栃木県佐野市といえば、モチのロンで「佐野ラーメン」が有名。特徴は良質な水で作る醬油味のあっさりしたスープと青竹で打った不揃いのちぢれ麺。小麦の風味豊かな味わいがクセのないまろやかなスープと絶妙に絡んで激ウマである。

そんな佐野ラーメンの代表格「ようすけ」はいつも行列、数十台停められる広い駐車場も昼前には満車。週末には県外ナンバーもズラリと並んでいるのだが、市内に「ようすけ」は本店を含めて3店舗あることは意外と知られていない。

・ようすけに行きたい

行列に並んで本店に行くのも良いが、もし次の予定があるなら別の店舗に行くのはどうだろうか。たとえば週末の18時過ぎも本店の駐車場はほぼ満車。発券機(順番待ちの受付票)にも待ち列ができていたが……


・堀米店へ

車で15分ほどの場所にある「堀米店」には車が1台。たまたま運が良かったのかもしれないが、ほぼ同タイミングで1秒も待たずに入店できてしまった

ちなみに堀米店は「ようすけ」の3号店。約1年前の2023年11月にオープンしたばかりだからまだガイドブックにも載っていないかも

もちろん「本店の方が好き」「本店に行かなければ、わざわざ栃木県まで遠出した意味がない」という “本店ガチ勢” の気持ちもわからなくはない。ましてや本店は、TOKIOの城島リーダーが青竹手打ち麺の修行を受けた超有名店である。


・地元民の心の余裕

おそらく栃木県民の私は「本店ならいつでも行ける」という地元民ならではの心の余裕があるのだろう。さらに言えば、地元民はそれぞれ自分のお気に入りラーメン店がある。

どちらかと言うと、有名店は観光客向け。地元の観光地に地元民が行かないのと同じ。なんせ市内には約150軒のラーメン店が点在し、ラーメン密度(人口あたりのラーメン店舗数)は全国1位……らしい(諸説あり)。



・限定塩ラーメン

しかし、堀米店もメチャメチャうまい。十分に佐野ラーメンの美味しさを実感できるはずだ。

冒頭でもお伝えしたように、佐野ラーメンは「透明感のある醬油スープ」がスタンダードだが、今回頼んだのは「限定塩ラーメン(1000円)」。イベント出店時に大好評だったメニューだそうだ。変わり種を注文できるのも地元民の特権か。

見た目は背脂を浮かべた珍しい塩ラーメン。羅臼昆布と伊吹いりこを使った出汁にこだわりを感じる進化系・佐野ラーメンである。

さっそくスープからいただくと、背脂を使用しているため、あっさりしたなかにコクと旨味が感じられる。あっさりなのに濃い味わいも楽しめるのだ。

言うまでもなく、腰の強いツルツルモチモチした麺との相性も完璧。食べるほどにヤミツキになってしまう。優しいくせにまた食べたくなる不思議な魅力があるぞ。

ちなみに通常チャーシューはバラ2枚だが、堀米店では1枚を肩ロースに変更可能。口に入れるととろけるバラ、そしてスモーキーな香りと肉の旨味が楽しめる肩ロースを食べ比べできるのだ。



・餃子もやばい

餃子(3個390円)もうまいしデカい。栃木の餃子といえば宇都宮餃子が有名だが、実は佐野餃子もラーメンとの相性が抜群すぎるため、ラーメンとセットで頼まずにはいられない。ご覧の通りモッチリとした皮で超ジューシー。食べ応えがMAXである。

並ばずにこの満足感が味わえるのだから、タイミングによっては別店舗に行くのもアリだろう。市内に美味しいラーメン店は多いが、ようすけ狙いの方の参考になれば幸いだ。それではまた!


・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名:麺屋 ようすけ 堀米店
住所:栃木県佐野市堀米町20-2
時間:月・火・水・金 11:00〜14:30 17:00〜20:45 / 土・日・祝 11:00〜20:45
休日:木曜日

執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.