出かける時は晴れている方がいい。誰もがそう願うはずですよね。雨降りの時には出かけたくないもの。できれば仕事も学校もお休みにして頂きたいところ。「雨が降ったらお休みで~♪」(唱歌:南の島のハメハメハ大王より) ハメハメハ大王の子どもたちの気持ち、わからんでもないですよね(笑)。どうもこんにちは、佐藤です。
今日は雨降りではありますが、千葉・船橋駅にやってきました。駅の北口発着のバス「山手ループ線」に乗って、街をぶらり循環してみたいと思います。どんな景色に出会えるのかな? それじゃあ、行ってみましょう。レッツゴー!
・しっかり整備されたロータリー
この路線は以前「建鉄線」もしくは「建鉄循環」と呼ばれていました。現在イオンモール船橋のある場所が日本建鉄の工場跡地であり、日本建鉄前停留所(現:新船橋駅)があったことから、そう呼ばれていたそうです。
2022年に「山手ループ線」と改称しています。日本建鉄工場跡地(現:三菱電機ライフサービス株式会社)の住所は「山手」ですから、その名にちなんでこの名に変わったのでしょう。
船橋駅北口を出て北上し、イオンモールを含む山手一丁目をぐるっと一周して、再び駅北口に帰ってきます。なお、この路線は船橋新京成バスが運行しています。運賃は190円(船橋駅北口~東海神駅入口間は150円)です。
これまで何本もの路線バスに乗車してきましたが、船橋駅北口のバスロータリーは非常によくできていると感心しました。少なくとも私が乗ってきた路線の中では、1番整備されていると言えるでしょう。
というのも、利用者は地上からロータリーに入ることができないようになってるんですね。したがって、周辺にロータリー行きの横断歩道はありません。
エスカレーター・階段で1度デッキに上がって、乗り場に降りる形をとっています。しかも、乗り場は八角形になっていて、路線ごとに1~8の番号を設けています。非常にわかりやすい!
よく整備されていますねえ。横断歩道がないので運行もスムーズ、ロータリーの渋滞らしきものも見受けられません。
で、山手ループ線(船35)は2番乗り場から発車します。運行頻度は20分おきですから、本数は普通ですかね。
さっそく来ましたね。これはいすゞの「エルガミオ」ですかね。コミュニティバスは日野の小型バス「ポンチョ」が主流ですから、久しぶりに中型のノンステップバス。小さい車両は可愛らしくていい、中型は広々としてていい。バスは全部いい! 結局ナニに乗っても満足しちゃうんですよね。
では行きましょう、出発進行~!!
・天沼弁天池公園
出たばかりですが、最初の停留所「天沼」で降ります。公園があるので、ちょっと寄って行きますか。歩いて来られる距離だったんですけど、歩いて来ちゃったらこの企画の意味がないもんで……。
「天沼弁天池公園」、ここはその昔、その名が示すように弁天池があった場所なのだとか。周辺は沼のような湿地帯だったようですが、今はキレイな公園に整備されています。
ここの一角に、小さな社がありました。「乳沼開運弁財天社」、鳥居はくぐらなければ通れないほど小さなものです。今回のバス旅の成功を祈願させて頂きましたよ。どうか、雨が上がりますようにってね。
・見知らぬ高齢男性との会話
次のバス停「東海神駅入口」まで歩きましょう。この先に東葉高速鉄道「東海神駅」があるようですね。東葉高速鉄道は西船橋と東葉勝田台を結び、東京メトロ東西線も乗り入れている路線です。私の生活圏の最寄駅中野からでも、乗りっぱなしで終点の東葉勝田台まで行けますね。
ここのバス停は小さいなあ、うっかり通り過ぎるところでした。ここで10分待ちですね。
ぼ~っと待っていたら、1人の高齢男性が私の前をすぎて行きました。その男性、少ししてまた戻ってきました。どうも、バスに乗るかどうか迷っている様子。
ふと見ると、通りの向こうから1台のバスがこっちの方に向かってきます。あれかな? と思ったら、私たちの前を素通りして行きました。どうやら違う路線だったみたいですね。すると……。
男性「あれじゃなかったね」
と急に話しかけてこられました。そこからどういう訳か、私と男性の間で世間話が盛り上がったのです。おおむね、以下のような内容でした。
男性「いつもバスは時間通り来ないからね」
佐藤「そうなんですか? よく乗られるんですね」
