私の顔から眉毛がきれいサッパリ無くなった。もちろん病気や事故ではない。自らの意思(?)で眉毛をフルフルで全剃りしたのである。

何も今さら “昭和風のヤンキー” を目指したわけでも “公家っぽさ” を追求したわけでもなく、そこにはあまりにもハッピーすぎる理由が。人類史上、私は「No.1ハッピー眉毛無し野郎」となったのだ。

・全開ハッピー

あなたはシンプルに「眉毛が無い」ことについてどう思うだろうか? おそらく一般的には「怖い」というイメージがあることだろう。それは私も同じで「眉毛無し = 怖い人」だと考えていた。

眉毛が消滅した今でも私は「怖いと思われちゃうかな~?」と感じているが、理由さえ知っていただければ「なんてハッピーな理由なんだ……!」と熱い涙を禁じ得ないハズ。そう、こんなに幸せな眉毛無し野郎が他にいるわけがない。


・北九州にて

さて、つい先日のこと。私は北九州へと飛んだ。理由は「マキシマム ザ ホルモン」の取材──。その内容についてはまだ秘密だが、なんと大好きなマキシマム ザ ホルモンに会えることになったのである! よしゃ、通算3回目ェェェエエエ!!

で、現場ではあたり前のように「マキシマムザ亮君」や「ダイスケはん」がウロウロしているではないか。もちろん「ナヲちゃん」や「上ちゃん」もいる! 

言うまでもなく、これは腹ペコ(熱烈なホルモンファンのこと)にとっては至福過ぎるご褒美タイム!! いやー、ライターになって良かったーーー! 

し・か・も! 全員が全員、私のことを「ロケットニュースのサンジュンさん」と認識してくれていたのである!! 亮君以外のメンバーにはチラッと1分くらい会ったことがあるだけなのに、ダイスケはんに、


「ご無沙汰してます!」


……と言われたときは普通に三途の川が見えかけたよね。危うく北九州で “感動死” するところだったし、なんなら「ザ・ワールド」が発動したのかと思ったもの。



・眉毛が無くなった理由

話を元に戻そう。心の中ではキャーキャーわめき散らかしていたものの、私も大人。スタッフを含むみなさんがバタバタと作業をする中、与えられた椅子で地蔵の如くジッと気配を殺していた。

そんな時である。電気シェーバーを片手にトイレから戻ったマキシマムザ亮君が、私に話しかけてきてくれたのだ。


マキシマムザ亮君「サンジュンさん、前に亀沢さんにいいライブレポ書いてもらったじゃないですか?(※ 2022年7月のロンドン公演のこと)。あのとき、海外の腹ペコにナメられちゃいけねえって理由で、眉毛を全部剃ったんですよ

サンジュン「あ、眉毛が無いのはあの時からだったんですね」

マキシマムザ亮君「そうなんです。で……」


スッ。


目の前に差し出された電気シェーバー。一瞬何のことか理解できず、2~3秒が過ぎた。あ、俺にも眉毛を剃ろうと言っているのか。……え? 俺!? ちょちょちょ、全然脈絡がないんですけどォォォオオオ!


マキシマムザ亮君「いや、サンジュンさんも絶対に眉毛無いの似合うと思ってたんですよ~」


いま……なんと仰いました?


サンジュンさんも、絶対に眉毛無いの、似合うと “思ってた” んですよ?


え、思うんじゃなくて思ってたの? つまりマキシマムザ亮君の脳内に一瞬でも俺が登場してたってこと? それってほぼ恋やん! いつの間にかメッチャ想われてるやないか!! そんなこと言われたら眉毛なんていらNEEEEEEE!



・うれしはずかP

かくして、眉毛全剃りオファーからおよそ30秒後には私の眉毛が無くなり始めていた。仕上げはマキシマムザ亮君自らシェーバーで全剃り! 結果、46年間の人生で初めて、私の顔から眉毛が消滅したのであった。

※しかも眉毛を剃り始めた瞬間、ナヲちゃんが俺のiPhoneで撮影を始めてくれた! 流れるような姉弟コンビネーション!!

私のマキシマム ザ ホルモンに対する感情は、尊敬・敬愛・羨望・憧れ……などなど、とても一言では言い表せない。最もシンプルに表現するなら “大好き” である。

そんな大好きな人に想われつつ眉毛を全剃りした私は、真面目に「史上最強のハッピー眉毛無し野郎」ではなかろうか? 心残りがあるとするならば生まれつき体毛が薄いため「剃り応えが無かったかな?」と思ったことくらいである。

まあ、娘の運動会が来週に控えていることはさておき、しばらくは眉毛無しでやっていくつもりだ。なのでもし街で私を見かけても「怖い」とは思わないで欲しい。私の眉毛無しは “ハッピー” もしくは “ほぼ恋” の証なのだから。

参考リンク:マキシマム ザ ホルモン公式サイト
執筆:P.K.サンジュン
Photo:浜野カズシ.Rocketnews24.