2023年3月27日、日清食品は『ゆでるからうまい! 日清のどん兵衛』を発売する。これはカップのきつねうどんと天ぷらそばがそれぞれ袋麺になったもので、メーカー希望小売価格は2食入りでどちらも税抜き315円だ。

注目はパッケージにデカデカと「カップよりウマい!」と記載されていること。自社の看板商品をあえてディスっていくスタイルは「さすが日清……!」と感心せざるを得ないが、果たして言うほど袋のどん兵衛はウマいのか? 実際に食べ比べてみることにした。

・自社製品をディスっていくスタイル

言うまでもなく、カップのどん兵衛は文句のつけようがないほどウマい。その安定感は際立ったものがあり「今日のどん兵衛はイマイチだな?」と感じることはほぼ皆無。加工食品とはいえ、高い水準をキープし続けるどん兵衛には「ベストセラーの風格」が漂っている。

そのどん兵衛よりウマいということは、袋麺のどん兵衛は相当の自信作なのだろう。日清食品の社風を考えれば、いとも簡単に自社製品をディスっていくスタイルに驚きはないが、それでも「ハードル上げ過ぎなんじゃないの~?」とは思わずにいられない。

・食べ比べてみよう

さて、今回は発売前に事務所に送られてきた「袋麵のどん兵衛」と「カップのどん兵衛」を食べ比べ、日清の言うことが本当なのか確かめてみることにした。調理する手間を考えれば美味しくてあたり前。ブッチギリで袋の方が美味しくないと納得は出来ない。

で、調理方法は一般的なインスタント麺と同様で、たっぷりのお湯で麺を茹でたら、お湯で溶いたスープにぶち込むだけ。なお、具材と一緒に煮込む方式でも調理は可能となっている。

まあこれくらいの手間なら大したことはないものの、それでもお湯を入れて終了のカップ麺と比較すれば手間がかかったことは事実。あとは別売りの「日清のどん兵衛のおいしい具材 2枚入」を投入すれば「袋のどん兵衛」の完成だ。

まずはカップのどん兵衛をしっかり味わい、舌に「いつものどん兵衛」を記憶させていく。うむ、やっぱりウマいよね、どん兵衛は。死ぬ前、最後に食べたい料理ではないけれど「何もないからとりあえずどん兵衛」は全然アリ! 知ってはいたが流石の安定感である。

・マジかよ

で、間髪入れず「袋のどん兵衛」を口に放りこんだところ、ちょっと脳がバグってしまった。というか、全然違う食べ物やんけ……! マジでうどんやん……!! 脳は「インスタント麺」を想定していたが、実際に飛び込んできたのは「普通のうどん」であったのだ。

具体的にうどんの “つるみ” が全く違う! カップのどん兵衛はうどんがツルツル!! トゥルトゥルッ!! カップのどん兵衛だけでは気付かなかったが、袋のどん兵衛は「うどんとしての完成度」が圧倒的にリアル路線! その差は食べ比べれば一目瞭然であった。

純粋な味だけでいえば、袋麺が100点ならカップはせいぜい50点といったところ。これくらい差があるなら、日清の上層部が「カップよりウマいって言い切って良くない?」と結論付けた気持ちもよくわかる。僅差ではなく「大差で袋のどん兵衛の方がウマい」という結果となった。

・そばも袋が圧勝

これはうどんだけではなく そばも全く同じ。うどんはつるみ、そばは “なめらかさと弾け具合” が圧倒的に袋麺がカップを上回っていた。これほどの差があるなら、わざわざ作る価値もあるハズ。個人的には「もう1回作ってみようかな?」と思っている。

もし機会があればみなさんにも『ゆでるからうまい! 日清のどん兵衛』を食べるだけではなくカップと比べてみて欲しい。きっと記者と同じく「大差で袋のどん兵衛の方がウマい」と感じるハズだ。

参考リンク:日清食品
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.