2024年12月26日、当サイトの編集部の最終出社日であった。今年みんなと顔を合わせるのは最後の日である。そうするってえと、アレだ。今年もやんなきゃいけねえなあ、忘年会をよ~!

昨年は予約なしでサイゼリヤで強行し、一同大変な目に遭っている。そして迎えた今年はというと……。主催者Yoshioが想像をはるかに超える段取りをつけていたのだ。

その会場とは、みんなの食卓でありたい「松屋」! しかも貸し切りッ!! 松屋貸し切りの忘年会って、どういうことなんだってばよ~~ッ!!

・2023年はサイゼリヤだった

昨年のサイゼ忘年会、私(佐藤)は妻の体調不良で欠席している。あとから聞くと、席がバラバラでまとまりのない状況になったのだとか。それは忘年会じゃなくて、ただの食事だったんじゃないか?


状況がいかに悲惨だったかは、サイゼ終わりの記念撮影の写真を見れば一目瞭然。


約3名表情がしんでいる。笑うに笑えなかったのか、それとも無表情の面々が正直すぎたのか……。いずれにしても、年を締めくくるには少々心もとない忘年会だったことが、容易に想像できた。



あれから早いもので1年が経ち、最終出社日の業務を終えて、Yoshio先導のもとみんなで忘年会会場へ

「今年は貸し切りだから」、そう自信満々に告げるYoshioだったが、その行く先は明かされていない。しかも開始時間が20時と、飲み始めるのには少し遅い。


向かう先は、ネオン煌びやかな歌舞伎町方面ではなく、真逆の新宿御苑方面。歩み出した時点で、メンバーの期待値はダダ下がりである。繁華街なら高級店の可能性も、ワンチャンなくはないだろうが、Yoshioの足は明るい街から遠ざかりつつあった

「またこのパターン?」、誰ともなくそんなことをつぶやく声が聞こえてくる。


少し歩くとYoshioは公園へと入っていった

「まさか公園貸し切りで、ゴザ敷いて野外はないよね」。昨年のサイゼがよほどトラウマになっているらしい。どんな無茶な選択も、Yoshioならやりかねんと誰もが信じ始めていた。


が、すぐに方向転換して公園を出た。ナゾのフェイントにメンバーは翻弄される。


さらに歩を進めて、ますます暗い方へと進んでいく。通りすぎるお店の多くは、どこもにぎわっている。その様子がとても眩しく見えた。我々もあんな風に、眩しく輝けるだろうか……。


Yoshioが1軒のお店の前で立ち止まった。どうやら目的のお店に到着したらしい。


あひるねこ「え? ここ?」
亀沢「貸し切りって言ってなかった?」
中澤「……」


Yoshio「到着! ここ貸し切ったから!」


Yoshio「史上初、松屋で貸し切り忘年会!!」


古沢「わ~、うれしい!」
砂付近「松屋、初めて来ました」
原田「……」


サンジュン「……」
和才「……」


実は今回の忘年会は、完全にYoshioの段取りで、私(佐藤)も直前まで詳しく知らされていなかった。彼は単独で松屋に問い合わせを行い、一旦は時季的に難しいとの回答だったが、後に松屋の社長自らが承諾してくれたそうだ。

そうして、ここ新宿1丁目店を20時から1時間半、お借りすることができたのである。まさか社長が直々にOKしてくれるとは! 無茶な相談に乗って頂き、ありがとうございます! メンバーはそんな背景を知る由もなかった……



Yoshio「お世話になりま~す。よろしくお願いしま~す。みんな入って」


あひるねこ「こんばんわ~」


中澤「貸し切りってことは僕らだけ?」


砂子間「失礼しま~す」


みんながカウンターに着席したところで、まずはYoshioからオーダー方法の説明。

Yoshio「注文は普段の松屋と同じです。券売機で食券を買ってください。代金は僕の方で払います」


行き慣れた松屋のカウンター席に、見知った顔が並んでいるのはなんだか不思議。偶然でも、知り合いが10人近く並ぶことなんかあり得ないものね。こんな光景、この先、目にすることはないだろうなあ。


場所が特殊でも忘年会は忘年会だから、まずは乾杯でしょう。ってことで、最初にビールを中瓶でオーダー。


グラスをもらって互いに注ぎ合う。


砂子間「まさかこんな形になるとは」
原田「ですねですね」


御花畑「どうぞ」
亀沢「ああ、ありがとうございます」


互いに注ぎ終わったところで、Yoshioの音頭でカンパ~イ! おそらく史上初の松屋貸し切り忘年会、開幕です。


みんながグラスを掲げるなかで、異端児中澤はマミー。さすがだ。



続いて交代で券売機で食券を購入し、それぞれが好きなものを注文。ひとつのおかずをシェアできるのは、貸し切りの大きなメリットかも。


次第に食事が提供され始めると、次第に笑顔が見え始めた。


こんな時じゃなきゃできない大胆な食い合わせもアリ。ブラウンソースエッグハンバーグと厚切り豚カルビ焼肉、そんなワンパクな組み合わせを楽しむのもヨシ。


あるいはいくら丼の3倍盛りも良いだろう。


これを頼んだのはマミー中澤である。店に着いた時には暗い顔をしてたのに、コレを前にしてこの笑顔である。

中澤「実は食ってみたかったんすよね~」


亀沢はカルビ焼肉のダブルと、厚切り豚カルビ焼肉という、とても肉々しいチョイスだ。


と思ったら、さらに炙り焼鮭に豚汁、さらに青ネギまでしっかり頼んでいた。めちゃくちゃ食いに行ってるな。そんな豪快なオーダーも今日は許される!


