先日初めて訪れた、香川県高松市。香川県と言ったら「うどん」が有名で、高松市の一人当たりのうどんの消費量は日本一らしい。

そして高松市にはもう一つの日本一がある。それは “日本最長のアーケード街“ と呼ばれる『高松中央商店街』だ。

いったい日本最長とは、どれくらいの長さなのか? 体感すべく端から端まで歩いてみたら、完全に商店街の概念が吹き飛んでしまった……。

・全長約2.7km

近年はJR高松駅前の再開発やタワーマンションの建設ラッシュなどもあり、さらに注目を集めている高松市。


また国から国宝と同じ格を持つとされる、特別名勝(めいしょう)に指定されている「栗林(りつりん)公園」や……


都市部にも関わらず小豆島を中心とした複数の離島に、フェリーや高速船で移動できる「高松港」などもある。


『高松中央商店街』は、その中間に位置する、8つの商店街が連なってできた巨大なアーケード街だ。


その大きさは、なんと全長約2.7km! 東京で言うと「武蔵小山商店街パルム」が全長約800mで東京一長い商店街と言われているが、規模的にはその3倍以上と考えていいだろう。


そんな日本最長の商店街を、端から端まで歩いたらどれくらいかかるのか? さっそく、検証してみることにしよう。



・端から端まで歩いてみた

今回は、JR高松駅側から栗林公園に向かって歩いていく。


まずは「兵庫町商店街」


JR高松駅側から『高松中央商店街』に訪れた場合、ここが玄関口となる。入口は、普通のアーケード商店街とあまり変わらない雰囲気だ。


こちらは、個性豊かな飲食店が多いのが特徴。うどん屋はもちろん、骨付鳥の専門店やオリジナルメニューが豊富なカフェなどが軒を連ねている。


信号に差し掛かり逆側の入口を振り返ると、最初の入口とは同じ商店街とは思えないくらいの門構えだった。


横断歩道を渡った先の入口も、とんでもない大きさだ。


さらに進んでいくと、先ほどの通りよりも店舗の数が増えて賑わってきている。



そして、この巨大アーケード街の象徴「高松丸亀町壱番街前三町ドーム」のある十字路に到着。


おいおい、これ本当に商店街かよ? 天井を見上げるとアーケード街なのに青空の光が差し込んだ、超開放的なスペースと化していた。


しかも夜になると通りの一部がライトアップされて、デートスポットとしても活用されていそうだ。


この十字路は「片原町商店街」、「丸亀町商店街」との分岐点となっている。ちなみに、もう1本は商店街の外に出ることになるが、目の前にデパートの「三越」がある。



ここから「片原町商店街」に進んでいく。


こちらの商店街も、昔ながらの飲食店や小売店が並んでいて、その中にまさに「THE 商店街」といった感じだ。


この商店街は、もう一つの珍しいところがある。それは、アーケード街の中を電車が横切っていく光景が見られることだ。「ことでん片原町駅」という駅があり、その影響で商店街の間に踏切が設置されているという。



そこから戻って、今度は『高松中央商店街』の中心地「丸亀町商店街」を歩いてみる。


最初に言っておこう。この「丸亀町商店街」は、もはや商店街を名乗ってはいけないと思った。その理由は……


「GUCCI(グッチ)」あるやん。


他にも「ティファニー」などのブランド店が複数入っている。そしてアーケードも他と比べて、やたらスタイリッシュだ。


あと「ドンキ」とか、「Francfranc(フランフラン)」なんかもあるし……


進めば進むほど、商店街のイメージとかけ離れてくるし……


反対側の入口は、商店街とは思えないくらいの門構えだし……


ということで、「丸亀町商店街」は一般的な商店街のイメージとはかけ離れた、 “ショッピングモール“ ってことでいいよね?



そして先ほどの「片原町商店街」を起点として、並列している商店街が「ライオン通商店街」だ。


「片原町商店街」からの入口は、「デイリーヤマザキ」が目印となる。


こちらは「丸亀町商店街」の雰囲気とはガラリと変わる。そう、ここは “香川県一の歓楽街” と呼ばれているのだ。


通りは「1番街」から「7番街」まで、それぞれ交差点ごとに分かれている。歓楽街ということもあり昼は比較的、閑散としていた。


他の商店街とは違い、天井からぶら下がっている垂れ幕も「大人のお店」のものが多い。


「7番街」側の横断歩道からの入口は、何だかレトロ感があった。



そして「丸亀町商店街」に戻り、横断歩道を挟んだところにあるのが……


「南新町商店街」だ。


この商店街も、「丸亀町商店街」と同じくらい人の行き来がある様子。


店舗はグルメ、生活雑貨がバランスよく並んでいて、さらに近辺では再開発も進んでいる。中でも今回行きたかったのが、大人気のうどん店「麺処 綿谷(めんどころ わたや)」だ。


本店は丸亀市にあり、こちらは支店になるが、このお店は名物は何と言っても「肉ぶっかけうどん」! 私が訪れたのは月曜の午前中だったにも関わらず、広いお店は満席に近かった。


注文したのは「スペシャルぶっかけ」(610円)


牛肉、豚肉、温玉が入った至高のメニューだ。さっそく口に運んでみると……


美味すぎ!


一噛みした瞬間、麺のコシの違いが圧倒的に違うとわかる。もちろん具の旨みも最高! 人生で食べたうどんの中で、間違いなくナンバーワンの味だった。



この商店街を抜けると、「常磐(ときわ)町商店街」と「田町商店街」との分岐点になっている「南部3町ドーム」がある。


ここから、7つ目の商店街「常磐町商店街」に向かう。


この商店街の特徴として、店舗数は他の商店街に比べて少ないものの、全国展開している店舗が少なく、地元に根付いた個性的な店舗で形成されていることだ。


そして大型商業施設「瓦町フラッグ」内にある、「ことでん瓦町駅」にアーケードを通って行けることも魅力の一つと言える。


もう一つ、『高松中央商店街』の中で唯一「T字型の商店街」でもある。ちなみに「菊池寛通り」側の入口のアーケードは、先進的なデザインだ。



「南部3町ドーム」に戻って、最後に紹介するのは「田町商店街」


『高松中央商店街』の中で最も栗林公園側に位置する商店街で、人通りはそれほど多くないものの、敷地内の通行がOKとされる自転車の行き来が多かった。


他の商店街に比べて飲食店の数が少なく、小売店やサービス業の店舗が多いイメージだ。


そして最初の「兵庫町商店街」の入口から、約2.7kmにある「田町商店街」の入口に到着。


ここまで横断歩道以外、全てアーケードを通ってきている。ちなみに撮影のためにアーケード街を歩いた総移動距離数は……


4.68km!


さすが日本最長のアーケード商店街だ。ここまでの規模だと、商店街の概念って何? と考えるきっかけにもなった。

昨今シャッター商店街が増えている中、この規模の商店街が活気づいていることは「地域活性化のモデルケース」と言えるのではないだろうか?

まだまだ『高松中央商店街』が成長する姿を願って、また香川県に足を運びたいと思う。

執筆:耕平 
Photo:RocketNews24.