今日は久しぶりの有給休暇である。さあ、何をしようかな……。いろいろ考えた結果、とりあえずシェアサイクルで走り出すことにした。

せっかくだし中央線と並走してみてはどうだろう。意味? そんなものはない。だからやるのだ。それがロケットニュースのあるべき姿ではないか。では出発!

・中央線と共に

というワケで、今回もここJR八王子駅をスタート地点にしようと思う。中央線と並走する形で東京方面に向かう予定だ。


毎度おなじみのシェアサイクルサービス「HELLO CYCLING」を使い、以前も利用した駅近くのステーションで自転車を予約。


こちらが本日の相棒である。準備ができたら……


さっそくチャリで行くぜ!


先日、新宿の編集部まで走った時は、Googleマップの指示で甲州街道から日野バイパスに入る国道ルートを通ったが、今回は可能な限り線路沿いを走ることにしたい。チャリで中央線の真横を爆走するイメージだ。


こういう道だと走りやすいのだが……


途中、どうしても線路から遠ざかってしまうことがあるので、地図アプリを見て、その都度ルートを微調整しながら進む必要がある。


もちろんシャッターチャンスも逃さずに。


パシャリ。


パシャリと。


しかしこの直後、私(あひるねこ)は本企画のとんでもない過酷さを思い知ることになる。



並走していたら中央線がどこかへ行ってしまったため、ぐるっと遠回りして追いかけたところ……


マジかよ、めっちゃ離されとる……!


・チャリの限界

しかもこの鉄橋、自転車は通行できないのだ。目の前に立ちふさがる浅川(あさかわ)を渡って中央線を追うには、さらに遠く離れた新浅川橋を通らなければならない。め、面倒くせぇ……!


仕方なく川沿いを走って……


新浅川橋を通過。


住宅街をくぐり抜け……


ようやく線路沿いまで戻ってきた。


そこから先はまっすぐ一本道で、常に視界に中央線をとらえながら気持ちよく爆走。途中でJRの車両基地を見かけ、テンションが上がるなど。


そして……


ついに豊田駅に到着! さあ記念撮影だ。


チャリで豊田来た!!


が、しかし……!



・驚愕の事実

嘘だろ、ちょっと待ってくれ……。まだ八王子から1駅なのかよ。こんなに走って、こんなに遠回りして、まだ隣の駅かよ! 気ぃ遠くなるわ!!

電車だとあまり意識しないけど、八王子と豊田ってめっちゃ離れてるんだな……。


……呆然としていてもしゃーないので、気を取り直して次の駅を目指そう。まだだ! まだまだ頑張るぞー!!


日野バイパスを横切り……


走り続けることしばし。ここで再び異変発生。


なんか意外と早く日野駅に着いた。


・楽勝かよ

どうやら八王子~豊田間が無駄にエグかっただけで、後はそうでもないらしい。ちょろすぎ。こんなん余裕やん。こうなったらいっそ東京駅を目指すっきゃない!


というワケで引き続き線路沿いを疾走。


これならすぐに立川に着きそうである。


が!


その数分後……


完全に詰んだ──。


・強大な敵

浅川に続き、今度は多摩川である。同じ川でもラスボス感が浅川とは段違いだ。これはまたしても大きく迂回し、どこかで橋を渡らざるを得ないが……その時ふと思った。


なぜ私は休日にこんなことをしているのだろう?



立日橋(たっぴばし)から多摩川を攻略。


ゴオオオオオオオオ……


モノレールのレール下を直進すれば……


立川駅に到着である!


チャリで立川来た。


よし次行くぞー。


駅近くにこんな道があるの知らなかった。


あとは線路に沿って走り……


国立駅へ。


国立の次は……


西国分寺駅へ。


・しんどい

立川を出発以降、急速にやる気が低下していることが読者の皆さんにも伝わっているんじゃないかと思うが……実はこの時、私の体にある異変が起きていた。



9月とはいっても30度超えの炎天下。直射日光を常時浴びながらの走行&撮影は思った以上に過酷で、水分補給は追い付かず、軽い頭痛まで発生する始末。

これは中断もやむなしか……いや、根性や! 根性見せたれい!! そんなこんなで……


なんとか国分寺駅に辿り着いた……のだが。


この後、私は駅のすぐ近くで見てはならぬものを目撃してしまう。


な、何ということだ……!


ま、まだ16時前だというのに……


すでに開いているだと……!?


「四文屋」が……!!


・中央線の罠

そう、私の目に飛び込んできたのは、都内を中心に展開する焼きとんチェーン「四文屋」。中央線沿線に住む者なら誰もが知る超有名店である。

平日だと17時オープンの店舗が多い中、なんとここ国分寺店は曜日を問わず15時オープン……!

蠱惑(こわく)的な酒場の芳香を、これでもかと放出しているではないか。



・大ピンチ

中央線と並走して、できれば東京駅まで。最低でも新宿駅までは走破しようと固く胸に誓った私であるが、「四文屋」による悪質な妨害工作はあまりにも苛烈(かれつ)で、気付くと次の瞬間には……


返却ステーションを予約していた。


八王子からここまでありがとよ、相棒。


ふらつく足で約束の地へと向かう私。


出発から約3時間……


本日の中央線並走の旅……


– 完 –


・いざ酒場へ

ここから先、描かれるのは自転車でも中央線でもなく、「四文屋」で豪遊する私の姿のみ。本当にただ飲むだけなので、過度な期待はせずご覧いただきたい。

個人的にはむしろ本編のこの続きは次のページへGOだ!

参考リンク:HELLO CYCLING四文屋
執筆:チャリ師・あひるねこ
Photo:RocketNews24.
ScreenShot:HELLO CYCLING、Google マップ(iOS)