
「コタツ記事」といえば――現場に足を運んで実際に取材したり、取材対象者にインタビューすることなく、芸能人のテレビ・ラジオ発言、SNS投稿を基に作成される。「コタツに入ったままでも書ける」ということで何かと嫌われがちな存在だ。
筆者もそんなコタツ記事を日々しこしこと作成している人間の1人。
第2弾では『Yahoo!ニュース』に掲載された記事が1クリックされると0.2~0.4円ほど、自社の本サイトの記事が1クリックされると1円ほどが新聞社や出版社に入ってくる、といった具合に大手マスコミの稼ぎ方、具体的なお金の話をした。
今回もお金の話を。人がいくらもらっているかというのはやはり気になるもの。大手マスコミでコタツ記事を書き、編集している記者やライターの報酬について書いていきたい。
・スポーツ新聞社&出版社のコタツ記事を作っている人間とは
芸能・エンタメ系のコタツ記事を量産しているスポーツ新聞社や出版社内にはさまざまな働き方がある。
まずは正社員や契約社員。
スポーツ新聞社であればスポーツ紙の記事を担当する記者、デスク、局長といった仕事を担当したり、広告部や営業部もある。スポーツ紙の記者やデスクから総務部や人事部などのまったくの別部署に異動するなんてこともある。
主要なスポーツ新聞社正社員の平均年収は600万~800万円ほどだろう。
出版社の正社員の場合、週刊誌や月刊誌、さらにはマンガ雑誌や書籍の編集を担当する者、スポーツ新聞社と同じように広告部や営業部で働く正社員及び契約社員がいる。
出版社はその売り上げや規模によって正社員の平均年収はピンキリ。零細であれば300万円というところもあるし、大手であれば1000万円、出世すれば2000万円なんて額も夢じゃない。
昨今は多くの新聞社や出版社が「WEB編集部」を設けていて、編集長や副編集長をはじめ、ヒラの編集も社員であることが多い。
基本的に外部の記者やライターに仕事を振ることがメインだが、「誰かが結婚or離婚した」など、すぐに配信した方が読まれるであろう緊急性のある(コタツ)記事は彼らが書くこともある。
・契約記者&ライターという働き方
続いて契約記者・ライターという働き方。
新聞社・出版社勤務を経て、フリーライターやフリーの記者に転身するという人は枚挙にいとまがないが、筆者のようなフリーランスは社員として働く担当の編集者から「こんな記事書いてください」と仕事を振られたり、探してきたネタを提出することになる。
週刊誌及びその週刊誌のWEBメディアの契約記者であれば、会社の規模、年齢や経験にもよるだろうが月の報酬25万~60万円あたりがボリュームゾーンではないか。
もちろん『週刊文春』(文藝春秋)のエース記者ともなったらケタが変わってくる。そんな記者はコタツ記事を書かないだろうが。
契約記者の報酬と働き方は「毎月30万円お支払いしますので、月に80本以上の(コタツ)記事を書いてください」といった塩梅だ。
そのWEBメディアだけに記事を書く専属契約記者もいるし、他社の週刊誌やエンタメ誌、WEBメディアに寄稿しているような人も少なくない。
・「1本いくら」で “書き起こし記事” を量産する人も
アルバイト、副業でコタツ記事作成を請け負っている人もいる。
そういった人は「月にいくら」ではなく「1本いくら」という報酬体系になっていることが多いはずだ。もちろん時給で働いている人もいる。
「1本いくら」で働くライターの場合――これもWEBメディアの規模によってまちまちなので一概に言うことは難しいが――1本1000~3000円ほど。WEBサイトへの入力・編集までやるならさらに1000~3000円ほどだろうか。
文字数や内容によって前後するが、芸能人のテレビ・ラジオ発言の単なる書き起こし記事は、文字数も800~1000字程度のものが多く、1本あたりの報酬は少ないかもしれない。
ただ、頑張れば1日に何本も書くことができると言えばできる。テレビ・ラジオ、SNSからネタが湧いてくるようなものだから。とにかく量産しまくって本数で稼ぐという戦法だ。
スポーツ新聞社や出版社で働いた経験がない人であれば、マスコミ各社からの直接の募集やクラウドソーシングサービスを通じて応募し、「1本いくら」の働き方から始める人が多いのではないか。
スポーツ新聞社や出版社のWEBメディアはこれらの人間で回し、コタツ記事が日々量産されている。
・フリー稼業にとってのボーナス「インセンティブ」
毎月決まった額で働く記者・ライター、「1本いくら」で書くライター、働き方はさまざまだが、どちらも自身が担当した記事がより多くの人に読まれれば “インセンティブ” が発生する。
「自社の本サイトで〇万PV以上、『Yahoo!ニュース』で〇万PV以上、『SmartNews』で〇万PV以上を達成したので、5月は通常の金額に加えて〇万円の報酬をお支払いします」といった感じだ。
これは夏冬のボーナスがないフリー稼業にはとにかく嬉しい。
インセンティブも会社や個人個人の契約内容によってピンキリだが、PV数によって1万円、3万円、5万円、10万円、さらに……という契約もあったり。
しかし、そんなに簡単に達成できる数字でもない。「今年は1回もインセンティブが発生しなかったなぁ……」なんて年もある。
ただ、今まさにコタツ記事に携わっている筆者が言えるのは、贅沢をしなければそれなりの生活ができているということ。
自分が担当しているWEBメディアが何かの拍子に閉鎖してしまう――という恐怖に怯えつつも。
田中ケッチャム




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