男性諸君なら、今まで当たり前のように穿いていると思われるボクサーパンツ。私(耕平)も、長らく愛用している。
しかしある日、ふと見かけた動画で気になる下着が目に飛び込む。それは「パンツ型のふんどし」。
何やら開放感がハンパないという。それなら試しに穿いてみようと、いろいろ調べて購入したものは1枚16400円の高級ふんどしパンツ。下着としてはメッチャ高額だが、意を決して購入。
1ヶ月穿いてみた感想は人生レベルで劇的に変化を感じたが、それと同時に「止めておいた方がいい」という感情が出てきた。なぜなら……。
・購入したきっかけ
私のような40代男性のパンツ遍歴はブリーフ→トランクス→ボクサーパンツという人が多いと思う。私も例に漏れず、この王道パターンを歩んでいる。
その流れは、あまりに当たり前で日常ではこだわりもなく、興味が湧くこともなかった。ところがある日、ふとYouTubeを見ていると、ふんどしの魅力を熱く語る動画がオススメに表示される。
動画の内容は私が知っている「だんじり祭」などで、神輿を担いでいる人たちが穿いているようなふんどしとは違い、パンツ型に改良されたものの穿き心地をレビューするものだった。
その動画を見ているうちに「ふんどしいいかも?」となり、ものは試しとばかりに購入することを決意する。そこでネットで調べると、値段は1000円以下から10000円以上するものとさまざまだ。
どれを買おうかと探すこと数日、「最高級シルクを使ったふんどしパンツ」を発見。値段を見ると、驚愕の……
1枚16400円!
税込み価格だが、さすがに即決できる金額ではない。こちらはジェマーシュリブレモンという会社が作っている、「殿プレミアム」という商品で商品説明を読むと最高級6Aランクの国産プレミアムシルクで作られているらしい。しかし、見た目はただの布である。
普通の服でも10000円以上の買い物は滅多にしないので、かなり迷った。が、何かの動画で「見えないところにお金をかけていないと、いい仕事が入ってこない」という、謎のジンクスが耳に残っていて勢いで購入してしまった。
注文して、3日後に商品が到着。
ブランドものみたいな箱を開けてみると、「Fundoshi Lingerie(ふんどしランジェリー)」と書かれたラベルが貼ってある包みが出てきた。
見よ! これが16400円のふんどしパンツだ!!
広げてみると、結構な面積がある。
シルクのことはよくわからないが、肌触りで圧倒的な高級感が伝わってくる。これが最高級6Aランクの実力なのだろうか。
・16400円を穿いてみた
さて、これをどうやって穿くのか? 普通のふんどしだと巻いたり捻ったりと、いろいろと面倒くさい感じがある。ところがこのふんどしパンツは、かなり楽に穿くことができる。
まずは、紐とふんどし生地の間に左足を通して……
前と後ろの形を整えながら、右側でしっかり絞めず緩い感じで紐を結ぶ。
これだけでバッチリ穿ける!
オッサンの生のふんどし姿を載せても炎上リスクが高いため、スパッツの上から穿いていることをご了承いただきたい。ちなみに後ろはこんな感じだ。
実際に穿いてみて、私は言葉を失った。それは……
「ノーパンみたいな開放感」だからだ。
男性ならわかると思うが、ヤツのホールド感が全くと言っていいほど感じられない。最初は違和感しかないが、これに慣れてしまうと確実にボクサーパンツには戻れなくなる気がした。
スーツを着ても、本当にノーパン感覚だ。でも……
安心してください……
穿いてますよ!!!
しかも購入したのは1枚だが、毎日穿くことが可能だ。メンテナンスは簡単。風呂場などで手揉み洗濯してから……
部屋で陰干しすると……
2時間程度で、すぐに穿けるようになる。
その後1ヶ月間毎日穿き続けて、気がついたら完全にボクサーパンツから卒業していた。
・デメリットもある
新たな世界に足を踏み入れてしまったきっかけの『1枚16400円の高級ふんどしパンツ』だが、穿き続けてわかったデメリットもある。
まず1つ目は「やっぱり恥ずかしい」ということ。
例えばスポーツクラブや銭湯などの施設で着替える場合、やはり一般的に見慣れないシルクのふんどしパンツは、かなり目を引くだろう。
または、病院などでズボンを脱がなくてはいけないシチュエーションになった場合も同じだ。オッサンの下半身から唐突に出てきた、シルクの赤ふんどしパンツを目にしたら、一瞬引かれると思う。私が逆の立場だったら、間違いなく引くだろう。
2つ目は「いつの間にかズレている」ことだ。
前述したとおり、この『高級ふんどしパンツ』は穿いているのにノーパン感覚だ。ゆえに最初はいつの間にかズレたことで「ヤツが出ちゃってた」こともあり、トイレに入って初めて気づくことが何回かあった。
これは開放感のゆえの代償と言えるが、慣れていくうちに穿き方のコツを掴んだことで無くなっていった。
そして3つ目は「やっぱり値段が高い」。これに尽きる。
これは人それぞれの感覚になるが、たいていの人は1枚の下着に1万円以上かける方が圧倒的に少ないと思う。私自身も勢いとはいえ、よく買ったな……と今でも思うくらいだ。
しかし、ちゃんと手入れをしていれば毎日穿いても2年以上は持つという。そう考えると、この開放感がずっと味わえるなら高い買い物ではないと思えてきた。
実際に洗濯して干している間に、ノーパンにならざるを得ない状況なのが嫌だった私は、もう1枚追加で購入してしまった。
最後に正直に言おう。この『高級ふんどしパンツ』は誰かに安易に勧められるような代物ではない。なぜなら、一度その世界に足を踏み入れたら、もう戻れない可能性が極めて高いからだ。
とにかく私の下着人生は、この16400円の一枚で完全に変わってしまった。いや、今では「常に16400円を身につけている」という、優越感にも浸っている。
この感動が伝わるかどうか定かではないが、とにかく『高級ふんどしパンツ』の沼にハマってしまったことはたしかだ──。
参考リンク:ジェマーシュリブレモン「殿プレミアム」
執筆:耕平
Photo:RocketNews24.
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