どうやら『インサイド・ヘッド2』の評判がすこぶる良いらしい。世界各地では一足先に同作が公開されており、世界興行収入は14億6200万ドル(2245億円)を突破。これまで1位だった「アナと雪の女王2」を抜いて、アニメーション映画史上世界No.1を達成したという。

ぶっちゃけた話、日本では『インサイド・ヘッド』自体が「トイ・ストーリー」や「アナ雪」ほど人気があるとは思えないが……? というわけで、7歳の娘と『インサイド・ヘッド2』を鑑賞し、人気の秘密を探ってみることにした。

・第1作は2015年に公開

まず『インサイド・ヘッド2』は「トイ・ストーリー」や「リメンバー・ミー」などのピクサースタジオ作品である。第1作は2015年に公開されており、日本語吹き替え版では「カナシミ」の声を大竹しのぶさんが務めたことでも話題を集めた(2でも継続)。

さて、ここで『インサイド・ヘッド』の概要をざっくり説明しておこう。インサイド・ヘッドは主人公の少女「ライリー」の成長物語。その過程で「ヨロコビ」や「カナシミ」など、5つの感情を擬人化したキャラクターが登場する。

2では思春期を迎えたライリーに「シンパイ」や「ハズカシ」などの感情が誕生。高校入学を控えたライリーが総勢9つの感情と共に困難に立ち向かう……といった感じのストーリーだ。

・追い込み方がすごい

ズバリ言ってしまえば「トイ・ストーリー」や「リメンバー・ミー」ほどシンプルな構成ではないし、1も2もディズニー・ピクサー作品にしては珍しく「とことん追い込んで来る作品」である。

事実、4歳の頃に『インサイド・ヘッド』を鑑賞した娘は号泣の末、途中リタイア。2を観に行くにあたり再び1を鑑賞したものの、1度は勝手に停止ボタンを押していた。

要するに『インサイド・ヘッド』は子供よっては耐えられないほど悲しみが深い作品であり、別の言い方をすると「とことん追い込んで来る作品」なのである。そこが他のディズニー・ピクサー作品とは大きく違う。

・劇場にて

で、7歳の娘と『インサイド・ヘッド2』を劇場で鑑賞したところ、案の定メッチャ泣いていた。周りの人に迷惑になっていないか心配してしまったが、どうやら周囲からも子供たちもシクシクと泣いているようだ。

もちろん、大人である私も泣いた。結構泣いた。ディズニー・ピクサー作品には必ずと言っていいほど「泣くシーン」が出てくるが『インサイド・ヘッド2』はその最上級と申し上げていいだろう。

娘によれば『インサイド・ヘッド2』は「悲しくて・おもしろくて・悲しい作品」とのこと。思春期を迎えるには幾分早い年頃だが、言葉では説明が難しい “感情” を、キャラクターを通して何となく理解できたらしいことは父としてありがたかった。

・親子で観たらいい

また映画を観終えた後、例えば娘が怒ったりしたときに「イカリが出ちゃってる!」などと『インサイド・ヘッド2』のネタで会話も弾む。実際にどうかは知らないが、海外でも「圧倒的親子連れ効果」が『インサイド・ヘッド2』大ヒットの秘密……なのかもしれない。

とにもかくにも『インサイド・ヘッド2』は親子連れで鑑賞するには非常に優良な作品である。時期的には夏休みにドンピシャなので、ハンカチをご用意のうえ劇場に足を運んでみてはいかがだろうか。

参考リンク:インサイド・ヘッド2
執筆:P.K.サンジュン
Photo:Rocketnews24.(C)2024 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

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