【中央線の最果て】GWなので、深夜ではなく昼間の「大月駅」を探索しに行ってみた結果 → 昼でも鬼の棲家だった 2ページ目(1ページ目はコチラ



頼りにしていたシェアサイクルがまさかのサービス終了で、危なく自分自身もサ終しかける私(あひるねこ)。

しかし、さすがにこのまま帰れないだろう。状況を打開すべく、先ほどの観光案内所に再び向かった。そこで手に取ったのが、「大月桃太郎伝説」のパンフレットである。

・鬼がいた

私も昨年末に来た時に初めて知ったのだが、実は大月は中央線最果ての地であると同時に、「桃太郎伝説の街」でもあるのだ。


パンフレットによれば、大月には桃太郎伝説ゆかりの地がいくつもあるとのこと。へぇ、だったら行ってみるかと、パンフの裏を見てみたところ……


徒歩約60分──。


さすが大月、タイムスケジュールも鬼である。これこそチャリで行くべきだろと思いつつ、覚悟を決めて岩殿山(いわどのさん)とやらへと歩き出した。

・鬼が棲む山

おお、これが岩殿山か……。大月桃太郎伝説によると、桃太郎はこの岩殿山に棲む赤鬼を退治したんだとか。


そして、高月橋の下を流れる桂川……


おばあさんはここで洗濯していたらしい。



あとは坂道をひたすら……


ひたすら上っていくと……


いよいよガチの山道に。


こんなとこ歩いて大丈夫なんか? ってくらい車しか走ってなくて怖いが、時折見える山のふもとの景色はのどかで美しく、ここが鬼の棲家であったことを忘れそうになる。


そして……


ついに「鬼の岩屋」に到着。



・お宅訪問

正式名称は「新宮洞窟」で、ここにかつて鬼が棲んでいたそうな。大月駅から歩いて約45分かかったぞ。


しかし、むしろ本番はここからである。洞窟への道は狭く、そして滑りやすいとのこと。めちゃめちゃ普通のスニーカーで来てしまったが無事に辿り着けるのか。


実際、登山道はかなり険しく……


落ちたらまあまあヤバそうである。


こうして歩くことしばし……。さあ刮目せよ! これが赤鬼が棲んでいたという「鬼の岩屋」だ!!


チャリがよかったけど徒歩で来た!


さすが伝説になるだけあって、どこか得体の知れない美しさと存在感に満ちている。洞窟内部も気になるが、落盤の恐れがあるため立ち入り禁止となっていた。


伝説ゆかりの地は他にもあって、ここから10分ほど歩くと「鬼の血」と呼ばれる子神(ねのかみ)神社が。

なんでも桃太郎から逃げようとした赤鬼の股が裂け、その血によって一帯が赤土になったんだとか。伝説エグい……!


さらにそのすぐ近くには、赤鬼が夜な夜な酒盛りで使っていたという「鬼の盃」と呼ばれる手洗石も。



・本当の鬼

以上! 他にも伝説ゆかりの地はあるのだが、そろそろ私の体力が尽きかけているので、残念ながらここらで終了としたい。

くっ……! シェアサイクルさえ……! あの駅前のチャリさえあれば……!!


中央線最果ての地・大月。そこにはたしかに鬼が棲んでいた。が、もしかすると真の鬼は、とっくにサ終しているのに検索上位に引っかかる「PiPPA」……なのかもしれない。


よく見たら赤鬼みたいな色をしている。

・帰りに見えたもの

果たしてこの記事は、昼間の大月の魅力を読者にお伝えすることができたのか? 本当はもっといろいろ回りたかったのだけど……。

そんなことを考えながら坂道を下っていた、その時だった。ふと顔を上げると、そこには信じられない光景が広がっていたのだ。


富士山である。


な、なんという絶景……! 実は大月市は、富士山の眺めが美しい街としても知られている。たしかにこの景色は終電で辿り着いただけでは決して見られないだろう。すごいぞ大月市!

初っ端のトラブルで心折れたまま何とか頑張ってきたが、最後の最後に素晴らしいものが見られて私も大満足だった。GW中、特に予定がない人は昼間の大月に行ってみるのもいいかもしれないぞ。

参考リンク:大月市観光協会
執筆:レンタチャリ師・あひるねこ
Photo:RocketNews24.

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