今年5月18日。オオゼキ(都内を中心に展開するスーパー)世田谷松原店をのぞいたところ、惣菜コーナーがえらい騒ぎになっていた。『完全手作りプレミアムコロッケ』なる商品が、翌19日限定で発売される……という告知ポスターが大量に貼られていたのである。
そのコロッケにオオゼキがどれほど自信を持っているかは、ポスターの文言から十分に伝わってきた。が、私は争いごとと行列が何より嫌いな性分。世田谷マダムたちとのコロッケ争奪戦に勝利する自信がなかったので、その戦いに参加することはなかった。
ところが先日! 久しぶりにオオゼキ松原店を訪れたところ、どうも状況が変わっているっぽい!?
・いつの間に?
今年5月の段階で、『完全手作りプレミアムコロッケ』はゲリラ的に販売されている様子であった。これを逃したら次いつ買えるか分からない……おまけに数量限定。非常に購買意欲を刺激される手法である。
そこから私は色々なスーパーに浮気をし、約5カ月ぶりにオオゼキ松原店を訪れた。惣菜コーナーには見慣れた張り紙が。しかし以前と決定的に異なる点がひとつ。
「毎週日曜日 数量限定販売」だとォォォオオ!?!?
・超ツイてる
かつてゲリラ販売だったプレミアムコロッケは、この5カ月の間に週1販売になっていたらしい! しかも……
なんと私が訪れたのは偶然たまたま日曜の午前! この夜型の私が午前中にスーパーへ行くなど、年に数回起きるか起きないかの超レア事例である。惣菜コーナーには、まだホカホカのプレミアムコロッケが山と積まれていた。これを “““運命””” と呼ばずして何と呼ぼう?
迷わず買った『純情豚の手作りコロッケ(完全手作りプレミアムコロッケ)』は2コ入り税込389円。オオゼキは『岩手純情豚』というブランド豚を熱烈に推していて、他にもトンカツ、メンチカツ、串カツなど様々な加工品が惣菜コーナーに並んでいる。
今回は日曜限定『純情豚手作りコロッケ』と、通常版の『純情豚コロッケ』(2コ入り税込279円)を食べ比べてみることに。
形の違いはあれど、現段階で「どっちがおいしそう」とかはない。同じ “オオゼキの純情豚コロッケ” でも、手作りか否かで差が出るものなのだろうか?
・全然違った!!!!
まず通常版。
ん、おいし〜! 具がしっとり一体化してクリームコロッケみたい。若輩者ゆえ、豚のスゴさまではよく分からなかったのだが、よく弁当とかに入ってるコロッケの上位版。良くも悪くも “ザ・買ったコロッケ” って感じである。
で、本題の手作りコロッケ。
なんかもう、説明できないくらい全然別モノだった。
いきなり絶対に伝わらない話を始めて申し訳ないが、ウチの母の得意料理はコロッケである。母のコロッケはジャガイモ、ひき肉、タマネギに塩コショウを振っただけのシンプルなもの。世の中にニンジンやらグリンピースが入ったコロッケも存在することを、私は大人になってから知った。
このオオゼキの手作りコロッケは、我が母の手作りコロッケに酷似している。イモもひき肉もありえないくらいゴロゴロとデカい。あまりコロッケに使う例えではないが、よくある市販のコロッケにはない “みずみずしさ” が感じられる。「いま茹でました」的な。
これは伝わるかどうか微妙なところだが、私の持論に「衣と具の間に空間があるコロッケはウマい」というのがある。オオゼキの手作りコロッケは衣と具が独立した別の生命体であり、よくある市販のコロッケと比較すると、2つの料理を同時食いしているくらい違う。
あ、言うのが遅くなったけどメチャメチャにおいしいです。
・お母さんに会いたい
“できたて” というアドバンテージをあえて無くしてみるため、残ったコロッケは夜までとっておいた。
冷え冷えの手作りコロッケは……
やはりお母さんの味がして泣けた。これほど時間が経ったのに衣のサクサクさが異常。惣菜にありがちな嫌な油っぽさが無い。そういや弁当に入ったお母さんのコロッケも、出来たてとは別のおいしさがあったんだよな……あぁ、鳥取に帰りたい……。
材料は完全に同じハズなのに、『純情豚手作りコロッケ』と、通常版の『純情豚コロッケ』とでは『ローランドとローランド以外』くらい違っていた。大量生産できない理由もなんとなく分かるし、わざわざ日曜日にオオゼキへ行くだけの価値がある。そう個人的には感じる。
なお私は何軒かのオオゼキを定期的にパトロールしているが、私の知る限り現在のところ、手作りコロッケを日曜限定で販売しているのは松原店のみ。もちろん他店舗でも取り扱いがあるかもしれないが、絶対ゲットしたい方は日曜午前の松原店を狙うと確実である。コロッケ好きなら必食!
( ※ 本記事は10月27日時点での情報。今後状況が変化する可能性もあります)
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.
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