男性「まあね、遅れなきゃ乗ろうと思ったんだけど。遅れるなら歩いて帰ろうかなと思ってさ」
佐藤「お近くなんですか?」
男性「1.5キロくらいかな?」
佐藤「結構ありますね。そりゃ乗った方が……」
男性「運賃、上がったでしょ? 190円に(2023年7月:現金・ICカード一律190円)」
佐藤「今はもう仕方ないですよね。何でも値上げでね」
男性「そうそう。円安だし、戦争もあって原材料費も上がってるし」
佐藤「その割に賃金は上がらないしね」
男性「そうそう。何でも高くなっちゃって。ところで、お休み?」
ここまで調子よく話していましたけど、仕事の話が出てくると、一線を越える気がして、私は警戒してしまいました。
こういう話って、お互い当たり障りのないことを話してた方が良いじゃないですかね。一応、私は仕事中ではあるんですけど、一般の人から見ると、どう見ても休みにしか見えないので、説明が難しいんですよね~……。
佐藤「え? あ、仕事ですけど、家でもできる仕事をしているもんで」
男性「なるほどねえ、今風だね。お近くなの?」
佐藤「え? あ、いえ、都内です」
男性「都内から?」
なんでこんなところにいるの? と思われてしまったかも。マズい……、面倒な説明をしないといけなくなったか……。
と、その時、バスが来た! 助かった~!! もうこれ以上、あいまいな話はできそうにないところだったので、絶妙なタイミングでした。別に隠すようなことではないですけど、「取材中」というと、変な空気になっちゃわないか心配なんですよね。無事にバスに乗り、私は男性より先に降りました。
バスの待ち時間を退屈せずに済んだので「ありがとうございました」とお礼を言い、男性と別れました。見知らぬ人とのささやかな触れ合い、旅ですね。
・飛ノ台史跡公園博物館
次に降りたのは「海神中学校前」です。中学校の向かいが、日本建鉄の工場跡の広大な敷地です。敷地の東側にイオンモールがあります。イオンについては後ほどお伝えしましょう。
ここで降りたのは、空地を見るためではなくて、「飛ノ台史跡公園博物館」に寄りたかったからなんですね。船橋は実は数多くの遺跡のある場所です。その数は約200カ所とも言われています。
それらの中から、縄文時代の品々を収蔵展示しているのがこの施設です。入館料は大人110円になっています。
ここでは縄文時代の出土品をはじめ、縄文期の人々の暮らしぶりや文化などについて詳しく解説しています。縄文時代と聞くと、勝手に原始的な生活を想像しまいますが、その頃からしっかりと社会が形成され、文化を育んでいたんだと理解できました。中学校の隣にこんな立派な博物館があるなんて、海神中学校の生徒さんをうらやましく思います。
さて、次の停留所「山手児童遊園」まで歩いてきました。ここでまたバスに乗りましょう。
早速来ましたけど、これは最初の車両と違いますね。「ワンステップバス」と書いてあります。日野の車両かも? バスについてはまだまだ勉強中なので、間違っていたらご容赦を。
「山手3丁目」で降りました。ちょっとバスの路線から離れて、北の方に行ってみましょう。この道の先にちょっと面白いところがあるんです。
・変わった公園
行田公園にやってきました。現地で見る分には、どこにでもありそうな公園なんですけどね、すごく変わった公園なんですよ。
公園の案内図をご覧ください。わかりますか? 変わった形をしているでしょ。しゃもじ型というか扇型というか、1つの公園なのに西と東に分かれているんですよね。
GoogleMapsで公園周辺の様子を確認すると、こうなっています。
巨大な円!
ここは昔、海軍の無線基地だったそうです。真ん中に高さ200メートルの主塔、周囲に高さ60メートルの副塔が18本も立ち並んでいたのだとか。大正時代にその性能は世界トップクラスだったと言われています。
無線塔は昭和46年に解体されて、今では記念碑を残すのみとなっています。
それで東西に公園をわける真ん中には陸橋があります。その下には船橋松戸線の道路が走っています。
円の真ん中、陸橋からの景色はそんなに面白くないですね……。
いずれにしても広大な公園です。扇型の公園外周は1周が約1キロ。ランニング・ウォーキングにはちょうど良い距離。近隣の皆さんの健康づくりと、憩いの場として親しまれているようです。
・バス旅初の風呂!
