
「本当に今、埼玉の苺って凄いんですよ!」 埼玉には何も無いと思っている埼玉民な私の前で、知り合ったばかりの苺ガチ勢が熱弁していた。
私は苺にそんなに関心が無いが、それなりの居住歴を持つ埼玉民ではある。苺のことはわからぬ。しかし苺シーズンの今、特に埼玉で苺が盛り上がっている様子はない。
しかし詳しく聞くと、埼玉の苺がガチで最強の座に上り詰めているらしい。ちなみにその苺は、埼玉民でも、なかなか食べられない。
・あまりん
それが「あまりん」という品種。苺好きの人間の間では有名だそうだ。しかし、苺に特に興味はないが嫌いでもないという東京の他、埼玉、関西、四国、九州在住の知人計18人に聞いたところ、知っている人間は0人だった。
彼らに知っている苺の銘柄を聞いたら、18人中18人から福岡のレジェンド苺「あまおう」が出てきて、13人からは栃木のレジェンド苺「とちおとめ」も出てきた。
やはり、その2品種は圧倒的だよな。私も知っている。というか、それくらいしか知らない。「あまりん」の知名度は、間違いなく「あまおう」などと比較して低い。
埼玉県によると「あまりん」は、埼玉県が10年前に開発した埼玉オリジナルの苺。埼玉県内の、埼玉県から許諾を受けた農家しか栽培が許されないという。
生産量は少なく、主に埼玉県内の観光農園で、いちご狩りの対象とされているもよう。
一般での流通量は限られ、価格は高い。ちなみに2月4日と6日に開催された「第4回全国いちご選手権」では「あまりん」を始めとする県内の生産者が多数上位に。
埼玉県公式HPではこの快挙を「埼玉県が最多受賞」と、大々的にアピールしている。
ふと気になって「全国いちご選手権」の第1回から第3回までの受賞リストをチェックしたら、恐るべき事実が明らかになった。
第1回最高金賞「あまりん」
第2回最高金賞「あまりん」
第3回最高金賞「あまりん」
生産者は違うが、品種的にはもうずっと「あまりん」のターン!! マジで埼玉の苺が業界の覇者になっている。この状況は事実上、「あまりん」が日本最強の苺と言っていいだろう。
埼玉民なのに全く認知していなかったし、そもそも「あまりん」を見たことねぇよ。
試しに近所で最も果物が充実しているスーパーの青果コーナーの担当者に「あまりん」は入るのか聞くと「滅多に入らないですね……」「うちじゃ並んでも数箱だけ」「見かけたら凄くラッキー」とのことだった。
・苺マニア
私に「あまりん」の存在と、知られざる埼玉苺伝説の現状を教えてくれた苺マニアは、苺が好きすぎて全国のあらゆる品種を食べて回り、「いちごソムリエ検定」なども受験したりと、相当なガチ勢だ。
彼によると「あまりん」の誕生は、ぶどう業界で言えばシャインマスカットの登場に匹敵する衝撃らしい。とにかく甘さが圧倒的で、個体差とかで覆るようなものではないとか。
そこまで言われちゃ、産地の地元民としては食べておかねばなるまい。2月はちょうど苺のシーズン。一番流通するであろう今なら、さすがに食べられるっしょ?
