格安イヤホンの比較をやり続けていたら、いつかやると思っていたことをやってしまった……。30本以上もイヤホンを買い続けていると、どれをいつどこで買ったかを覚えていない。そのせいで、同じメーカーの製品を立て続けに買ってしまったのである。やると思ってた~!

しかしモデルが違うので、紹介させて頂くとしよう。今回購入したのは、中華系イヤホン「KZ ZSTX」である。どこかで似た名前のものを買った気がするのだが……。

その音を聞いてみたら、これはかなりイイ! しっかりしたブランドの中華系製品は優秀ではあるけど、中華系ゆえの弱点を感じてしまった。

・最近買ってた……

この製品は、ずいぶん前に読者におすすめ頂いたものだ。その当時(2024年8月頃)の販売価格はAmazonで1800円くらいしていたので、購入を見送ったのだが、最近改めて販売ページを見たところ税込1599円になっていた。

本記事を書いている10月18日時点ではまた少し値上がりしてしまったが、今が買い時だってことで購入。手元に届いた後、箱裏の製品仕様を見たところ、なんかこの書き方、見たことある気が……。となった。


再生周波数帯域は20~4万ヘルツである。やっぱり既視感あるなあ、最近同じくらいの帯域の製品を紹介した気がするぞ。


思い出した! ちょっと前に同じブランド「KZ」の「EDX Lite」(購入価格1299円)を紹介したんだった! やっちまった~!!


KZは格安中華イヤホンの王者と称されており、調べたところ、今回のZSTXは以前からかなり高い評価を得ていた。う~ん、EDX Liteの上位のモデルなら、その音を聞かない手はない。ってことで紹介するぞ。気をつけないと、いつかまったく同じものを2回買うこともありそう……。



さて、中身は本体とイヤーピース3種(S・M・L)、それにケーブルが入っている。これもまたリケーブル(ケーブルの付け替え)できるモデルだ。


半透明のボディはEDX Liteと同じ。


切り込みの入ったイヤーピースも同じだ。付属品はほぼ同じ。


ケーブルをつけるとこんな感じ。左右は小さく記された「L・R」で判別して頂きたい。老眼にはこういう小さい表記はキツイんじゃあ……。


耳の後ろにケーブルを通す「シュアがけ」で利用する。着け心地はバッチリだ。


・聞き比べ

今回使用するのは、シンディー・ローパーの『The Goonies ‘R’ Good Enough』(グーニーズはグッド・イナフ)だ。まずはいつもと同じく「ハイユニット HSE-A1000」である。


この曲は説明するまでもなく、映画『グーニーズ』のテーマソングである。ファミコン版グーニーズでも使用されており、イントロのシンセサイザーのフレーズが印象的だ。リリース当時の1985年はシンセサウンド全盛期で、この曲もシンセサイザーが多用されている。今聞くと、その音数の多さに驚かされる。

ハイユニットで聞くと、全体のバランスが統制されている。ガチャガチャとした複雑な鳴りの高音を低音がしっかり支えていて、とても聞きやすい。



続いて、KZ ZSTXでも聞いてみよう。


音の出はハイユニットよりもずっと良い。ドン! と勢いのある音を聞かせてくれる。力強い低音と抜けるような高音、いわゆる「ドンシャリ」サウンドで、私(佐藤)好みではあるのだが……。

硬いんだなあ、高音も低音も硬くて、耳に刺さる。これは「エイジング」と呼ばれる慣らしをしないとツラい。聞き疲れしそうなほど、エッジが立っている。

あえていうなれば「若い音」といった感じ。日本のメーカーの製品はバランスが良く、きちんと設計された音を聞かせてくれる。一方、中華系は粗削りでそのままでは使いにくいものが多い。中華系の弱点と言っていいだろう。それも踏まえて、自分好みの育てていくのが魅力ではあるけども……。


付属のケーブルは安物なので、自前のモノに付け替えてみたところ、かなりまろやかで聞きやすい音になった。


EDX Liteと同じく悪い製品ではないけど、慣らしをしないことには即戦力として使えない。さらに、リケーブル前提で使うことを考えると、これもランクインはないかなあ。ってことで順位の変動はなし!


1.アルペックス(Hi Unit)ハイユニット HSE-A1000(PK)」 税込712円
2.JVCケンウッドHA-FX6-T カナル型イヤホン」 税込821円
3.DENONAH-C260」 税込927円


このランクは随時更新していきたいと思う。皆さんの音楽ライフの参考になれば幸いである。


参考リンク:Amazon
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24