国民的カップうどんの王道を行く、『日清のどん兵衛 きつねうどん』。1976年に誕生してから、あと2年で50周年を迎える超ベストセラー商品だ。

現在、レギュラーサイズの「きつねうどん」だけでも関東、関西、北海道の地域によって違う商品も含めて多くの種類が存在する。

そして今回、関東で販売されている「きつねうどん」3種類を食べ比べてみて、本当に美味いのはどれか? をガチで検証してみることにした。そして食べ比べてわかった、個人的にNo.1と思った商品はアレだった……。

・東のきつねうどん3種の対決

今回食べ比べてみるのは、関東のコンビニやスーパーで販売されている、こちらの3種類だ。


まずは定番の「日清のどん兵衛 きつねうどん [東]」


次に “おいしさ そのまま” というキャッチフレーズで販売された、「日清のどん兵衛PRO 高たんぱく&低糖質 きつねうどん [東]」


最後は “このどん兵衛 すべてが主役” という、素材のこだわりが詰まった「日清の最強どん兵衛 きつねうどん」だ。


この3種を栄養成分、おあげ、麺、つゆの観点から比べてみる。なお各味に七味がついているが、調味料自体のジャンルが違うため比較対象には入れず、あくまで食べたときの相性の良さとして参考程度に追記することにする。


・まずは栄養成分を比較

それでは最初に、3商品の栄養成分から比べていく。明確な数字を把握することで、それぞれの商品の特徴を定量的に比較できる。


最初にノーマルの「日清のどん兵衛 きつねうどん [東]」。こちらの栄養成分は以下のとおりだ。

1食あたり:96g
熱量:421kcal
たんぱく質:9.9g
脂質:17.4g
炭水化物:56.1g
食塩相当量:5.0g


続いて「日清のどん兵衛PRO 高たんぱく&低糖質 きつねうどん [東]」は……

1食あたり:88g
熱量:369kcal
たんぱく質:16.0g
脂質:18.0g
炭水化物:43.4g
食塩相当量:5.0g


ノーマルと比べると、たんぱく質が6.1g多く、糖質が入っている炭水化物が12.7g低いが、脂質が若干高いのが気になるところだ。


最後に「日清の最強どん兵衛 きつねうどん」の栄養成分は……

1食あたり:93g
熱量:410kcal
たんぱく質:9.8g
脂質:17.2g
炭水化物:53.9g
食塩相当量:6.1g


こちらは、ほぼノーマルの栄養成分と変わらない数値だ。強いて言えば、食塩相当量だけが他の2種に比べて1.1g高い。


・食べ比べ開始

それではいよいよ、食べ比べの開始だ。


まずは熱湯を入れる前に、おあげの違いを比べてみる。サイズを見るとノーマルのどん兵衛が意外に1番大きいことがわかった。


しかし。厚さを比べてみると……


「最強どん兵衛」が圧倒的に分厚い。対して「どん兵衛PRO 」は「ノーマルどん兵衛」より、栄養成分への配慮もあってか若干薄かった。

おあげのサイズを比べたところで、粉末スープを入れてセット完了。


それぞれに熱湯を注いでいく。


「最強どん兵衛」のみ8分待たなくてはいけないので、他の2種より先に熱湯を注いだところで、フタを閉めて待つこと5分。食べ比べの準備が整った。


それではまず、「日清のどん兵衛 きつねうどん [東](ノーマルどん兵衛)」から食べていく。まずは麺から。


さすが国民食。食べ慣れたカップうどんならではのコシで、ツルツル感がある。


次に、おあげを口に運ぶ。


こちらも食べ慣れた、甘い出汁が効いた味。カップうどんのおあげは、これがデフォルトなのだろう。

そして、つゆも甘みが効いていて相変わらず定番感は鉄板である。


続いてはノーマルの味はそのままで、たんぱく室アップ、糖質30%オフの「日清のどん兵衛PRO 高たんぱく&低糖質 きつねうどん [東](どん兵衛PRO)」を検証してみる。最初に麺を一口。


食感自体は変わらないが、麺がノーマルより見た目は若干細い。コシも差はないようだ。


おあげはどうなんだろう? 食べてみると……


ほう……コメントは、つゆを飲んだ後に合わせてしよう。


うん、「おいしさ そのまま」という売り文句だが、個人の感覚としては明らかに甘みがノーマルより薄いと感じた。以前、当サイトでレビューしたとき「完全一致」という結果だったが、個人的にはその結果とは合致しなかった。

ちなみに3種類のうち、この商品だけかまぼこが入っていなかったことを付け加えておく。


最後に自ら “最強” を名乗る「日清の最強どん兵衛 きつねうどん」だ。この商品を食べるのは初めて。果たして、その実力は……


おおー! 食べ比べに時間を要してしまっているので若干伸びてはいるが、ツルツル感が断然違う。他の2品とは明らかに一線を画す食感だ。

これは期待が持てるぞ! テンションが上がったまま、おあげを口に運ぶ。


圧倒的な厚み! まず、食べ応えが全然違う。そして噛めば噛むほど、口の中にジューシーさが広がっていく。


そして、つゆを飲んでみると……


甘みはノーマルより抑えめになっているが、あとから抜けていくコクがまるで違う。なるほど、これが最強たる所以(ゆえん)か……。


・優勝は?

ということで、3種類の『日清のどん兵衛 きつねうどん』を食べ比べたわけだが、私的ランキングで優勝したのは……


『ノーマルどん兵衛』


優勝の決め手は、やはり「つゆの甘み」だ。「最強どん兵衛」も具材のこだわりが見えたが、つゆの好みによって、おあげの味も変わってくる。

麺の食感は「最強どん兵衛」に分があるが、つゆの味の差を埋めるほどではないと評価した次第だ。

もちろん、私的ランキングなので完全に好みで分かれるところではあるが、こうして食べ比べてみると細かい部分での発見もある。

──ということで、また機会があれば今度は東西のきつねうどんで食べ比べしてみたいものだ。

参考リンク:日清食品 
執筆:耕平 
Photo:RocketNews24.