ということで探したが、手ごろな価格のものや、過去に何らかで受賞経験のある農家のものは入荷待ち(時期未定)か、予約で売り切れ。あるいは、農場で早朝から配布する整理券をゲットできたら買えるという状況だった。
ちなみに本庄市で開かれた「あまりん」の即売会の様子をNHKが報じていた。早朝から凄まじい数の人が購入待ちしている様子がうかがえる。
埼玉の苺だが、埼玉民でも簡単には食べられないようだ。
・苺の良さとは
その後探し回り、どうにか入手しました。埼玉限定の日本最強の苺「あまりん」。
送料込みで5500円もした。人生で最高額の苺だ。
食べてみようと思ったが、編集部からのお達しで他の苺と比較するようにとのこと。さて困った。品種同士の比較をするなら、相当数を用意し、近赤外分光分析法で各種成分の濃度を検出してグラフ化でもしなければ有意なデータは示せない。
その辺で買えるBrix計を用いるのは、この場合は不適切だ。Brixは可溶性成分の濃度を区別なく測定する。別品種同士の味の比較が目的の場合、何も判断できない。
ということで、現実的な唯一の手段として、私個人の主観による信ぴょう性と科学的根拠のない食べ比べの感想を述べていこう。
用意したのは、東日本のシェアNo.1「とちおとめ(518円)」。
福岡から日本を制した王者「あまおう(780円)」
そして静岡からの刺客「紅ほっぺ(537円)」
これ等はスーパーを回って探してきたものだ。選んだ理由は、農水省HPにあった「いちご 生産・貿易・消費動向」という資料で「主な品種」とピックアップされていたから。大手シンクタンク、NRIの調査によるものなので、信用に値するだろう。
まずは私が一番食べたことのある「あまおう」から。特別に甘くもなく、酸っぱくもなく、まさに苺って感じ。一番食べなれている。苺といえばこの味。苺界のスタンダードではなかろうか。
続いて「とちおとめ」。名前を意識したことは無いが、近所で最も売られていたのはこれだった。東日本のシェアNo.1は伊達ではない。味は、ぶっちゃけ「あまおう」と似たり寄ったり。
例えば「あまおう」と「とちおとめ」を同数同じ容器に詰め込み、ブラインドテストで品種を当てろと言われたら、私の正解率は50%くらいになると思う。
ただ、こうしてそれなりな量の「あまおう」と「とちおとめ」を食べて感じたのは、苺ってけっこう野菜みたいなのだなと。イメージよりも酸味がはっきりしている。
苺ってのは、甘さと酸味が均衡している点が愛されているのではないか? 単体で食べても美味いが、より甘いケーキやパフェに入れたりするのは酸味が活きる。もしかして、ショートケーキが常に苺なのは、そういうことなのか?
そして「紅ほっぺ」。これはちょっと外れを引いたかもしれない。酸味は「あまおう」「とちおとめ」の両方と同じタイプなのだが、5個入りで5個全ての甘みの中に、何か青臭さのような雑味があった。「紅ほっぺ」の名誉のために、ノーカンにしておこうと思う。
・常軌を逸した甘さ
そして「あまりん」だ。大粒が欲しかったが、届いたのは全て普通のサイズであった。しかし、こいつは本当に凄いぞ! まず、甘さの種類がおかしい。最初から苺ジャムみたいな味がする。
酸味は甘みの前にかき消されており、ほとんど主張しない。じゃあ他よりも熟してるんじゃないのかと。そういうわけでもない。普通にシャクシャクと、苺らしい硬さを有した状態にある。
また、香りも明らかに違う。もうとにかく甘いぞという匂いが漏れ出ている。今回パックに入っていた全個体がそういう感じだったのだ。
これは生産した農場が素晴らしいというのもあるだろう。しかしもし、品種としてこういうものがポンポンできるということなら、それは恐るべき苺としか言えない。
「とちおとめ」「あまおう」と食べてきて、お馴染みの美味しい甘みと酸味のバランスがとれた苺味を楽しんでいるところに「あまりん」が来ると、もはや分野が違う甘さにやられる。
先述の品評会の結果も当然に思える。最初から苺ジャムみたいな甘さを出してくる苺はレギュレーション違反だろ! 埼玉県農業技術研究センターは、ガチでとんでもない苺を生み出していたもよう。
ということで、埼玉の「あまりん」。甘さという点に限れば、これはもう他の苺と比較できない領域にあるように思う。入手は難しいが、皆さんもどうにかして食べてみてほしい。この甘さは、もう苺ってレベルじゃない。何か新手の果物みたいな領域にある。
しかし、とにかく甘くて甘くて甘いので、苺の酸味を愛する層にはそんなにウケない気もする。ケーキやパフェに使うなら、他の素材の甘さを控えめにする必要も出てくるのではないか。万能ではないと思う。しかし、この甘さは、1度は試して知っておくべきものだと思う。
参考リンク:埼玉県、農林水産省(PDF)、第4回全国いちご選手権
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.
江川資具






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