2024年7月24日、つまり今日! 映画『デッドプール & ウルヴァリン』が公開された。ヒーロー映画が「アベンジャーズ / エンドゲーム」をピークにイマイチ盛り上がりに欠ける中、起死回生を期待される大型作品である。
私は映画公開に先駆けて行われた完成披露試写会にて『デッドプール & ウルヴァリン』を鑑賞。この記事では同作を観終えた後の率直な感想を「良かったところ」も「悪かった(?)ところ」も交えてお伝えしよう。
・大切なおさらい
とても重要なことなので、まずは『デッドプール & ウルヴァリン』に至るまでの流れを説明したい。ご存じない方のために超々ざっくり説明すると、本作はちょっと特殊な作品なのだ。
その昔: 経営が苦しかったコミックの会社「マーベル」が、キャラクターを映画化する権利を何社かに売る。
そのちょっと後: SONYが買った「スパイダーマン」や、20世紀FOXが買った「X-MEN」が映画化。大ヒットを記録する。
さらにちょっと後: マーベルが売れ残りのキャラで映画を製作。「アイアンマン」が大ヒットを記録し、息を吹き返す。
2009年: ディズニーがマーベルを買収する。その後、ヒーロー映画ブーム到来。
2018年: 映画「デッドプール2」公開。 20世紀FOXの作品で、前作に引き続き大ヒットを記録する。
2019年: ディズニーが20世紀フォックスを買収。これによりディズニーが、ソニー以外のマーベルの権利を手に入れる。
2024年: 映画『デッドプール & ウルヴァリン』がディズニー作品として公開される。
いかがだろうか? 何となくでもご理解いただけただろうか? 普通ならこうした流れと映画の内容はさほど関係ないのだが『デッドプール & ウルヴァリン』はメッチャある! というのも、デッドプールは世にも珍しい「第4の壁」を打ち破るキャラ設定だからだ。
・特殊なキャラクター
デッドプールは自分が映画のキャラクターであることを認識しており、観客に話しかけたりすることが可能。元々のお下品さと残虐さも相まって、マーベルの中でも異色の人気を誇るキャラクターなのである。
そんなキャラ設定と上述した経緯もあり、作品中は「ディズニーがどうだ」とか「20世紀FOXがどうだ」といった会話が随所で飛び出していた。流れを把握している私はとても楽しめた一方で、これが「初めてのヒーロー映画」だとしたらどうだろう?
それはセリフのみならず「ネタバレ厳禁」の箇所についても同じ。さらに我々にはやや伝わりづらいアメリカンジョーク(?)も連発されるため「予備知識のある人とない人、日本とアメリカでだいぶ感じ方が違うんだろうな」と感じた次第である。
念のため補足しておくと、映画自体はアクション映画なので特に観る人を選ぶような作品ではない。ただ『デッドプール & ウルヴァリン』を細部まで楽しみ尽くすためには、それなりの知識が必要なのではなかろうか?
・ディズニー頑張った
また、本作はディズニー初となる「R指定(R15+)作品」となっている。つまり前作のデッドプールと変わらず、お下劣でハチャメチャで結構グロい! その点については「ディズニー頑張った」と労いの拍手を送りたい。
率直に『デッドプール & ウルヴァリン』をどう感じるかは「人による」としか言えない。予備知識やヒーロー映画愛の有無、さらにはアメリカ文化への理解度により評価はかなり変わるハズだ。俺は好きだから面白かったけどね。
とにもかくにも、この夏の超大作『デッドプール & ウルヴァリン』が公開された。可能なら本作をご覧になる前に「デッドプール2」や「ローガン」あたりを予習しておくことをオススメする。
参考リンク:デッドプール & ウルヴァリン
執筆:P.K.サンジュン
Photo:(c) MARVEL 2024
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