ドン・キホーテから今年7月に発売された『#ドンぷるゼリー』は、SNSでの話題性を狙ったイチオシ商品らしい。パッと見のインパクトが強いため「すげー面白くてお得な商品なんだろうな」って一瞬思う。
が……よくよく見ると、バケツ型の容器で作る『#ドンぷるゼリー』は「約15個分のキングサイズ」で価格は1599円(税込)とのこと。この段階で “通常サイズのゼリーに換算すると1個あたり約107円” という計算が成り立つワケなのだが……
それって、少なくとも「安くはない」よね?
・「手軽さ」なのか?
とはいえ、そこは天下のドンキのこと。何か秀でた部分があるに違いないので、買った。
『#ドンぷるゼリー』こんな感じのサイズ感。このサイズのゼリーが完成すれば、確かに「デカいなぁ」とはなりそうだ。
バケツ型容器の中身は「オレンジゼリーの素」が2袋、それだけ。
1.4リットルの熱湯を用意し、オレンジゼリーの素を混ぜる。
均等に混ざったら粗熱をとる。粗熱の定義は色々あるようだが、一般的に40℃くらいまで冷ました状態を「粗熱が取れた」とする場合が多いらしい。今回は約1時間。この時点ですでに「お手軽」とは遠い感が否めない。
粗熱が取れたらバケツに戻し、表面の気泡をすくいとる。別にゼリーに気泡が多少あっても気にならないのだけど、ここは説明書どおりにやる。そこからさらに人肌程度まで冷ましたのち……
「冷蔵庫で7時間冷やす」……!
工程自体はさほど複雑ではなかったが、「これひとつでパーティーが始まる」というキャッチコピーにはいささかの疑問を感じずにいられない。パーティー開始から7時間後にゼリーが完成したとして、その頃にはパーティーが終了している可能性が高いからだ。
以上のことから『#ドンぷるゼリー』は、「お手軽」とはそれなりに遠い存在であると言わざるをえないのではないだろうか。
・「楽しさ」なのか?
一晩冷蔵庫で寝かせたものがこちら。
おお、キレイに固まっている!
受け皿をかぶせて勢いよく……
ホイッ! とひっくり返す。
ワーーーーーーーーーッ!!!!!
プルン! と出たァ!!!!!
一般的なオレンジゼリーと比較するとこんな感じ。まぁ大きさがウリの商品なんだから当然っちゃ当然だが、一瞬テンション上がったことは事実。
持ち運ぶときは今にもツルン! と落ちそうでスリル満点。皿が小さすぎた説は否めないが、若干ドキドキしたことも事実である。
このジャンボ・ゼリーをジャーン! と編集部メンバーに見せてみたところ……
「超ビックリってほどではないけど、まぁ『何これ?』とはなる」との反応であった。以上のことから「楽しさ」はある程度の水準に達していると考えてよさそうだ。
・「お得」なのか?
なお冒頭で『#ドンぷるゼリー』の価格を1599円(税込)とお伝えしたが、冷静に考えると1.4リットルの水が必要なため、水道水の質が低いエリアではミネラルウォーター代が約100円追加されることになる。
完成した『#ドンぷるゼリー』の重量は約1.5キロ。
そしてヤマザキの『みかんゼリー』が1個140グラム……ん?? たしか『#ドンぷるゼリー』は「ゼリー約15個分」との触れ込みだった。しかし、この計算でいくと「約10.7個分」ということになるような……? ヤマザキのゼリーはが平均より大きめなのだろうか……?
なおヤマザキの『みかんゼリー』はスーパーで98円。つまりヤマザキが “約143グラム=100円” なのに対し、『#ドンぷるゼリー』は “約88グラム=100円” という計算が成り立つ。おまけにヤマザキはみかんの果実入り。コスパという点では、残念ながらお話にもならないのであった。
・「おいしい」のか?
まぁ、そんなことより問題は味である。おいしけりゃ高くても何も問題はない。
巨大ゼリーにスプーンを入れる瞬間はケーキ入刀みたいな緊張感があった。スリルポイント、プラス1。
制作開始から約1日……ようやくいただきま〜す!
………………
………………
………………
・結論
『#ドンぷるゼリー』はおいしい。プリッ! と硬めの、私好みのゼリーである。私好みのゼリーでは、ある。が……「オレンジジュースをゼラチンで固めたヤツ」以上でも以下でもない、というのが正直な感想だ。
編集部の人たちにも食べさせてみた。「まぁ、オレンジゼリーだね」との反応であった。流れでヤマザキのゼリーも食べさせてみたところ……
中澤「ヤマザキがウマすぎてビックリした(笑)。公平を期すために果実の部分は避けてみたけど、それでもヤマザキの圧勝だったわ」
と、いうことで今回の考察の結果『#ドンぷるゼリー』の総評は……
手軽さ×
楽しさ◯
お得さ△
おいしさ△
という感じで一同納得となった。
じゃぁ『#ドンぷるゼリー』のメリットって一体? という話になるが、まず大きいのは「バケツつき」という点ではないだろうか。ゼリー用のバケツなんてどこで買えばいいか分からないし、あったとしてもそこそこの値段がするハズ。バケツ代を払ったと思えば、価格的には適正であると思われる。
それから「オレンジジュースやらゼラチンを買ってくるのがダルイ」というズボラさんにはかなりお手軽と言える。そこまでズボラな人物が、そもそもゼリーを自作しようとは思わないかもしれないが……
それでもお子さんがいる家庭などであれば、ゼリー自作イベントは家族団欒に一役買うに違いない。友人同士やカップルでネタとして活用するのもアリだろう。
好みの具材を混ぜることも可能らしいので、アイデア次第ではキャッチコピーのとおり「これひとつでパーティーが始まる」可能性も大いにある。とにかく想像力が問われる『#ドンぷるゼリー』。ピンときた方はお近くのドンキへ。
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.