読者は『牛骨ラーメン』をご存知だろうか? 鳥取県の中でも中部エリアのご当地ラーメンとされるもので、確かに私(鳥取中部出身)は幼い頃からそれを食べていた。しかし『牛骨ラーメン』という呼び名が定着したのはここ20年くらいの話で、果たして全国的にどれくらいの知名度があるのか、私には見当もつかない。誰も知らなかったらマジすみません。
でもって、そんな牛骨ラーメンをカップ麺化した『鳥取ゴールド』という商品が県内で盛んに売られている。みやげとして買って行く人がいるのか、県外でも販売されているのか等は一切分からん。ただ、鳥取県民の多くは鳥取ゴールドが大好きで常食している家庭も少なくない。
そんな鳥取ゴールド界隈に今夏、大ニュースが巻き起こった。鳥取県民以外にはあまり関係のない話かもしれないが……お知らせせざるをえないッ!
・大ニュースである
鳥取ゴールドは鳥取中部民なら誰もが知る老舗『香味徳』が東京・銀座に進出し、その銀座の香味徳が『寿がきや』とタッグを組んで開発……という、少々ややこしいいきさつのもと発売されたカップ麺。
鳥取のスーパーならどこでも売っている。今年の夏、1年ぶりに帰省した私は「忘れないうちに鳥取ゴールドを食べておこう」と思いスーパーへ。すると……
な、何ィィィィイイイイイイ!!!!!!!?
鳥取ゴールドの袋麺が登場しているだと!?!?
調べたところ、鳥取ゴールドの袋麺が発売されたのは昨年9月。もう1年近く経っているが、毎年8月に帰省する私には気づきようがなかった、というワケなのだ。鳥取のスーパーで腰を抜かしたお盆帰省勢は私だけじゃないハズ……これは(鳥取県民にとって)大ニュースである。
・伝えたい、この感じ
ちなみに、これが牛骨ラーメンの現ブツ。
塩とも醤油ともつかない優しい味わいの金色スープに、細いとも太いともつかないうすら縮れ黄色麺。店によって多少の個性はあれど、鳥取の牛骨ラーメンってだいたい似たような味と見た目である。
この味を言葉で説明しようにも「牛骨ラーメンの味」としか言いようがない。 “圧倒的な個性” といえなくもないが、刺激のカケラもないタイプのラーメンであるため、圧倒的な個性を期待していると肩透かしを喰らうかもしれない……とにかく説明しづらい味なのだ。
こちらがおなじみ、鳥取ゴールド(カップVer.)。かやくはチャーシューにモヤシ、あとのせでネギとブラックペッパーが付属している。
ぶっちゃけ言うと、本物の牛骨ラーメンとはちょっと味が違う。でも雰囲気は感じられるし、似てる・似てない以前に普通にカップ麺としてウマい……それが鳥取ゴールド(カップVer.)。
・速報
んで、こっちが新登場の袋Ver.。
なんと、かやくはブラックペッパーのみ! 牛骨ラーメンにとって一番大切な要素はチャーシューでもネギでもなく “コショウ” であることがここに証明された。言われてみれば、たしかにコショウの無い牛骨ラーメンは想像できないかもしれない。
袋Ver.とカップVer.を比較すると……麺の色が明らかに違う!!! “同じメーカーが同じラーメンを再現すべく開発したものが別の姿をしている” というパターンもありえるのだろうか?
調理方法の欄には「おすすめ具材」が記されているが、ここは公平さを期すため付属のブラックペッパーのみで判定したい。全鳥取県民と鳥取出身民の運命を左右するかもしれない注目の結果、果たして…………?
【速報】味、違う!!!!!!
なんと個人的ジャッジの結果、袋Ver.のほうが本物の牛骨ラーメンに近いことが判明した!!!!! さきほどカップVer.について「本物の牛骨ラーメンとは味が違う」とお伝えしたが、その理由は “醤油味が強い” こと。本物の牛骨ラーメンと比較してスープが濃い(気がする)のである。
袋Ver.も本物の牛骨ラーメンとは味が違うのだが、カップVer.よりは本物に近い……気がする。また麺もよりタマゴ麺っぽく進化している……気がする! これはあくまで私の個人的見解なので、鳥取県民ならびに鳥取出身民の方々におかれては意見が違っても怒らないでくれ!!!!
もちろん今回の争点となったのは「本物の牛骨ラーメンっぽいか否か」であって、カップVer.と袋Ver.どちらがおいしいかは各自の好みによることをご注意願いたい。興味のある人は鳥取へ来てくれてもいいし、寿がきやの公式サイトで通販も可能だぞ!