サンジュンはカルビ焼肉ダブルとキムチ。ツマミとしての選び方を理解しているようだ。


こちらは牛めしを食べる古沢と和才。幸せを噛みしめて満面の笑みを浮かべる古沢に対して、驚くほど真顔の和才。好対照すぎる。


入店時はみんな怪訝な表情を浮かべていたけど、食べ始めると場は和み、貸し切りの松屋を楽しんでいる様子。今回の忘年会は、結構満足度が高いんじゃないの


そんな中、あの男が動いた! マミー中澤だ


食券を購入した後に、お店の人に何やら話かけていた。何をやろうというのか……。


少しして、お店の人が特盛牛めしを手にしてサンジュンの前に立ち、こう告げた。


お店の人「あちらのお客様からです」


カッコいいーーッ! 人生で1度はやってみたいヤツを、この場で決めやがった! さすがマミー中澤!! こんなにスタイリッシュに牛めしを振舞うヤツは、お前しかいない!


サンジュン「うれしいな、普通に食べるよりもはるかに美味いかもな」


松屋といえばごろチキ、ごろチキといえばこの人。熱烈なごろチキ信者のあひるねこは、もちろんごろチキを食う。


この日のごろチキは、いつにも増して美味そうに見えた


ちなみに私はブラウンソースチーズハンバーグに厚切り豚カルビ焼肉を合わせてみました。


注文前はいろいろ食べようと思っていたけど、この2つでかなりお腹が満たされて、それ以上頼むことができなかった。他のメンバーも追加注文する様子はなく、1回きりでオーダーを終了していた。すぐに腹いっぱいになって意外と食えないもんですね。

利用時間の後半をみんなを持て余してしまって、結局1時間でお店を後にした。忘年会というには飲み足りないし、あっさりしすぎているので、このあと2次会にいったのは言うまでもない



さて、14名で松屋を貸し切った結果、かかった料金(飲食代のみ)は~……



総額2万9800円!


一部レシートを持ち帰ってしまった者がいたみたいだけど、だいたい3万円を切るくらいの金額でした。


そんなわけで、今回はみんなが大満足の忘年会になりましたよ! ……たぶん。


2024年も読者の皆さんには大変お世話になりました! 2025年も変わらず、ロケットニュース24をお引き立てのほど、よろしくお願いします!!


取材協力:松屋
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

この話には続きがある。実は二次会に予約したお店に入れる時間まで、まだまだ余裕があった。そこで一旦編集部に戻ったのである。忘年会の途中で全員事務所に戻る会社なんて、たぶんうちしかないだろう。


次のお店では飲み足りなかった分を補いつつ、みんなで1年の仕事を振り返りましたとさ。


……まだ終わりではない。翌朝のことだ。私宛にGO羽鳥から、社内ネットワークでこんなメッセージが届いた。


羽鳥「佐藤さん、おれの財布もってたりする??」


ナニ!? 財布を失くしたのか! 平和に忘年会を終えたと思ったら、大事なものを失くしやがって。二次会の後に私と羽鳥と原田の3人で、もう1軒バーに行っていた。だが、彼の財布を預かった覚えはなく、少なくとも昨日は見てもいない。

「持っているわけがない」と言いたいところだったが、彼のエアタグが示している場所は、ほぼ我が家だ。そんなまさか!?


念のためカバンを確認してみると、ないよな~。あるわけないよな~。


普段使わないポケットも確認してみると…………。あ! ナニかある!


これは! 財布やないか~い! 何でこんなところにあるんじゃ。


実は三次会のお店を出る時に、少々酔い気味の羽鳥は、自分のかばんと私のかばんを取り違えて持って帰ろうとしていた。私はその間違いにすぐに気づいて、「それ俺のだろ」と取り返していたのである。どうやらその時に、彼は自ら私のかばんに財布を入れてしまったらしい

私のかばんに突っ込んでてホントによかった。私のものでなければ、知らない人に財布を預けてしまって、連絡すらつかないところだったよ。


「あった」と伝えたところ、彼はチャリで飛んできた(割と互いの家は近い)。


というわけで、最後の最後にトンだハプニングはあったけど、良い忘年会でした。さあ、来年はどうなるのか? 今から気が気でならない……。


執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24