『カイジ』のスピンオフという枠を超え、もはや本編になった感もある『1日外出録ハンチョウ』。個人的に特に好きなのが、コミックス第6巻に収録されている『暴徒』というエピソードだ。

これは主人公・大槻(おおつき)が深夜のコンビニで衝動的に大量の食料を買い込み、本能のままにドカ食いするという凶悪な話である。読んでいるだけでもう胸焼けが止まらないため、実際に再現してみることにした。

・深夜のコンビニでドカ食い

ある日の深夜。私(あひるねこ)は自転車に乗って近所のセブンイレブンまで来ていた。作中では架空のコンビニとして描かれているが、外観などを見る限り、十中八九セブンだろう。それでは入店……! 禁断の園……!!


漫画で店に入った大槻は、とにかく胃がときめいた物を片っ端からカゴに入れていくという、いわば「逆こんまり状態」に突入する。

カップ焼きそばU.F.O.大盛に、ばくだんおにぎり、とんかつバーガー、エクレアにフルーツサンド。止まらない……いや、止まるはずがない……!


大槻の胃が今、胃壁うごめき胃酸荒れ狂う大シケになっていることは、読者なら当然ご存じのはず。しかし……漫画片手に同じ商品をカゴに入れながら、私はガタガタと震え、怯えていた。


これ全部一人で食べるのかよ……!


・常軌を逸したカロリー

そう、まさに暴徒である。ただ一つ嬉しい誤算は、ホットスナックを買おうとしたらケースの清掃中で販売していなかったこと。思わず「っしゃあ! 危ねぇ……!!」とガッツポーズしかけたぞ。よって今回フライドチキンはありません。悪しからず。


そして始まる……!


背徳……愉悦……


深夜の凶悪めし……!


もし紙でもアプリでも漫画を読める環境にある人は、ぜひ上の画像と原作の同シーンを見比べてみてほしい。驚くべき再現度である。ただし、置いていない商品もあったため、その代替品も含めてそれぞれ解説しよう。



・ドカ食いお品書き

残念ながらカップ焼きそばU.F.O.大盛はなかったが、代わりに一平ちゃん大盛があった。マヨビームがある分、むしろ凶悪度数は高いのではないか。


明太子ポテサラ、味付きゆで卵、たまごコッペ、フルーツサンドに関しては、原作とほぼ同じものが入手できたように思う。


とんかつバーガーとエクレアは売り切れており、苦肉の策としてカツサンド、そしてチョコ生サンドという商品を購入。


また、ばくだんおにぎりという商品も見当たらなかったので、なるべく原作に近い昆布系のおにぎりをチョイスした。が、しかし……。


唯一のオアシスとも言えるトマトジュースが、ペットボトルではなく紙パックしかなかった時の私の落胆ぶりは、とても筆舌に尽くしがたい。これじゃ足りねぇよ……! もっとくれよ……!!



それではさっそく原作に忠実なドカ食いを始めていきたい。まず一平ちゃんを作ったら……


そこに明太子ポテサラをイン……!


さらにそこに……! 味付きゆで卵を投入……!


そうしてできあがった……


カロリーモンスターを勢いよく頬張ると……


すかさずおにぎりを……


ガブリ……! しかも……


大して噛まずにゴクリ……!



私は思った。すでに限界であると──。これ、ポテサラ入れる意味あんのかと。深夜に一人で何をやってるんだと……。いや、ドカ食いはまだまだ始まったばかりだ。必死に一平ちゃんを空にした後は……


少しだけトマトジュースを口に含み……


たまごコッペからの……


フライドチキンに代わりカツサンド……!


そして……


カツサンドの油分を……


エクレア(チョコ生サンド)で洗い流し……


フルーツサンドを二口食べたあたりで……


気絶した。

・キツイ

正確に書くと、気絶しかけた。危なかった。原作ではドカ食いによって血糖値が爆上がりし、急激な睡魔に襲われた大槻。その後、晴れやかな顔で眠りにつくことになるワケだが……


皆さん、何かお気付きにならないだろうか? 実は私も原作を読んだ時からずーっと気になっていた。そう……


まだプリンが残っているのである。



・アディショナル・ドカ食い

わざわざコンビニでカゴに入れるシーンが描かれているにもかかわらず、大槻はプリンには一切手を付けず寝落ちしてしまう。漫画を読んでいて、シンプルにもったいないなと思った。


なので私は最後の力を振り絞り……


大槻の分までプリンを食べた。そして……


気絶した。

・注意喚起

悪いことは言わない。絶対にマネしない方がいい。深夜のコンビニでドカ食いしても、ただただ具合が悪くなるだけで何も得るものはない。大槻のように晴れやかな顔になることなど決してないと断言しよう。



もしどうしてもドカ食いしたい気分になった時は、『ハンチョウ』のこのエピソードや、今を時めく漫画『ドカ食いダイスキ! もちづきさん』、あるいは本稿を読むことでドカ食い欲を満たすことをオススメする。

繰り返すが、ドカ食いは自分でやるものではない。あれは見るものなのだ。今回、私はマジのマジで気絶しかけた。正直だいぶ後悔しているが、この記事があなたの健康を守ることに少しでも役立てば幸いである。

参考リンク:1日外出録ハンチョウ(Amazon楽天
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.

▼今回のドカ食い総額:税込2180円