古民家で修繕作業をしていると恋しくなるのが「ホットシャワー」だ。


顔も服も土混じりのホコリだらけ。仕事後にはひとっ風呂ならぬ、ひとっシャワーでも浴びてから帰路につきたいのだが、あいにく我が家の水道環境では温水が出ない。


ワイルドに「滝行」して汚れも洗い落とすのも手ではあるが、いかんせん山直々の湧き水なのでキンキンに冷たい。温水が欲しい。温水を浴びたい……ということで購入したのが今回の黒い袋。


そういえば100円ショップのキャンドゥで類似品(ポータブルシャワー / 550円)が売られているのを見た記憶もあるが、私が購入したのはAmazon。

商品名は「Navaris 2x ポータブルシャワー 簡易シャワー 容量20L – ソーラー 温水 携帯式 水タンク キャンプ – サーフィン 海水浴 アウトドア 洗車 災害 – 600x410mm」で、惹かれたのはもちろん「温水」


商品説明欄には、さらに購買意欲を高める一文が書いてある。引用すると、


「使用方法: ウォータータンクの中に水を入れ、黒い面を太陽光に当て、水が温まるまで3時間程待ちます。丈夫な柱や木などにシャワーバックを吊るし、バルブを開くとホースから水が出ます。使用前には必ず水温を確認し、熱すぎる場合はお好みで冷水を足してください。


熱すぎる場合! そんなにか! これは期待! ということで古民家作業4日間ほど使い込んでみたところ、コツみたいなのがわかったので情報共有しておきたい。


とりあえず先にお伝えしたいのは、本当に温水(ホットシャワー)は出るし、本当に「熱すぎる場合」もあったということ。



・どんな商品なのか

まずはどんな商品なのか簡単に説明しておきたい。入っているのは、黒い袋と、蛇口と、ホースと、吊り下げ用のヒモなど。


袋に蛇口を付けて、水を入れ、太陽の当たる場所に放置しておけば、黒色の本体が太陽光を集め、数時間後にはアツアツの温水が出るという仕組みである。


なお、時間と温度の関係は本体にプリントされている。気温24度の晴れの日の太陽光に1時間放置なら27度、2時間なら35度くらい、3時間で41度と書いてある。



・うまくいくコツ

次に成功例を紹介しよう。当たり前だが「しっかり太陽が出ている日」でないとアツアツのホットシャワーは難しい。逆に言えば、暑い日に太陽が出てればホットシャワーは確定だ。


黒い袋に水を入れ、よく太陽の当たる場所に放置。なお、この日の気温は優に30度を超える完全なる真夏日。12時に放置開始して、


2時間後の14時に温度を確かめると、触っただけでホカホカに温かい。そして実際に浴びてみたところ……


めちゃあったけえ……!


温度を計測したわけではないが、体感的には40度いくかいかないかくらい。「2時間なら35度くらい」は軽く超えるホットなシャワーを浴びることができた。使えるぞこれ!



・失敗パターンその1「気温と太陽光」

最後はいくつかの失敗パターンをご紹介。まずは天気と気温から。

本体には「気温24度の晴れの日の太陽光に1時間放置なら27度」と書いてあるが、「気温24〜25度の、晴れのち曇りの日」では失敗した。

そこそこ日の当たる場所に放置してから3時間どころか6時間。しかし、この「6時間」が逆に失敗につながった気もする。というのも……

放置しすぎて最も温かかったピーク時を逃し、徐々に温度が下がってしまったのでは……というような、完全なる「ぬるま湯」だったのである。


これはこれで気持ち良かったが、「放置しすぎるとピークを逃す」というのは1つのポイントかもしれない。


逆に、平均して気温30度超え、太陽光もガンガンの日、本体の表通りに「3時間放置」で温度を確かめてみたら……


アチチチチチ!


こりゃもう絶対に41度を超えている。まさに「熱すぎる場合」がコレであり、体感的には44〜45度くらいはあったかと思う。なのでほんと「気温」と「太陽光」次第の商品だなと思ったのであった。



・失敗パターンその2「吊るすためのテク」

あとついでに書いておくと、本体に付属している「吊るすためのヒモ」は何の役にも立たないので要注意。

実際に使ったところ、マッハの勢いでブチ切れた。それもそのはず、容量20L(20kg)を、こんなヒモで支えられるわけがない。


なので私は結局、改良に改良を重ね……


「鎖」&「S字フック2本」で吊るすようになった。S字1本なら確実にフニャッと曲がる。それほど20リットルは重いので要注意。


というか、こんなにも重い物体を高い場所に吊り下げるには、相当な力が必要であることも付記しておきたい。女性だったら厳しい気がする。



・失敗パターンその3「ホースの長さ」

あとはホースの長さ。付属のままの長さだと、いくら上の方に吊るしても、重力の関係で「黒い袋の下」にシャワーが無いと水は出てこない。


なので私はかなり短くカットして、


このくらいの状態でシャワーにするのが最も使いやすいという結論に達した。どんな感じで使用しているのかは、記事下のインスタ動画を参照のこと。


──以上、長くなってしまったが、使い方さえ注意すれば、「太陽光だけでホットシャワーが出る黒い袋」は実に便利な商品であることがわかった。


あと、私は20リットルの袋を購入したけど、正直、10リットルくらいでも良い気もする。全身を流すくらいなら10以下でも十分だ。温まるのも早そうだし。


いずれにしても、この黒い袋を導入してから、「作業後の楽しみ」ができた。大自然のなか、汚れた体を温水で洗い流すのがこんなにも気持ち良かったなんて……。


【つづく】


参考リンク:Amazon
執筆:GO羽鳥
Photo:RocketNews24

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