
『ONE PIECE』ってみんな必殺技を持ってるけど、あれは海にいるせいかもしれない。必殺技があるのはジャンプ漫画だからではなく海のおかげ。そう思ったのは、私(中澤)が鹿児島の離島・徳之島にフェリーで行った時のことだった。
片道15時間かかるこの航海。夜18時に出て着くのは翌朝9時10分と船で1泊するもので、その乗船時間だけでも比較的辛めなのだが、それ以上に地獄だったのが……
・大シケ
15時間中14時間くらい大シケだったこと。それはもう立って歩けるレベルではない。っていうか、座ってるだけで2秒で酔える。船の傾きで机の上のものもバンバン落ちるし、波のぶつかる音も爆発音みたいで転覆しないか不安になった。
翌朝、スタッフさんに聞いて「冬の時化(しけ)です。今の時期は毎日あんな感じ」と言われた時に、まず思ったのは「じゃあ、転覆はせんか」ということ。そこにホッとするくらいにはヤバかったのである。
・帰りも大シケ
しかし、行きがあるということは帰らなければならない。この時期は毎日あんな感じということはまた15時間かけてあの海を越えないといけないのである。死ぬる……。
ワンチャン、帰りは収まってることを夢見ていたが、その夢は出航直後のアナウンスに打ち砕かれた。「3m~3.5mの高波で大シケだから大きく揺れるので気をつけて」とのこと。もう早く寝ちまおうと速攻で歯を磨き始めたのだが、磨き終わる前にぐわんぐわんと覚えのある揺れが始まった。
・鱗滝さんだったらブチギレるレベル
しまった、判断が遅かった。アナウンスとか聞く前に寝る準備しとくべきだった。鱗滝さんだったらブチギレてるに違いない。
おまけに、行きはシングル1人部屋だったのに対し、帰りはゲストハウスみたいな相部屋2段ベッドだ。より寝られへん……!
・奇跡
揺れていること以上に、30時間の大シケが確定したことにダメージを受け、ベッドまでたどり着けずベッド前の階段で力尽きる私。と、その時、ふと気づいた。
揺れがマシな気がする。
そこには2段ベッドの上段に上がるための短い階段があったのだが、この階段にモタれて座るような姿勢で、頭を段と壁が作る角で固定すると、劇的に揺れがマシに感じられるのである。なんじゃこりゃスゲェェェエエエ!
・階段の呼吸
しかも、この姿勢の凄いところは、船が波を上っていく時も体の角度がそんなに変わらないこと。ベッドに横になっている状態だと足の方が高くなって気持ち悪いのだが、この姿勢だとお腹が大分下になる上、波と並行な面も少ないので船の角度からの影響を受けにくいのだ。天才キタコレ!!
階段と一体化する。シケの海を渡る最終奥義はこれだったのだ。よし、「階段の呼吸」と名付けよう。そんなことを考えているうちに気絶するように眠っていた。
1つ弱点があるとすれば、階段の段が脇腹に当たるので起きた時脇腹がめちゃくちゃ痛かったこと。しかし、背に腹は変えられない。「階段の呼吸」を会得できただけで30時間大シケの海にいた甲斐はあったと言えるだろう。海を照らす朝日が眩しいぜ。
・隣の人
爽やかな気分で船内を歩いていると、船のリビングスペースで道の駅YouTuber『拝啓、道の駅から』のだんぺいが編集作業をしていた。今回一緒に徳之島にいった我々。だんぺいは同じ部屋の隣のベッドなので、状況は私と同じだったはずだ。やあ、昨日もひどかったね。
だんぺい「昨日は一段と激しかったですね……ただ、コツを掴んだので眠れました」
──コツ? どんな?
だんぺい「揺れに逆らわずむしろ乗っていけばいいんスよ。波と一体化してたらいつの間にか寝てました」
・海ってスゴイ
波の呼吸みたいな話をしだした。隣の人は隣の人でなんか変な奥義を会得していたということを知り、しんみりとこう思わずにはいられない。「極限状態だった」と──。
というわけで、30時間の嵐の海でそれぞれの答えを見つけ出した我々。海ってスゴイ。朝焼けに遠く浮かび上がる桜島に1つ成長した気がした激動の2泊3日でした。
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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▼朝焼けが目に沁みやがる……
▼帰りに乗ったフェリー
▼朝食メニュー
▼くぅ~
▼この後めちゃくちゃ道の駅巡った
▼往復30時間して見た景色
— 中澤星児(ロケットニュース24) (@sorekara_jona) December 23, 2024
中澤星児






















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