祐祐(ゆうゆう)は上海在住の柴犬。柴犬は日本固有の犬種であるが、祐祐自身は中国生まれのため日本へ行ったことがない。彼が私によく懐いているのは、本能的に故郷の匂いを嗅ぎとっているからだと思う。たぶん、きっとそう。

私が中国に滞在して数日たったころ、祐祐の飼い主(中国人 / 私の友人)が「週末にペットのイベントへ行こう」と言い出した。「ペットのイベント」とはなんとも漠然とした表現だが……中国のペットのイベントって、何かスゴそうではあるな。

・行ってみた

ってことで祐祐を連れてペットのイベントへ向かった。

照りつける暑さのなかイベントは3日間、13時から21時まで開催されるらしい。なぜそんなに夜遅いのかというと、単に暑さ対策のためなのだそうな(取材時は6月)。これこれ祐祐、そんなに急ぐんじゃないよ!

これがイベントの入り口ゲート。公園の一部を貸し切っての大規模なものである。

内部の様子。同じような光景がこの10倍くらいの規模で続いてゆく。


・ペットイベントの全貌

会場内の出店は約80店舗。

うちわけはペット用品を扱う企業ブースが半数。

あとは手作りのペットグッズなどを売る個人ブース、飲食ブースなどなど。来場者たちは会場を練り歩き品定めする。

これは日本のペットフードを扱うブースで配られていた犬用オヤツ。企業ブースは製品の宣伝を主な目的としているようで、さながら試供品祭りの様相を呈していた。景気がいい話だなぁ。


・エンタメ性よ

その他、会場内には来場者を楽しませる仕掛けが多数散りばめられている。

なぜかエリア内を周回する汽車ポッポ。ペットとどう関係しているのかは分からなかったが、 “ありあまる富” って感じはすごくする。

犬用フリープール。見る専の祐祐。

寄せ書きを募っていたので思い出に書き込んでみた。

ほかにも特設ステージでは生バンドが演奏するわ、ペットコンテストは開催中だわ、酒は飲むわ飯は食うわのお祭り状態。「昔ウチで飼ってた犬を連れてきてやりたかった」そんなセンチメンタルな気持ちになるほど、動物好きにとって桃源郷みたいな空間であった。

ウンチ用のゴミ箱がカワイイ。

里親募集コーナーも。

中国でペットの名前に同じ漢字を繋げるもの(例:祐祐)が多いのは、「◯◯ちゃん」的なニュアンスを意味しているらしい。これは動物に限った話ではなく、人間にも使うのだそう(友人談)。


・ウチの子自慢

そしてこのペットイベントにはもう1つ、最重要ともいえる要素がある。

それはペット同士、飼い主同士の交流

祐祐自身にもかわいいメスを追いかける場面や……

逆に追いかけられる場面など色々あったものの……

これほど多くの犬猫が会場内ひしめき合っているにも関わらず、ケンカやチカン行為などのモメ事は(私の見た限り)一度も起こらなかった。どの子もキッチリしつけされている、ということだろう。

また “ウチの子自慢” 的な意味合いも多分に含まれているようだった。

思い思いのメイクアップやコスチュームで華麗にキメたワンちゃんネコちゃんが大集合しているさまは、まさに豊かさの象徴。飼い主さんも非常にオシャレで個性的な方が多く、見ているだけで1日なんてあっという間に過ぎる。

そんなこんなでペットのイベントは大盛況ののち終了。ペットを飼っていない私がこれだけ楽しめたのだから、飼っている人たちにとってはたまんなかっただろうなぁ。

ホテルへ戻るやいなや腹丸出しで爆睡する祐祐。おつかれさまでした! また行こうね☆

執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.

▼私の昼食をうらやましそうに見つめる祐祐。かわいいねぇ