この記事が、大きく言えば「WEB記事」が、今の10代〜20代あたりの若者に届くのかどうかわからないけど、彼らに届くことを願って書いておきたい。


そして、記事を最後まで読まない人のために、結論だけ最初に書いておきたい。


つい出来心で闇バイトに応募してしまって、DMで『テレグラム』や『シグナル』って単語が出てきたら本当に人生終わるかもしれないから絶対に引き返せ。もし応募してしまったら警察に即相談しろ」だ。


・なぜ若者たちが……

ここ最近、闇バイトのニュース……というか犯罪が世間を騒がせている。警視庁が闇バイト応募への注意喚起を発表したりもしている。


逮捕されているのは、ほとんどが若者。いったいなぜこんなウサン臭い求人に騙されてしまうのか……という事案に、結果的に騙されてしまっている。


どんな求人があるのかは警視庁の注意喚起でも紹介されているが、「即日即金」「楽で、簡単、高収入」「ホワイト案件」「日給5万円」「簡単な運びの仕事」「ドライバー」「送迎」「高額収入の引越しバイトの募集」「預けた荷物をロッカーへ」「20万〜都内某所」などなど……。


どう考えても怪しい。


もうかれこれ10年以上も前から、笑いと共にネット犯罪と戦ってきた「迷惑メール評論家」としての顔も持つ45歳の私(GO羽鳥)は以下のように推測する。


騙されてしまう子たちは皆、ネットの怖さや、闇バイトのヤバさを、よくわかっていないのだろうなと思うのだ。知らないからこそ、甘く見ているのだと。


なので今回は、ものすごく簡単に、闇バイトの何がどうヤバいのか、究極にわかりやすく、私なりに注意喚起しておきたい。まずはこちらを見てほしい。



時は昨年2023年の4月。SNSの「X」がまだ「Twitter」だったころのDMだ。私は調査用アカウントで闇バイトについて潜入調査していた。


これまでにも「闇バイト」的な案件はいくつか記事にもしているが、上記の「闇バイト詳細DM」に関しては、わずか2分で調査を断念した。


それはなぜか?


これは絶対にヤバい案件だと直感的に思ったからだ。



絶えず出てくる「テレグラム」の誘い。テレグラムってのは、簡単に言えば「究極的に機密性・秘匿性の高いロシア産メッセージアプリ」のこと。


「シークレットチャット」などにより “証拠が残らない” のが特徴で、テロ組織や麻薬、児童ポルノなど日本のみならず世界的に犯罪の温床になっている。


つい先日、テレグラムのCEOがフランスで逮捕されたのも話題になった。容疑は「経営者として犯罪への共謀などの疑い」。


なお、テレグラム同様のアプリに「シグナル」というものもある。


そんなテレグラムがしょっぱなから出てくる=後ろめたいことがある=バリバリの犯罪であることは明白で、相手も相手で隠れる気マンマン。


そのうえで、しょっぱなから個人情報を聞いてくる。この不公平さ、かなりヤバい。いわゆる「詐欺」のDMとは一線を画すヤバさを感じる。


また、相手は十中八九 日本人であることも、たった3通のやりとりで判断できた。それも真っ当に生きていない日本人(反社)であろう。関わったらヤバイ。


これ以上 深入りしたら、もっともっと情報を求められ、結果的にそれが弱点となり、さすがの私でも逃げられなくなるなとの直感があった。


少なくとも笑いには転じないし、あまりにもリスクの高すぎる潜入取材になるだろうなと判断したのだ。たった2分の間に。


もちろん「テレグラムが出てこなければ安全」というわけではないが、高収入をうたう謎の仕事の募集で、しょっぱなテレグラムやシグナルなる単語が出てきたら100000%ヤバイと思ってほしい。


深い入りしたら逃げられなくなる。間違いなく良くない未来が待ち受けている。というか人生が終わる。いま逮捕されまくっている若者たちのように。



これまで数々のネット犯罪者たちと向き合い、戦ってきた私が、たった2分で試合放棄するくらいに危険性を感じるのがテレグラムでのやりとり。


たとえテレグラム(orシグナル)でなくとも、名前や電話番号や住所などを見知らぬ相手に教えるのも本当に危険なことだし、絶対にやってはいけないこと。


そもそも「簡単に高収入」みたいな都合の良い仕事なんて、この世には存在しない。そんなうまい話、あるわけない。


もしも闇バイトに応募したら、単なる駒のように扱われるか、もしくは身ぐるみ剥がされるか。


言い換えれば犯罪者(加害者)になるか、被害者になるか。そのどちらかしかない。


もしも応募した求人が闇バイトだった場合は、すみやかに最寄りの警察署や警視庁総合相談センター、もしくは警視庁少年相談係に相談することをオススメしたい。


・得ている情報の違い

こんなこと、ネットのWEBのニュース(もっと言えば私の迷惑メール関係の記事)をよく見ている人たちなら常識かもしれない。


ただ、今の若者たちは動画メインでWEB記事を読まないとも聞く。その “得ている情報の違い” もまた、今の状況に繋がっている気がしないでもない。


どうかこの記事が若者たちに届きますように。


参考リンク:警視庁「#BAN 闇バイト」NHK「闇バイト 警察の呼びかけ強化以降 応募者など保護のケースも」NHK「テレグラムCEOなぜ逮捕?その背景と波紋」
執筆:迷惑メール評論家・GO羽鳥
Photo:RocketNews24.
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▼過去には静岡県富士市で防犯の講演をしたことも。