医師から処方された薬は用法・容量を守って正しく飲まないといけない。

これは安全と健康のために絶対に守るべきルールである。

ところが人間、うっかりしてしまうもの。長く飲み続けている薬だと気が緩んでしまうことがある。薬を飲み忘れたりすることもある。

私は医師の処方で寝る前に睡眠薬を飲んでいるのだが……。

薬を飲んだ後起きていたら大変なことになってしまったのである。注意喚起をこめて筆を執りたい。

・睡眠薬を飲んだらすぐ布団に入らなくてはいけない

まず、大前提として睡眠薬を飲んだ後はすに眠らなくてはいけない。これは絶対である。

睡眠薬を飲んだあとも起きていると睡眠薬を服用してからあとの記憶が思い出せなくなる「健忘」状態になる可能性があるからだ

これは睡眠薬が中途半端な覚醒状態にしてしまうことで、海馬を中心とした記憶に関する脳の機能が低下してしまうためらしい。


ちなみに、私が処方されているのは眠剤のなかでもそこまで効き目が強くないものであった。ずっとルールを守って飲んでいたのだが、睡眠薬はだんだん慣れてしまって効きが甘くなることがある。

飲んだあとしばらく眠くならない……というのが続いていたので、最近は風呂から上がったあと髪を乾かす前に薬を飲んだりしていた。

髪を乾かしてベッドに入る頃に眠くなる……という逆算で早めに飲んでいたのだ。繰り返すが本来は絶対にダメである。



・寝る前に用事を思い出した

いつもと違ったのは、その日は気圧のせいで頭痛がひどくて、夕飯後に鎮痛剤も飲んでいたこと。


入浴後に風呂からあがって眠剤を飲み、髪も乾かし終わって、さて寝るか……という時になって、私は急にある用事を思い出してパソコンを立ち上げた。


「そろそろ月末だけど立て替えた家計の精算がまだだったな」

自分の財布からレシートを出して、家計から立て替えた分の計算を始めた。

今にして思えば、いつもなら電卓で計算するのに、パソコンの電卓機能をわざわざ立ち上げた時点でちょっと変なのである。

そして、そこから寝るまでの記憶がすっぽりと抜け落ちている……。



・翌朝、パソコンを見てビックリ

気づかないうちにベッドに入って寝たようで、朝はいつもどおりだったのだが……。

さあ、仕事をしようと思って、パソコンを開いてびっくりした。

どうも昨晩はパソコンの電源を落とさずに寝たようで、スリープ状態になっていた。


そしてなぜか目に飛び込んできたのは美容クリニックのサイト。


「御花畑マリコさま カウンセリングの仮予約の受付をしました」


という画面になっているではないか。

「えっ!!! まったく記憶にないんだけど……?」



・なぜか美容クリニックを予約している

驚いて自動配信メールを見ると深夜の1時半に仮予約希望を送っていたことが発覚した。


一瞬、乗っ取られたか? と思ったけれど、美容クリニックの無料カウンセリングだけではお金は取られないし、当日に本人が来なければ無意味である。

しかも、予約をする前に名前のほかに希望施術や、予約日程を入力するため、ポチッと間違えて押したぐらいでは予約できない。


つまり、私は睡眠薬を飲んで寝るまでの間に「健忘状態」になり、美容クリニックの公式サイトを開いてカウンセリングの予約をしていたのである。

慌ててキャンセル連絡をしたが、もしもこれがキャンセルできないような買い物とかだったら、大変なことになるところだった。

たしかに心の片隅で「そろそろ自腹レボリューション(私がやってる美容体当たり企画)の新作やらなきゃなあ」などと思っていたタイミングではあったが、美容クリニックのサイトを開いた記憶はない。



・薬を飲んだらすぐ寝ること

どうも、睡眠薬を飲んだあと、そのまま起きていたら、友達にLINEを送ったり誰かと通話したが記憶にない……とかはよくある話のようだ。

睡眠薬と数時間前に飲んだ鎮痛剤の相乗効果などもあるのかもしれないが、こんなことは初めてだったので本当にビックリした。

記憶がないというのはこんなにも恐ろしいものなのか。

これからは絶対に絶対に薬を飲んだらすぐにベッドに入ろうと固く心に誓った出来事である。

睡眠薬を飲んだあとに車を運転して事故を起こした芸能人などもいる。くれぐれも面白がって真似をしたりしないようにお願いしたい。


参考リンク:日経メディカル(処方薬事典)
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.