的」すぎるパッケージ
「スーパー三徳(Santoku)」は東京を中心に店舗を展開するローカルスーパーである。新宿に本店を置き、神奈川・千葉にも出店している。最近は北関東のローカルスーパーの躍進が目覚ましく、三徳はそれほど目立つ存在ではないのだが、自社製品に力を入れており、とくにベーカリーは専門店に劣らないクオリティの商品を提供している。
あまりヨソでは見かけない商品を扱っていることがあるので、時々立ち寄ってみるのだが、この前、練りものコーナーを覗いたところ、一際目を引いたのが、この一正蒲鉾の「ガブリッチ 魅惑のカニかま」だった。
購入価格を忘れてしまったのだが、他のスーパーでもだいたい400~500円で販売している。さて、まずもって名前からして、自信のほどがうかがえる。パッケージには赤々と立派な身が並び、ご丁寧に「本品はカニではありません」「魚肉100%」とデカデカと書かれている。
あまりにも魅惑的な見た目に仕上がっているので、ホントにカニと間違って買ってしまう人がいるのかもしれないな。少なくとも私の知る従来型のかにかまよりも、ずっとカニ感が漂っている。
商品名は「魚肉ねり製品」で、魚肉を中心に乾燥卵白や加工でん粉などが入っているそうだ。
・そのままでも十分
さっそくパックを開けてみると色艶の良いこと。そこはかとなく漂うカニ感。カニではないけど肉厚な点は評価できる。「ガブリッチ」と名付けられた通りに、ガブっと食らいつくとリッチな食べ応えを得られるだろう。
箸で持ち上げるとなかなかの重量感。見た目を裏切らない “身” のある重さを感じられる。
半分にすると、カニ肉みたいに筋状に割ける。とは言っても、やっぱりかまぼこであることに変わりない。食欲はそそるけど、どこまでいってもかまぼこはかまぼこのはずだ。
ところが、そのまま食べて驚いた。みっちりとした噛み応えがあり、魚肉の旨味が口に広がるのだ。カニ特有のホロホロ感とはまた違う、練り物としての真っ当な美味さがある。これはただの代用品ではないな。カニではないけどカニでは出せない美味さがある。
・かまぼこの真っ当な美味さ
そのまま食べても十分美味しいのだが、公式サイトを見ると「焼きガニ風」というレシピが掲載されている。すなわち、カニではないが焼きガニでいけるということらしい。レシピではトースターで加熱していたのだが、それならソテーもいけるのでは? と思い、フライパンにバターをひとかけら放り込んだ。
ジュワッと溶けたところに極太のカニかまを投下! 香ばしいバターの匂いとともに焼き目がついていくさまは、見ているだけで美味しさを予感させる。
塩を軽く振って、適度に焼き目をつけて完成。“素” の見た目も悪くなかったが、こんがり焼き色をつけると、さらに美味しそう。
さて、焼き上がったものを口に放り込むと……、計算通りだ。予想を裏切らない美味しさ。基本的な味のポテンシャルが高い魚肉に、バターのコクと香ばしさが加わり、まるで手の込んだ洋食のような完成度に仕上がった。ご飯のおかずにも、酒のつまみにもいけそうだ。アレンジで中にチーズを突っ込んでも美味しくなるだろう。
正直私はかにかまを舐めていた。これは「カニの偽物」ではない。かにかまという独立した、立派なごちそうである。その名に恥じぬ、まさに魅惑的な逸品だった。
近所のスーパーで見かけたら、ぜひ騙されたと思ってバターで焼いてみてほしい。ちなみに一正蒲鉾の通販サイトでも買えるので、気になる人はチェックしてみてくれ。今日の晩酌のツマミは、こいつで決まりだ。
佐藤英典











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