焼鳥屋のイメージを変えたチェーン・鳥貴族。焼鳥屋なのに若者や女性も行きやすいというコンセプトは、私(中澤)が大学生だった2000年代前半においても若者に刺さりまくっていた。

実は通ってたのが近畿大学で近くに1号店の俊徳店があったから、その圧倒的コスパにはよくお世話になったものである。当時、俊徳店が閉店した時は「うぬぼれすぎて潰れた」という噂が近大生の間でまことしやかに出回ったほどだ(実際は駅前再開発の影響)。

そんな鳥貴族に食べ飲み放題プランがあることをご存知だろうか。私は知らなかった。なぜならば……

・条件

食べ飲み放題プランの利用は4名からだから。気楽に飲みに誘える友達が3人もいない私。基本はコクピット席で1人鳥貴族なのでプランの存在自体が意識の外だったのかもしれない。そのプランの名は「トリキ晩餐会(1人3900円)」だ。

制限時間は2時間……と、そこまで知って気になったのはコスパである。鳥貴族は2025年12月現在、390円均一だ。つまり、トリキ晩餐会が得になるのは、単純計算で2時間以内に1人10品より多く食べ飲みするケース。仮に4人だったら41品目から食べ飲み放題を選ぶ意味が出始めるということ。

もも貴族焼きでさえ、1個注文したら2本くるから、トリキで41品ってなかなかの物量な気がする。しかも、2時間だから、フードファイト的に詰め込む感じにならないだろうか。ちょっと飲みの場としては違う気がしないでもない。これは検証してみるしかねえ!

そこで鳥貴族新宿東口店に集まったのは大食いというわけではない4人。私、佐藤英典、GO羽鳥、原田たかしである。トリキ晩餐会は前日までに店舗への予約が必要なんだけど、公式ページからネット予約できたのは楽だった。ちなみに、新宿東口店は14時からやってるので15時45分からINした。昼間で草

・入店して知ったこと

店員さんによると、食べ放題についてはつきだしの5品が来てから開始。そこでつきだしを待つ間に飲み物を注文した。九州男児で酒好きの原田たかしによると、メガ金麦だけじゃなくプレモルがラインナップにあるのが嬉しいらしい。率先してプレモルを注文する原田たかし。

昼間であり仕事中であることをものともせずに原田がプレモルをオーダーしたことで検証はついでの雰囲気に。一気に忘年会的な空気になったところでつきだしがやって来た。

・制限時間の本当のとこ

つきだしのメニューは、もも貴族焼き(たれ)2点と、キャベツ盛、ポテトフライ、焼バンバンジー、釜で茶わんむしが1点ずつ。茶わんむしだけ遅くなるから、先の4つのメニューが来た段階で食べ放題が開始された。

ちなみに、ラストオーダーは30分前で、時間がかかる鶏釜飯だけ1時間前ラストオーダーとのこと。2時間っていうか、実質注文できる時間は飲み物が1時間30分、食べ物は1時間15分くらいと言える。そこでとりあえず、食べたいものを一気に注文してみた。

普段はコスパの良い貴族焼きばかり注文してしまう私だけど、メニューを見ていて牛串はあまり注文しないことに気づいた。多分、小さめだからだと思う。だが、そんなことを気にせず注文できるのはトリキ晩餐会の良いところ。牛串祭りじゃー!

・鳥貴族をほぼ知らない人

一方、GO羽鳥は「ふんわり山芋の鉄板焼」を注文。ほとんど鳥貴族に来たことがないらしく食べるのは初めてらしい

コスパの良さで有名なメニューを余裕でチョイスしてくるあたり、すでに場の空気が元を取ろうという方向性ではなくなっていることが分かるはず。シンプル忘年会だ。

・原田たかしという男

また、原田たかしはちょっと目を離した隙に2杯目に突入していた。知多ハイボールにテンションが上がったらしい。普通のハイボールよりちょっと良いウイスキーとのこと。


お昼ですよ?

原田は今を生きている。この後のことなど眼中にない原田に引っ張られるように加速する忘年会。もう考えるのはよそう。

・冷静になってみると

そこで検証のことは一旦忘れて話をしながら焼鳥をつまんでいたところ、ふと気づいた。そう言えば、忘年会で発生しがちなあの問題がない。

遠慮の塊が発生しないのだ。食べ放題な上、タッチパネル注文だからか、気を使わず食べきって注文するという流れになる。気を使わないということで言うと、焼鳥屋で発生しがちな串から肉を外す工程もない。1人ひと串が当たり前になるから。ひょっとしたら、このプランはコスパ以上にシステムとして忘年会向きかもしれない。

当初念頭にあった時間制限問題も終わってみると余裕があったように思う。その証拠に、ラストオーダーは原田が知多ハイボールを注文したのみであった。もう一度言う。お昼ですよ?

・コスパは?

さて置き、上記の利点はこのプランがお得かどうかとはまた別。っていうか、後半気にしてなかったのでまだ元が取れてるかすら不明だ。

そこでレシートを確認したところ4人の会計は税込1万5600円。繰り返すが、鳥貴族は普通なら全メニュー390円均一だから、注文点数に390をかけて合計がこのレシートの合計を超えればいいわけだ。で、注文数はと言うと……

52点で晩餐会の点数を除くと48点。390円×48点は1万8720円。2時間で1人3900円という情報だけ見た時はそこまでお得なように感じなかったけど、結果、3000円近く安くなっていたようだ。なんだ、思ってたより最高じゃないか。最後に、鳥貴族にほぼ来たことがないというGO羽鳥に意見を聞いてみたところ……

「凄かった。満足度高かった」とのこと。普段、鳥貴族に行かない人が最も感動していたのが印象的であった

鳥貴族を知る者にとってコスパの良さが感じられるだけでなく、慣れ親しんでない人でも刺さる『トリキ晩餐会』。4人以上で予約必須なので意識外の人も多いだろうが、忘年会シーズン、特に少人数の忘年会には使えるサービスと言えるのではないだろうか。

参考リンク:トリキ忘年会
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

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