今回はここからさらに脱線です。「塚田入口」停留所を北進すると、こんな場所にたどり着きました! 入浴施設です!! やったね、バス旅初の風呂!
「船橋温泉 湯楽の里」にやってきましたよ。ひと風呂、浴びちゃうぞ!
ここの入館料は平日大人税込800円。この値段で驚くほど施設が充実しているんですよ。
ジェットバス・電気風呂・腰掛け湯などの内湯があるし、滝風呂・寝湯・壺湯などの露天もあるし、ロウリュウサウナも塩サウナもある! 別料金(税込450円)で岩盤浴まであるじゃないですか!
時間制限がないから、朝9時から閉館の深夜1時までいられちゃう。スゴイ! 私の知る都内の施設は、同等の設備で2000円超えてるというのに、1000円以下って本当にスゴイ!
ゆっくり長風呂……、とはいかないのでサッと浴びてコーヒー牛乳キメちゃいました。生き返るわ~。
ここで食事でもと思ったけど、のんびりしていられないので次へ。イオンモールまで歩いてきました。ここで食事できるといいけど、良い店あるかな~……。
飲食店はたくさんあったけど、そこまで船橋らしさを感じられなかったので、ここもパスです。いい加減お腹が空いたので、食事したいんですけどねえ。
ちなみにイオンを出たら、すぐに新船橋駅がありました。アクセス良すぎ!
・船橋ならではの…
東海神駅入口で再びバスに乗車して、船橋駅まで帰って来ちゃいました。
さすがに食事しないまま終われない。ってことで、これから食べるところを探しに行きますよ!
駅の南口に来たんですけどね、どうも見覚えのある景色なんですよね。でもいつ来たのか思い出せない。かなり最近来た気がするんですけど~。いつだったっけなあ?
このパン屋さん、見たことあるなあ。最近この手の高級食パンのお店をあまり見かけなくなったので、珍しいなと思った覚えがあります。
そういえば、ここのお寿司屋さんも来たはず。いつだったっけかな~。歳をとって覚えが悪くなったんですよね。知ってるのに思い出せない!
え~~と…………、あ! わかった!! 去年の11月にベイシアのフードパークができた時に来たんだった。よかった~、思い出せて。スッキリした。
そんなことより腹が減ったんだった。もう14時が近い、ランチの時間が終わってしまう。思い出せない記憶を辿っている場合ではありませんでしたよ。
駅からずいぶん南下して、やってきました「拉麺阿修羅」。ここに船橋らしい一品があるんです。
それは、船橋ソースラーメン(税込1000円)です。券売機にはふなっしー! こりゃ、間違いないね。
やっとメシ食える~! これがそのソースラーメン。スープにはたっぷりのゴマが浮いていて、ソースの黒は見えませんが……。
ひとすくいするとこの通り。真っ黒スープが姿をあらわしました。ひと口すすると結構辛い! しかしながら、バターを溶かしてゆっくりかき混ぜると、不思議と角のとれたマイルドな味になりました。
船橋らしさを求めて、ここまでガマンしてきましたからね。空腹感も手伝って、とても美味しく頂けましたよ。
再び北口に戻って、「喫茶室よしの」へ。駅周辺には古き良き昭和を感じさせる喫茶店が何軒かありました。有難いことに喫煙可のお店もありますね。ここもそのひとつ。
ミルクセーキを頂いちゃいました、税込450円です。お店の人の感じがよくて、その接客にも癒されました。
ということで、山手ループ線でぶらり循環してきました。後半は昼食を求めてムダに時間を消費しましたが、所用時間は3時間半。食事抜きなら風呂まで入って3時間です。そういえば、雨が上がっていましたね。弁天様のご加護かな? 弁天様、ありがとうございます~!
船橋を探索する際に、ぜひ参考にしてくださいね。それではまた次の循環バスでお会いしましょう。ごきげんよう~!
参考リンク:船橋新京成バス、まいぷれ、FUNABSHI STYLE、船橋市観光協会、船橋温泉湯楽の里、拉麺阿修羅、GoogleMaps
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
Screenshot:GoogleMaps
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