ぬれ煎餅やぬれおかきなど、普段はパリッとしているのに急にしっとりとした顔を見せる、そのギャップにやられる人も少なくないだろう。

沖縄の揚げ菓子「サーターアンダギー」はパリッというよりサクッという感じだが、そちらを濡らしてみた『ぬれアンダギー』という商品に出会った。

サクっをどうシトっとさせているのか興味があり、購入。食べてみたところ思いのほか、サクッとしたままだった。美味しいことに違いないが、もう少し濡れていると思っていたので拍子抜け。こうなればもう、自ら濡らしてみるしかない。


・浸してみる

ある日のロピアで『ぬれアンダギー』は、ずらりと並べられていた。ひと箱税別799円で7個入っているらしい。個人的にはサーターアンダギーは揚げたてが一番ではと思うが、はじめから濡れているのであれば、また違った美味しさがあるだろう。


そう思い買って、食べてみたところ冒頭の感想に至った次第である。予想以上に表面がサクッとしていて、中身はしっとり芯はしっかりとしたブラウニーのような感じだったのだ。


黒糖が十分に染み込んでいてコク深い甘味で、普通に美味しい。……がしかし、やはり「ぬれ」を名乗るのであれば、もう少し濡れ感がほしいところ。

かくなる上は、コーヒー・紅茶・牛乳・ラム酒に浸し、強制的に濡れさせてみようではないか! 


・まさかの事態に

1個丸ごとでは染み込み切らない気がしたので、手で割って4分の1ほどの大きさにする。お皿に入れ、上からそれぞれ液体をかけて冷蔵庫へ。


1時間おきに見ていたが、なかなか染み込む気配がない。しかしながら表面には液体が浸透しているようで、特に牛乳などには色の変化がみられる。

これがまあ、なんと言おうか。記者もこんなことになるなんて、全く想定していなかったのだが、コーヒー漬け以外は非常にきわどいビジュアルと化していた。

昭和生まれは共感していただけるかもしれないが、通学路に落ちていた犬のウ……(自主規制)のようになってしまったのだ。モザイクなしにはお届けできない。


考えあぐねながらも、浸透はまだまだのようだったので一旦、見なかったことにして再び冷蔵庫に戻す。もしかしたら、数時間後には状況が変わっているかもしれない。

そんな願いとは裏腹に、残念ながらその後ビジュアルが悪くなることはあっても、良くなることはなかった。まさか製作した側も、こんな使い方をされるとは思ってもいなかっただろう。申し訳ない限りである。

とは言え、もしかするとものすごく美味しくなっているかもしれない。おおよそ5時間は経っただろうか、そこそこ中まで染み込んでいそうなソレを食べてみる。


・結果やいかに

まずはコーヒー、牛乳などで割って飲むタイプのポーションを使用してみたが、これがちょうど良い。濃縮されたコーヒーと黒糖入りサーターアンダギーとの相性が悪いはずがない。


中心部分はまだまだサクッとしていたが、側は随分とじっとりしていてぬれサーターアンダギーを名乗るにふさわしい出来栄えになったと思う。

続く紅茶も同様で、今回はアールグレイティーを使用したが、爽やかな香りがこれもまた合っている。これまたしっとり濡れていてよいのだが、如何せん見た目はアレだった。


牛乳はさらにビジュアル的に問題で、どうにも取り返しがつかない。やってしまった感が否めないが味は美味しく、じっとり具合ではナンバーワンだったように思う。


最後にラム酒漬け。こちらは記者の好みもあろうが、最も黒糖サーターアンダギーとの相性が良かったように思う。鼻を抜けるラムの香りが心地よく、それほどサーターアンダギー本体の形を崩すことがなく浸透させていたところにも可能性を感じた。


まさかサーターアンダギーの、これ程までにあられもない姿を拝むことになるとは予想だにしていなかったが、結果としては悪くはなかったのではないだろうか。

商品として提供するのであれば、本来の「ぬれアンダギー」が最適解だろう。しかし記者のようにもう少し濡れさせたいな、と思う人がいたならばセルフ液付けを試してみるのもアリだ。中でもラムがおすすめだぞ。

参考リンク:ぬれアンダギー
執筆:K.Masami
Photo:Rocketnews24.

▼ロピアで推されていた

▼賞味期限はそれほど長くはない